撮影=岡本真直/スタイリング=綾部恵美子/料理・文=川津幸子

寒い冬の楽しみ「あったか煮込み」BEST3

川津幸子さんの「これ、作ってみて!」
川津幸子

今日は、何かコトコト煮込んでみようと思うのは、やっぱりストーブのそばにいる時間が増える冬。煮込みというと、手が込んでいるイメージがあるかもしれませんが、いったん鍋に仕込んでしまえば、あとは時間まかせというのが、いいところです。今月は、あれこれ材料をそろえる必要のない、簡単煮込みをご紹介します。おいしくなってくださいと願いながら、煮上がりを待つ時間。鍋のふたを開ける瞬間には、作った人ならではのワクワク感があります。レシピは3つ。だれでも上手にできますよ。さあ、始めましょう!

巻かないロールキャベツ

湯気をあげる巻かないロールキャベツ

家族から、「巻かないのに、ロールキャベツとは言えないのでは」と指摘されたけれど、味は、まったくロールキャベツ。しかも、食べた友人からは、本家のロールキャベツよりも食べやすいと褒められた(?)ので、すっかり気をよくして、「巻かないロールキャベツ」と呼ぶことにしました。実際に、バリバリとキャベツをちぎって鍋に入れ、肉だね、またキャベツと重ねて、「あとは煮汁を注いで煮ればおしまい」と作って見せると、おーっという声が上がります。正調ロールキャベツの、あのキャベツを1枚ずつきれいにはがす作業に四苦八苦した経験をお持ちの方へ。ぜひお試しください。

手羽元の塩バター煮

お皿に盛られた手羽元

調味料は、塩とバターだけ。だけど、これににんにくが加わると、こんなにも食欲をそそる風味になるのかと、作るたびに感心します。わが家でのごはん会でもよく登場するのですが、あっという間に骨の山ができるのが、いちばんの励みです。何をかくそう、わが家では、残った煮汁で味つけした炒飯も、人気。手羽元の代わりに、手羽先や、鶏スペアリブでもおいしく、Aの塩をしょうゆ大さじ2に代えたバージョンも、格好のごはんのおかずになります。

ソーキ汁

お皿に盛られたソーキ汁

ソーキ汁は、豚のスペアリブを煮た沖縄の郷土料理。ぜひ味わってほしいのはその煮汁で、豚スペアリブから出るうまみと、かつお節と昆布のだしが、絶妙に溶け合って、しみじみとしたおいしさが生まれます。また、その煮汁を吸った相棒の大根も見事で、この季節は特に、大根が甘みを増してぐんとおいしくなるので、使わない手はありません。今夜はソーキ汁にしませんか? そうと決めたら、時間がかかるのはしかたがない。白い湯気といっしょに、くつくつと音を立てる鍋のそばで、本や映画、DVDといっしょに待つのも、煮込み料理の楽しみかな。

川津幸子

かわつ・ゆきこ 料理編集者、料理研究家。雑誌『オレンジページ』創刊や、栗原はるみさんの『ごちそうさまが、ききたくて。』など数々のヒット作を手掛けた後、1995年から1年間エコールキュリネール国立(現エコール辻東京)でフランス料理を学ぶ。以後は、料理研究家と編集者を兼ねながら、料理の楽しさを伝えている。作る人の視点に立った、簡単でおいしい料理が好評で、『100文字レシピ』シリーズをはじめ、『いつもキッチンからいいにおい』(オレンジページ)、『ごはんよ、急げ!』『さあ、腕まくり』(幻冬舎)、『そろそろ大人のおいしい暮らし』(マガジンハウス)、『100円100品100文字レシピ』(文藝春秋)、『しゃばけごはん』(新潮社)など著書多数。新潮文庫「100文字レシピ」の全シリーズが、電子書籍になって好評配信中。

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