ソーキ汁

ソーキ汁は、豚のスペアリブを煮た沖縄の郷土料理。ぜひ味わってほしいのはその煮汁で、豚スペアリブから出るうまみと、かつお節と昆布のだしが、絶妙に溶け合って、しみじみとしたおいしさが生まれます。また、その煮汁を吸った相棒の大根も見事で、この季節は特に、大根が甘みを増してぐんとおいしくなるので、使わない手はありません。今夜はソーキ汁にしませんか? そうと決めたら、時間がかかるのはしかたがない。白い湯気といっしょに、くつくつと音を立てる鍋のそばで、本や映画、DVDといっしょに待つのも、煮込み料理の楽しみかな。

巻かないロールキャベツ

家族から、「巻かないのに、ロールキャベツとは言えないのでは」と指摘されたけれど、味は、まったくロールキャベツ。しかも、食べた友人からは、本家のロールキャベツよりも食べやすいと褒められた(?)ので、すっかり気をよくして、「巻かないロールキャベツ」と呼ぶことにしました。実際に、バリバリとキャベツをちぎって鍋に入れ、肉だね、またキャベツと重ねて、「あとは煮汁を注いで煮ればおしまい」と作って見せると、おーっという声が上がります。正調ロールキャベツの、あのキャベツを1枚ずつきれいにはがす作業に四苦八苦した経験をお持ちの方へ。ぜひお試しください。

サムギョプサル

焼肉は、牛肉だけにあらず。初めて韓国焼肉店で、サムギョプサルを食べたときは、「こんな焼肉もあったの!」と、そのおいしさに驚きました。いっしょにいた豚バラ好きが、今まで知らなくて損したと、しきりに残念がったのを今でも思い出します。うちでは、本場の気分を味わいたいから、豚バラ肉を長く切り、いっしょに白菜キムチも横で焼いて、はさみで切り分けて楽しんでいます。ぜひ、自家製サムジャン(包みみそ)も仲間に入れてください。

今年はこれで決まりです! 「クリスマスレシピ」BEST3

大人も子供も楽しみなクリスマス。家族や友人と家でパーティーという方へ、今年のメニューは、決まっていますか。料理担当者としては、いちばん頭を悩ませるところ。そこで今回は、こんなクリスマスレシピを考えました。まずはディップを2種、とりあえずテーブルに出しておいて、パンやクラッカーにのせて、適当につまんでもらいます。みんながそろったところで、熱々のえびのアヒージョを出し、宴たけなわで、メインのチキンクリームシチュー登場というのは、いかがでしょうか。大変そうに見えるかもしれませんが、あらかじめ準備をしておけるものも多々あるので、当日そんなに慌てることはありません。さあ、腕まくりして、始めましょう!

ディップ2種

人が来るとき、いつも重宝しているのが、ディップの類い。たいてい、材料をビューンとフードプロセッサーにかければでき上がりなので、楽チンというのもありますが、これがあると、パーティーの始まりから終わりまで、みんなちょいちょいつまんでくれて、とても座持ちがいいのです。ご紹介したこの2つは、わが家の定番。黒パンやメルバトーストのほか、カラフルな野菜スティックも添えて、「お好みでどうぞ」とすすめています。

チキンクリームシチュー

フランス料理をベースにした本格クリームシチューをご紹介します。というと、手が込んでいそうですが、まずは、肉を焼き、野菜を炒めてスープで煮るのは、おなじみの手順。ポイントは、牛乳を加えてからのとろみのつけ方で、ここでは、小麦粉とバターを炒めたルウを作りました。焦がさないよう、さらさらになるまで炒めるのがコツですが、初めての方は、動画があるので、こちらを参考にしてください。ただ、ルウが難しければ、玉ねぎを炒めたところに小麦粉大さじ2をふり入れて炒めておく、さらにこれも難しければ、仕上げに水溶き片栗粉でとろみをつけるなど、簡単な方法はあるので、諦めないで。何より、手作りのクリームシチューならではの、優しくクリーミィなおいしさを体験していただきたいと願っています。市販のルウ派も、一度ぜひお試しください。

