巻かないロールキャベツ
川津幸子さんの「これ、作ってみて!」
家族から、「巻かないのに、ロールキャベツとは言えないのでは」と指摘されたけれど、味は、まったくロールキャベツ。しかも、食べた友人からは、本家のロールキャベツよりも食べやすいと褒められた(?)ので、すっかり気をよくして、「巻かないロールキャベツ」と呼ぶことにしました。実際に、バリバリとキャベツをちぎって鍋に入れ、肉だね、またキャベツと重ねて、「あとは煮汁を注いで煮ればおしまい」と作って見せると、おーっという声が上がります。正調ロールキャベツの、あのキャベツを1枚ずつきれいにはがす作業に四苦八苦した経験をお持ちの方へ。ぜひお試しください。
材料(4人分)
- 合いびき肉
- 400g
- A(塩小さじ1、こしょう・ナツメグ各少々、玉ねぎ1個、溶き卵1個)
- 小麦粉
- 小さじ4
- キャベツ
- 1/3~1/2個
- 煮汁(野菜ジュースまたはトマトジュース〈食塩不使用〉・水各1と1/2カップ、顆粒鶏スープの素小さじ2、塩小さじ1/2、こしょう少々、ローリエ1枚)
作り方
- 1.ひき肉にAの塩を加えてよく練り、みじん切りにした玉ねぎ、そのほかのAの材料も加えて混ぜ合わせ、最後に小麦粉を混ぜたら、4〜8つの球形にまとめる。
- 2.キャベツは大きく手でちぎる。
- 3.鍋に(2)のキャベツの半量を敷き、(1)をのせて、上に残りのキャベツを広げる。煮汁を加え、ふたをして強火にかけ、煮立ったら、弱めの中火にして15〜20分蒸し煮する。
なめらかな肉だんごになるよう、ひき肉は、肉の粒がなくなり、粘りが出るまでしっかり練るのが、ポイントです。料理教室では、「ちょっと息がきれるくらい、力強く混ぜてください」と強調しています。
鍋にキャベツの半分を敷き詰め、丸めた肉だねを並べたら、残りのキャベツでおおいます。キャベツは、10㎝四方くらいに手で大きくちぎれば、OK。
煮汁の材料を加えます。あとは、ふたをして、煮るだけ。もし、キャベツが入りきらないようなら、いったん火にかけて、かさが減ったところで残りのキャベツを足すと、無駄がありません。好みで、薄切りのベーコンを広げて煮たり、仕上げにチーズをのせてもおいしい。わが家の味を見つけてください。

川津幸子
かわつ・ゆきこ 料理編集者、料理研究家。雑誌『オレンジページ』創刊や、栗原はるみさんの『ごちそうさまが、ききたくて。』など数々のヒット作を手掛けた後、1995年から1年間エコールキュリネール国立(現エコール辻東京)でフランス料理を学ぶ。以後は、料理研究家と編集者を兼ねながら、料理の楽しさを伝えている。作る人の視点に立った、簡単でおいしい料理が好評で、『100文字レシピ』シリーズをはじめ、『いつもキッチンからいいにおい』(オレンジページ)、『ごはんよ、急げ!』『さあ、腕まくり』(幻冬舎)、『そろそろ大人のおいしい暮らし』(マガジンハウス)、『100円100品100文字レシピ』(文藝春秋)、『しゃばけごはん』(新潮社)など著書多数。新潮文庫「100文字レシピ」の全シリーズが、電子書籍になって好評配信中。