監修=松居英二(弁護士)/イラスト=どいまき/文=原田磨由子

ナンバー灯が切れていたのに運転したら、違反?

あなたの行動、ひょっとしたら違反かも

ナンバー灯(番号灯)が切れた車を運転しているシーンをクイズにしてお届け。運転歴が長くなると、違反かどうかを気にしないまま運転してしまいがち。どこが違反にあたる運転行為なのかをクイズで再確認しましょう。

夜間、2台の車で出かけた帰りに立ち寄ったコンビニの駐車場で、後ろの車を運転していた友人から「車のナンバー灯が切れてるよ」と言われました。普段、自分の車のナンバー灯を確認する機会がなく、指摘されて初めて気づきました。近くに修理できるところもなく、コンビニの駐車場に車を放置するわけにもいかないし、スモールランプやブレーキランプは点灯するので、友人の車に後ろを走ってもらえば問題ないと思い、そのまま帰ることにしました。
この行為は、以下の選択肢のうち、どれに該当するでしょうか?

答え:1. ナンバー灯が切れている車を夜間に運転したから違反

車のナンバー灯とは夜間、車の後方に備え付けられたナンバーを後ろを走る車などから確認できるよう取り付けられた、ナンバープレートを照らす明かりのことです。正式には「番号灯」といい、最高速度20km未満の軽自動車および小型特殊自動車を除く自動車に備えること、ナンバープレートの番号等が確認できるものであること、ライトに合わせて点灯することなどが保安基準で義務付けられています。

道路交通法は、自動車が夜間道路にあるときは、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならないとしていますから(道路交通法第52条1項)、ライトを点けてもナンバー灯が点灯しない状態は、この灯火義務の違反となります。

従って、正解は1の「ナンバー灯が切れている車を夜間に運転したから違反」です。

車のヘッドライトやブレーキランプが切れているのは比較的気づきやすいと思いますが、ナンバー灯切れに自分で気づくことは難しいかもしれません。小さなランプとはいえ、切れたままでは意図的にナンバーを視認されにくくしている、ナンバーを見られたくない、と誤解される可能性もあります。日頃の車両点検を心がけ、もし切れていた場合は速やかに修理しましょう。


道路交通法
(車両等の灯火)
第52条 車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第63条の9第2項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。

車両保安基準
(番号灯)
第36条 自動車の後面には、番号灯を備えなければならない。ただし、最高速度20キロメートル毎時未満の軽自動車及び小型特殊自動車にあつては、この限りでない。
2 番号灯は、夜間に自動車登録番号標、臨時運行許可番号標、回送運行許可番号標又は車両番号標の番号等を確認できるものとして、灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。
3 番号灯は、その性能を損なわないように、かつ、取付位置、取付方法等に関し告示で定める基準に適合するように取り付けられなければならない。

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松居英二

まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。

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