監修=松居英二(弁護士)/イラスト=どいまき/文=原田磨由子

中央分離帯がある道路。左斜め下を指す矢印標識があり、分離帯が切れている部分で右折したら、違反?

道路交通法や道路運送車両法など、覚えておきたい交通ルールをクイズでチェック!

中央分離帯に、左斜め下を向いた矢印の標識がある道路を走行しています。矢印標識の手前にある分離帯の切れ目で右折したら違反になるのでしょうか?
道路を通行するにあたっては、守らなければならない交通ルールがあります。しかし、長く運転しているうちに違反かどうかを気にしなくなってしまうことも。どこが違反にあたる運転行為なのかをクイズで再確認しましょう。

片側2車線の見通しの良い道路で中央分離帯がずっと続いています。
中央分離帯には、青地に白い矢印が「左斜め下」を指す標識が立っていました。矢印標識の手前にある中央分離帯の切れ目にはクルマが通行するための十分な間隔があったので、対向車や後続車に注意してこの場所で右折しました。
この運転行為は、以下の選択肢のうち、どれに該当するでしょうか?

答え:3. この矢印は「この標識の左を通行する」という意味なので、違反ではない

左斜め下を指す矢印の標識は、「指定方向外進行禁止」の道路標識で、標識の矢印の示す方向以外への車両の進行を禁止することを意味します(道交法第8条第1項、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令別表第1・311-F)。
指定方向外進行禁止を示す矢印の道路標識は、一般的には進行可能な方向を示していますが、この「左斜め下」を指す矢印は、「この指す道路を通行しなさい」あるいは「この標識の指している左側の車線を通りなさい」という意味になります。

従って、正解は3の「この矢印は『この標識の左を通行する』という意味なので、違反ではない」となります。

「指定方向外進行禁止」の標識はたくさんありますが、よく見かけるのは直進のみや、直進と左折のみのように、進行方向を示すものではないでしょうか。進行禁止を示す標識のうち、左斜め下『↙』の標識は、進行方向を示すわけではありませんから注意しましょう。
この標識は、設問のように中央分離帯に設置されているケースが多いようですが、工事現場などにも、車両がどの車線を走行すべきかを指示するために設置されています。
この標識が設置される場所は、「走行すべき車線がわかりにくい可能性がある場所」ですから、この標識を見たら進行方向に注意を払う必要性が高いということになります。

指定方向外進行禁止の標識

工事現場に設置されている左斜め下の指定方向外進行禁止標識


道路交通法
(通行の禁止等)
第8条 歩行者等又は車両等は、道路標識等によりその通行を禁止されている道路又はその部分を通行してはならない。
(以下略)

JAF会員限定! 特別プレゼント

書籍の表紙

JAF会員の皆様を対象に、単行本『JAFこうつうあんぜんシールえほん』を抽選で3名にプレゼントします。同書は、交差点や踏切、横断歩道など、街で見かける交通場面に、交通標識や自動車のシールを貼って子どもが交通ルールを楽しみながら学べる絵本です。

・プレゼント内容:『JAFこうつうあんぜんシールえほん』
・当選者数:3名(発表は発送をもって代えさせていただきます)
・応募方法:下記応募フォームをクリックしてログインIDとパスワードを入力。
※応募にあたってはJAFマイページと同じID・パスワードでのログインが必要です。
・応募締切:2025年8月11日

書籍のページ紹介

シールは貼っても剥がすことが可能です

書籍のページ紹介

シールを貼れるまちは3種類

書籍のページ紹介

書籍のページ紹介

応募は下のボタンをクリック!

PR

「JAFトレ」ことJAF交通安全トレーニングでは、交通安全教育の教材をeラーニング形式で提供します。
従業員の皆様の学習結果を蓄積・管理することで、企業・団体の安全運転管理をお手伝いいたします。

松居英二

まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。

この記事はいかがでしたか?
この記事のキーワード
あなたのSNSでこの記事をシェア!