チキンクリームシチュー
川津幸子さんの「これ、作ってみて!」フランス料理をベースにした本格クリームシチューをご紹介します。というと、手が込んでいそうですが、まずは、肉を焼き、野菜を炒めてスープで煮るのは、おなじみの手順。ポイントは、牛乳を加えてからのとろみのつけ方で、ここでは、小麦粉とバターを炒めたルウを作りました。焦がさないよう、さらさらになるまで炒めるのがコツですが、初めての方は、動画があるので、こちらを参考にしてください。ただ、ルウが難しければ、玉ねぎを炒めたところに小麦粉大さじ2をふり入れて炒めておく、さらにこれも難しければ、仕上げに水溶き片栗粉でとろみをつけるなど、簡単な方法はあるので、諦めないで。何より、手作りのクリームシチューならではの、優しくクリーミィなおいしさを体験していただきたいと願っています。市販のルウ派も、一度ぜひお試しください。
材料(4人分)
- 鶏もも肉
- 約500g
- ベーコン(薄切り)
- 80g
- 玉ねぎ
- 1個
- じゃが芋
- 3~4個
- にんじん
- 1本
- 白ワイン
- 1/2カップ
- 顆粒鶏スープの素
- 小さじ1
- 牛乳
- 2カップ
- 水
- 1と1/2カップ
- ルウ(バター〈食塩不使用〉、小麦粉各20g)
- 塩、こしょう
- 各適量
- バター(食塩不使用)
- 大さじ2
- サラダ油
- 小さじ2
作り方
- 1.鶏肉は4㎝四方に切って、塩、こしょうをふる。
- 2.ベーコンは細切りにする。
- 3.玉ねぎは薄切り、じゃが芋は4つに切り、にんじんは乱切りにする。
- 4.鍋にサラダ油を熱し、鶏肉を皮目から入れて焼き、うっすらと焼き色がついたら、裏返してさっと焼き、取り出す。
- 5.バターを加えて溶かし、ベーコンを入れて炒め、脂が出たら、玉ねぎを加えて、焦がさないように8〜10分炒める。鶏肉を戻して、白ワインを入れ、沸騰したら、水1と1/2カップ、顆粒鶏スープの素、にんじん、じゃが芋を加える。煮立ったら、アクをすくいながら、落としぶたをして、10〜12分煮る。
- 6.ルウを作る。鍋にバターを溶かして小麦粉を炒め、さらさらになったら、これ以上火が入らないように、鍋底を水にあてて冷ます。
- 7.(5)に牛乳を入れてひと煮し、(6)のルウの鍋に熱い煮汁を1カップほど加えて溶いてから、煮汁に戻して混ぜながら煮る。とろみがついたら、塩約小さじ1、こしょう少々で味を調える。
鶏肉は4㎝四方に切って、両面に塩、こしょうをふり、室温に戻しておきます。表面に水気があると、焼くときに鍋にくっつきやすいので、ペーパータオルでふき取ります。
鍋を十分熱してから、サラダ油を熱し、鶏肉の皮目を下にして並べ入れます。すぐに動かさずに、中火で2分ほど、じっくり焼きつけます。
皮目にうっすらと焼き色がついたら、裏返してさっと焼きます。ホワイトシチューなので、このとき、あまり焦がさないことがポイントです。
鶏肉をいったん取り出し、鍋に残った余分な油だけを、ペーパータオルで吸い取ります。鍋についている茶色の焼きあとは、うまみなので、こすり取らないように気をつけて。
バターを入れて溶かし、焦げないうちに、細切りのベーコンを入れて、炒めます。ベーコンの脂が出て、ベーコンがちょっと縮むのが目安です。
すぐに玉ねぎを入れ、鍋のうまみをこそげとるようにして炒めます。火は弱火です。この玉ねぎの甘みが、うまみの土台になるので、がんばって8~10分炒めましょう。
鶏肉を戻し、白ワインを入れて沸騰させたら、水、顆粒鶏スープの素、じゃが芋、にんじんを入れて煮ます。煮立ったら、アクをすくうとすっきりとした味わいに。ただし、すくうのは白い泡だけで、黄色い部分は、おいしいバターなので取り除かないように気をつけて。ここでは煮汁が少ないので、落としぶたをお忘れなく。
ルウを作ります。このホワイトルウは、冷凍もできるので、多めに作って小分けしておくと、シチューの仕上げにポトンと落とすだけで、とろみがつけられるので便利です。バターと小麦粉の分量を変えれば、グラタン、クリームコロッケなどのホワイトソースに応用できます。
★画像をクリックすると、川津先生がルーを作る様子を動画で見られます! (動画では、レシピの倍量のバター40g、小麦粉40gで作っています)
じゃが芋が柔らかくなったら、牛乳を加えてさっと煮ます。ぐらぐらと煮立てないこと。全体が温まったら、先ほどのルウに、煮汁を1カップほど入れて溶きのばし、鍋に戻して混ぜながら煮ます。とろみがついたら、塩、こしょうで調味して、でき上がり。
川津幸子
かわつ・ゆきこ 料理編集者、料理研究家。雑誌『オレンジページ』創刊や、栗原はるみさんの『ごちそうさまが、ききたくて。』など数々のヒット作を手掛けた後、1995年から1年間エコールキュリネール国立(現エコール辻東京)でフランス料理を学ぶ。以後は、料理研究家と編集者を兼ねながら、料理の楽しさを伝えている。作る人の視点に立った、簡単でおいしい料理が好評で、『100文字レシピ』シリーズをはじめ、『いつもキッチンからいいにおい』(オレンジページ)、『ごはんよ、急げ!』『さあ、腕まくり』(幻冬舎)、『そろそろ大人のおいしい暮らし』(マガジンハウス)、『100円100品100文字レシピ』(文藝春秋)、『しゃばけごはん』(新潮社)など著書多数。新潮文庫「100文字レシピ」の全シリーズが、電子書籍になって好評配信中。