学科試験予備校のキービジュアル
問題制作・監修=長 信一/イラスト=若林 夏

あなたのクルマ、タイヤの空気圧やウォッシャー液の量は大丈夫?

大切なクルマの点検について、初心者もベテランも、学科試験クイズで学び直し!
長 信一

今回の学科試験予備校の出題テーマは、タイヤの空気圧やブレーキの利きなど、「クルマの点検」について。適切な点検を怠ってクルマの異常を放置しておくと、重大な故障や事故につながりかねません。ここで出題される学科試験の〇×クイズで、安全運転に必要な知識をブラッシュアップしましょう。

目次

今回の学科試験クイズは、「クルマの点検」について5問を出題

この学科試験予備校で出題される試験問題は、自動車運転免許研究所の長 信一先生が実際の学科試験問題と同様の基準に従って独自に制作したものです。今後、本当に学科試験で出題されるかもしれませんよ。

参考=「交通の方法に関する教則」

問題1: 自家用の普通乗用自動車は、定期点検を実施しなければならないが、日常点検はとくに行う必要はない。

正解 ✕

12か月・24か月ごとに定期点検を実施し、適切な時期に日常点検も行わなければなりません。

問題2: タイヤの点検では、空気圧、亀裂や損傷、釘や石などの異物の有無、異常な磨耗、溝の深さについて点検する。

正解 〇

タイヤは、設問のような内容について点検を行います。

問題3: ウインドーウォッシャー液を点検するときは、適量入っているか、液がウインドーガラスまで確実に飛ぶかどうかを確かめる。

正解 〇

ウインドーウォッシャー液は、設問のような内容について点検を行います。

問題4: ラジエータとファンは、ブレーキ装置の過熱を防止するためにある。

正解 ✕

ラジエータやファンは、エンジンの過熱(オーバーヒート)を防止するための冷却装置です。

問題5: 油圧式のブレーキでブレーキペダルを強く踏んだとき、スポンジを踏んだようにフワフワ感じるのは、ブレーキ液の中に空気が入っておりブレーキの利きが悪いときである。

正解 〇

空気が入っていると、スポンジを踏んだようにフワフワ感じます。

【長先生の解説コラム】 大切なクルマを長持ちさせるため、点検を怠らないようにしよう

皆さんは、クルマを運転するときに点検を行っていますか?

車は数万点もの精密な機械部品でできていることから、不具合や故障が発生するのは予想できることです。また、日頃から行うべき点検を怠ると、いざ運転してみて「ブレーキランプが点かない」とか「ウォッシャー液が出ない」などと、出先でやっと気づくケースも少なくはありません。これらを放置しておくと、重大な故障や事故につながり、取り返しのつかない事態になってしまいます。

今回は、もう一度クルマの点検について、わかりやすく説明したいと思います。

ブレーキランプが切れているクルマ

自動車の使用者は、その車を使用する状況に応じて行う「日常点検」や、決められた時期に行う「定期点検」を実施し、必要な整備をしなければなりません。

【日常点検】
日常点検は、走行距離や運行時の状況などから判断した適切な時期に行うもので、自動車の使用者や自動車を運行しようとする人が日常的に自動車を使用していく上で、自分自身の責任において行う点検です。

なお、タクシーやハイヤーなどの事業用の自動車や、自家用の大型自動車および中型自動車、準中型貨物自動車、普通貨物自動車、大型特殊自動車、レンタカーなどの使用者、またはこれらの自動車を運行しようとする人は、1日1回、運行する前にこの点検を行わなければなりません。

自家用の普通乗用自動車などについては、この1日1回の運行前点検は義務付けられておりませんが、日頃から行う「日常点検」を必ず実施するようにしましょう。

【四輪車の点検方法】
四輪車の点検は、運転席に座ったり、エンジンルームをのぞいたり、自動車の周りを見たりして行います。

自動車の点検方法

【二輪車の点検方法】
二輪車の点検は、周囲を回りながら行います。

二輪車の点検方法

標準的な日常点検の実施方法は、以下のとおりです。

1.ブレーキ液の量: リザーバータンク内の液量が規定の範囲(上限ラインと下限ラインとの間)にあるかを点検します。

2. 冷却水の量: リザーバータンク内の液量が規定の範囲(上限ラインと下限ラインとの間)にあるかを点検します。

3. エンジンオイルの量: エンジンに付いているオイルレベルゲージを抜きとり、付着しているオイルを拭き取ってからゲージをいっぱいに差し込み、再度抜き取った際にオイルの量がオイル・レベルゲージにより示された範囲内にあるかを点検します。

