学科試験予備校のキービジュアル
問題制作・監修=長 信一/イラスト=若林 夏

運転中に交通事故が起きたら、最初に何をすべき?

交通事故やクルマの故障、災害時のルールについて、初心者もベテランも、学科試験クイズで学び直し!
長 信一

今回の学科試験予備校の出題テーマは、交通事故やクルマの故障、災害など、「事故発生時のルール」について。運転歴の長いベテランドライバーの皆さん、運転免許を取得するために学んだ学科試験の内容、交通ルールを今もしっかりと理解していますか? ここで出題される学科試験の〇×クイズで、安全運転に必要な知識をブラッシュアップしましょう。

目次

今回の学科試験クイズは、「事故発生時のルール」について5問を出題

この学科試験予備校で出題される試験問題は、自動車運転免許研究所の長 信一先生が実際の学科試験問題と同様の基準に従って独自に制作したものです。今後、本当に学科試験で出題されるかもしれませんよ。

参考=「交通の方法に関する教則」

問題1: 交通事故を起こしたときは、運転者は、事故が発生した場所、負傷者数や負傷の程度、物の損壊程度、事故にあった車の積載物などを警察官に報告し、指示を受ける。

正解 〇

交通事故を起こしたときは、設問のような内容を警察官に報告して指示を受けます。

問題2: 交通事故を起こしたときは、最初に警察官に報告してから、負傷者の救護をする。

正解 ✕

事故の続発を防止し、負傷者の救護をしてから警察官に報告します。

問題3: 故障車をロープでけん引するときは、けん引する車と故障車との間に5m以内の安全な間隔を保つ。

正解 〇

ロープでけん引するときは、けん引する車と故障車との間に5m以内の安全な間隔を保ちます。

問題4: 走行中に大地震が起こり車を置いて避難するときは、必ずエンジンキーを携帯し、窓を閉め、ドアをロックするなど盗難防止措置をとらなければならない。

正解 ✕

車を置いて避難するときは、誰でも車を移動できるように、エンジンキーはつけたままにするか車内に置いておき、窓を閉め、ドアをロックしないで止めておきます。

問題5: 高速道路では故障などのためやむを得ない場合は、十分な幅のある路肩や路側帯に駐停車することができる。

正解 〇

やむを得ない場合は、路肩や路側帯に駐停車できます。

【長先生の解説コラム】 運転中の緊急事態に備えてしっかりと準備を

皆さんは、「万が一交通事故を起こしたら」ということを考えたことはありますか? 普段はあまり真剣に考えることもなく、クルマの運転を続けているのが実情ではないでしょうか。ひとたび交通事故の加害者や被害者になると、気が動転してしまい、何をどうすべきかパニック状態になる方も少なくはありません。

交通事故に限らず、大地震などの緊急事態ともなれば、状況に応じてさまざまな判断や対応が必要になります。今回はそんな場合に備えて、学科試験で学べる対策をレクチャーしましょう!

【交通事故が起きたら】
万が一、交通事故が起きたときは、運転者や同乗者はつぎのような措置をとらなければなりません。

1. 事故の続発を防止するため、安全な場所に車を止めエンジンを切る
2. 負傷者がいる場合は、救急車などが到着するまでの間、ハンカチで止血するなど可能な応急救護措置を行う
3. 事故が発生した場所や負傷者の有無などを警察官に報告する

問題2で出題しましたが、負傷者がいる場合には、まず負傷者の救護を第一に行うことが大切です。また現場に居合わせた方々は、負傷者の救護や事故車両の移動などに進んで協力するようにしましょう。

【車が故障したら】
車が故障したときや、燃料、冷却水などが切れたときは、次のような措置をとらなければなりません。

1. 他の交通の妨げにならない場所(高速道路では路肩または路側帯)に駐車し、速やかに修理や補給を行う
2. 道路に故障車を放置することは危険なので、停止表示器材を設置し、JAF(日本自動車連盟)や修理業者を呼んで移動させる
3. 一般道路に駐車するとき
 ・昼間は、停止表示器材を設置したりトランクを開けたりする
 ・夜間は、非常点滅表示灯などをつけたり停止表示器材を設置したりする
4. 高速道路に駐車するとき
 ・昼間は、停止表示器材を設置する
 ・夜間は、停止表示器材の設置に加え、非常点滅表示灯、駐車灯または尾灯をつける
5. やむを得ず故障車をロープでけん引するとき
 ・けん引する車と故障車との間に5m以内の安全な間隔を保つ
 ・けん引ロープに0.3㎡以上の白い布をつける
※けん引ロープがない場合など、無理せずJAFや修理業者に連絡して移動させるようにしましょう。

停止表示器材を設置するイラスト

故障車をレッカー移動するイラスト

【大地震が発生したときは】
大地震が発生した場合、次のような措置をとりましょう。

1. 車を運転中の場合
・急ハンドルや急ブレーキを避け、できるだけ安全な方法で道路の左側に止める
・停止後はラジオなどで地震情報や交通情報を聞き、その情報や周囲の状況に応じて行動する
・引き続き運転するときは、道路の損壊、信号機の作動停止、道路上の障害物などに注意する
・車を置いて避難するときは、できるだけ道路外の場所に移動する
・やむを得ず道路上に車を置いて避難するときは、道路の左側に寄せて駐車し、エンジンを止め、エンジンキーはつけたままにするか、わかりやすい場所に置いておき、窓を閉め、ドアはロックしない
2. 車を運転中以外の場合
・津波から避難するためやむを得ない場合を除き、避難のために車を使用しない
・津波から避難するためやむを得ず車を使用するときは、道路の損壊、信号機の作動停止、道路上の障害物などに注意しながら運転する

東日本大震災では、クルマを運転して避難する映像が記憶にある方もいらっしゃると思います。あのような場面では、津波から避難するためにやむを得ずクルマを使用することは認められています。

万が一の事故、クルマの故障、大地震、災害など、皆さんもこのような緊急事態に備えて準備を整えておきましょう。クルマには停止表示器材をかならず積載し、このほか救急バッグや防災セットなども用意しておけば準備は万全です。

解答時間は3分! 結果はすぐに表示!

出題テーマの別問題をオンライン形式で受験できます

今回の学科試験出題テーマの「事故発生時のルール」について、オンライン(Googleフォーム)で追加の問題を5問用意しました。
制限時間は3分が目安で、正解は解答後すぐに表示されます。もっと学科試験にチャレンジしたい! という方は、ぜひ下記「オンライン試験はこちら」から受験してください。

  • Googleフォームが開きます

前回のオンライン模試で多くのベテランドライバーが間違えた問題をおさらい

2025年4月のオンライン試験結果は、平均点81点となりました。出題された5問中、特に正答率の低かった問題はこちら。


バスの停留所から30m以内は、追い越しが禁止されている。(正答率37%)

正解 ✕

バスの停留所から30m以内は、とくに追い越しを禁止する規定はありません。

長 信一

ちょう・しんいち 1962年生まれ。1983年、都内の自動車教習所に入社し、学科や実技の指導員に。24歳のとき、全種類の運転免許証を完全取得。教習生への親身な指導をモットーに普通免許、自動二輪免許、第二種免許など数多くの合格者を送り出した。現在は自動車運転免許研究所の所長として運転免許関連の書籍を執筆。その数、実に200冊以上。

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