白菜と豚肉の重ね鍋

わが家に来た人に教えると、「絶対うちでやってみます」と言われるのが、これ。鍋に、豚肉と白菜を少しずつ段々に重ねたら、あとは酒をかけて蒸し煮するだけ。10分もすれば、豚肉のうまみのしみた柔らかな白菜鍋の完成です。その昔、「塩を忘れたら、焦げついた」という失敗談の報告もあったので、以来、「白菜の水分を引き出すために、塩を忘れないでね」と念を押すようにしています。鍋のしたくが簡単なので、たれは、手作りのポン酢じょうゆに挑戦してみませんか。材料を混ぜるだけ。これまた簡単です。

スンドゥブチゲ

スンドゥブは、「純豆腐」と書く韓国のおぼろ豆腐。これを使った鍋が、今やいたるところで人気です。いろいろな作り方がありますが、わが家流は、主役の豆腐に加え、手近な豚肉、あさり、白菜キムチが準主役。特別な韓国材料は必要ないので、みなさんにすすめています。肉、貝、キムチとそれぞれの材料からいいだしが出るおかげで、味つけもしょうゆで決まるのがいいところ。あっさりとしていながら、うまみ豊かな煮汁になります。あとは、お好みしだい。濃厚にしたいときは、コチュジャンや、韓国赤唐辛子、みそなどを加えてみてください。

揚げ餃子

豚肉に魚介を混ぜたあんは、広東(カントン)風餃子。ぷりっとしたえびのうまみが加わって、ひと味違う餃子になります。友人へのお土産にしたら、「子供たちに大好評でした」とのうれしい反響がありました。えびの代わりに、缶詰の帆立てでもおいしく、ここでは揚げましたが、ゆでる、蒸す、焼くと、どう調理してもかまいません。いざとなったら、ひだをつけずに、ペタンと半分に折って包むのも手。なによりも、自由に楽しんでお作りください。

焼き餃子

豚ひき肉がたっぷり入った、食べ応え十分の焼き餃子。キャベツ、にら、ねぎを加えたベーシックなものです。一番のこつは、まずはひき肉に味つけをして、粘りが出るまで練り、野菜を加えてさらに練り、最後にごま油を加えたら、今度は香りが残るように、ざっくり混ぜること。その昔、中国料理店で習った手順を、今でもしっかり守って作っています。難しいと思われがちな包み方ですが、あんが出なければいいので、形は気にしない、気にしない。熱々を、やけどに気をつけて召し上がれ!

じゃが芋のそぼろ煮

この「じゃが芋のそぼろ煮」は、一人暮らしを始めたころ、婦人雑誌に紹介されていたものを、こわごわ作ってみたのが始まり。思えば、長いつき合いです。なんといっても、初心者でもおいしく作れるし、肉じゃがと似た煮物で、ちょっと料理上手になった気分にさせてくれるところも好きでした。主菜が魚のときは、迷わず副菜にしていたもので、もう、何十回作ったでしょうか。もし、仕上がりの煮汁が多くなったら、水溶き片栗粉でとろみをつけてもおいしいので、失敗をおそれず、ぜひ挑戦してみてください。

タイ風ひき肉サラダ(ラープ・ムー)

タイでの名前は、「ラープ・ムー」。肉や魚を野菜とあえた、スパイシーなサラダです。ここでは、からいりした豚ひき肉に、香菜(パクチー)、玉ねぎなどの野菜をたっぷりと混ぜ、レモンと唐辛子をきかせてナンプラーであえました。香草の爽やかな風味や、きりっとした酸味、辛味が絶妙に混ざり合って、食べるたびに、「味のハーモニー」という言葉が浮かびます。わが家では、これをレタスに包んで食べるのが人気で、エスニックフード好きが来たときは、とりあえず、これをビールとセットで出しています。

ミラノ風カツレツ

一見、とんかつ風。けれど、さにあらず。なんといっても、パルメザンチーズを混ぜたパン粉が風味豊かで、あつあつに、フレッシュトマト、ほろ苦いルッコラをからめ、レモン汁をぎゅっと搾れば、そのおいしさは想像を超えて、行ったことがある人もない人も、一瞬でミラノ気分が味わえます。こつは、焼き方。ちょっとぜいたくですが、ぜひオリーブ油とバターで揚げ焼きにしてみてください。