4. バッテリー液の量: バッテリー液の量が規定の範囲(上限ラインと下限ラインとの間)にあるかを、車両を揺らすなどして点検します。

5. ウインドーウォッシャー液の量: ウインドーウォッシャー液の量が適当かを点検します。

6. ランプ類の点灯・点滅: エンジンスイッチを入れ、ランプ類の点灯・点滅具合が不良でないか、レンズなどに汚れや損傷がないかを点検します。

7. タイヤの亀裂や損傷の有無: タイヤの亀裂や損傷の有無、タイヤに異物が付着したりかみ込んだりしていないかを入念に点検します。

8. タイヤの空気圧: タイヤの接地部のたわみ具合を確認して、タイヤの空気圧が規定の範囲内であるかを点検します。

9. タイヤの溝の深さ: タイヤの溝の深さが十分であることを、接地面のスリップサインを目印に点検します。スリップサインは、タイヤ側面の三角マークのある位置の接地面に現れます。

10. エンジンのかかり具合・異音: エンジンが速やかに始動しスムーズに回転するか、またエンジン始動時やアイドリング状態で、異音がないかを点検します。

11. ウインドーウォッシャー液の噴射状態: ウインドーウォッシャー液を噴射させ、ワイパーの作動範囲に噴射されるかを点検します。

12. ワイパーの拭き取り能力: ワイパーを作動させ、低速および高速の各作動が不良でないか、ウインドーウォッシャー液がきれいに拭き取れるかを点検します。

13. ブレーキの踏みしろと利き具合: ブレーキペダルをいっぱいに踏み込んだとき、床板とのすき間(踏み残りしろ)や踏みごたえが適当であるかを点検します。

14. 駐車ブレーキの引きしろ(踏みしろ): 駐車ブレーキをいっぱいに引いた(踏んだ)とき、引きしろ(踏みしろ)が多すぎたり、少なすぎたりしないかを点検します。

15. エンジンの低速・加速状態: アイドリング時の回転がスムーズに続くか、また、徐々に加速したとき、アクセルペダルに引っかかりがないか、スムーズに回転するかを走行するなどして点検します。

  • 国土交通省「マイカーを点検しよう! 日常点検15項目チェックシート」より編集部作成

【定期点検】
自家用の普通乗用自動車などについては、1年ごとに点検をして、必要な整備をしなければなりません。なお、事業用の自動車、自家用の大型自動車および中型自動車や準中型貨物自動車、普通貨物自動車などのレンタカーについては3か月ごとに、自家用の準中型貨物自動車および普通貨物自動車や普通乗用自動車などのレンタカーなどについては6か月ごとに行います。

常に清掃や手入れをすることは、クルマを大切に扱おうという気持ちの表れでもあり、各部品の寿命を長持ちさせ快適な運転をするために必要なことです。皆さんも、ぜひ日頃からクルマの保守や点検を実践するようにしましょう。

また、このあとのオンライン試験で5問追加しました。どれだけ正しく理解しているか、ぜひチャレンジしてみてください!

解答時間は3分! 結果はすぐに表示!

出題テーマの別問題をオンライン形式で受験できます

今回の学科試験出題テーマの「クルマの点検」について、オンライン(Googleフォーム)で追加の問題を5問用意しました。
制限時間は3分が目安で、正解は解答後すぐに表示されます。もっと学科試験にチャレンジしたい! という方は、ぜひ下記「オンライン試験はこちら」から受験してください。

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前回のオンライン試験で多くのベテランドライバーが間違えた問題をおさらい

2025年6月のオンライン試験結果は、平均点68点となりました。出題された5問中、特に正答率の低かった問題はこちら。


図の標識は、この先の車線数が減少することを表している。(正答率55%)

道路標識の問題

正解 ✕

「幅員減少」を表しています。この先の道路の道幅が狭くなることを示しています。

長 信一

ちょう・しんいち 1962年生まれ。1983年、都内の自動車教習所に入社し、学科や実技の指導員に。24歳のとき、全種類の運転免許証を完全取得。教習生への親身な指導をモットーに普通免許、自動二輪免許、第二種免許など数多くの合格者を送り出した。現在は自動車運転免許研究所の所長として運転免許関連の書籍を執筆。その数、実に200冊以上。

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