白菜と豚肉の重ね鍋
川津幸子さんの「これ、作ってみて!」わが家に来た人に教えると、「絶対うちでやってみます」と言われるのが、これ。鍋に、豚肉と白菜を少しずつ段々に重ねたら、あとは酒をかけて蒸し煮するだけ。10分もすれば、豚肉のうまみのしみた柔らかな白菜鍋の完成です。その昔、「塩を忘れたら、焦げついた」という失敗談の報告もあったので、以来、「白菜の水分を引き出すために、塩を忘れないでね」と念を押すようにしています。鍋のしたくが簡単なので、たれは、手作りのポン酢じょうゆに挑戦してみませんか。材料を混ぜるだけ。これまた簡単です。
材料(4人分)
- 豚ロース薄切り肉
- 400g
- 白菜
- 1/4個
- 酒
- 1/2カップ
- 塩
- 小さじ2/3
- 万能ねぎ(小口切り)
- 適量
- ポン酢じょうゆ(しょうゆ・酢・レモン汁各大さじ3、みりん大さじ1〜1と1/2)
- 七味唐辛子
- 少々
作り方
- 1.白菜は芯と葉に分け、芯はそぎ切りにし、葉は3㎝幅に切る。
- 2.鍋に白菜と豚肉、分量の塩を少しずつ交互に重ね入れ、酒をかける。ふたをして火にかけ、煮立ったら10分ほど中火で蒸し煮する。白菜が好みの柔らかさになったら、器にとり、ポン酢じょうゆをかけて、万能ねぎを散らす。好みで七味唐辛子をふる。
厚い白菜の芯を食べやすくする切り方です。包丁を斜めにして、一口大のそぎ切りにしておくと、早く火が通って、柔らかくいただけます。鍋料理全般に応用できるコツです。
鍋に、白菜、豚肉、白菜と段々に重ねていく途中で、分量の塩を少しずつふるのをお忘れなく! これで、白菜の水分が引き出されて、焦げつくのを防げます。
川津幸子
かわつ・ゆきこ 料理編集者、料理研究家。雑誌『オレンジページ』創刊や、栗原はるみさんの『ごちそうさまが、ききたくて。』など数々のヒット作を手掛けた後、1995年から1年間エコールキュリネール国立(現エコール辻東京)でフランス料理を学ぶ。以後は、料理研究家と編集者を兼ねながら、料理の楽しさを伝えている。作る人の視点に立った、簡単でおいしい料理が好評で、『100文字レシピ』シリーズをはじめ、『いつもキッチンからいいにおい』(オレンジページ)、『ごはんよ、急げ!』『さあ、腕まくり』(幻冬舎)、『そろそろ大人のおいしい暮らし』(マガジンハウス)、『100円100品100文字レシピ』(文藝春秋)、『しゃばけごはん』(新潮社)など著書多数。新潮文庫「100文字レシピ」の全シリーズが、電子書籍になって好評配信中。