黄色の実線と白の破線がある車線境界線。黄色側から進路変更するのは、違反？

道路標示によって指定された種類の車両が通行すべき部分を通行すべきことが示されている場合、すなわち車線・レーンが定められた道路で、「進路の変更の禁止を表示する道路標示によつて区画されているとき」は、緊急自動車が近づいてきたときや道路の破損等のためにその車線・レーンを走行できないなどの許された場面を除いて、車両はその道路標示を越えて進路を変更することができません（道路交通法第26条の2第3項）。

黄色の実線で示される車線境界線は、車両に進路変更を禁止する道路標示ですから、この区間は車線をはみ出すことも禁止されます。一方、白い破線の車線境界線では、はみ出しや車線を越えた進路変更が可能です。

問題の道路のように、黄色の実線と白い破線が2本並んでいるときは、白色側からの進路変更はできますが、黄色側からの進路変更は禁止されることを示しています。

従って、答えは１の「 通行していた側の境界線が黄色実線だったので、進路変更は違反」となります。

車線境界線やセンターラインには、黄色や白の実線、白の破線、黄色と白が並んでいるもの、黄色の実線で白い破線や実線を挟んだものなど、いくつかパターンがあります。黄色の実線は、車線変更や追い越しのためのはみ出しが禁止されています。

設問のような、一方からのみ進路変更を許す車線境界線は、高速道路のインターチェンジなど左側に合流車線がある場合によく見られます。スムーズな合流のため、左車線から右車線への進路変更は可能ですが、逆の右から左への車線変更は禁止されている区間です。黄色車線側を走るときには、車線変更をしないことはもちろん、合流車線から進入するクルマはいないか、それを避けて左車線からこちらに入って来るクルマがいないか、注意する必要があります。

ふだん何げなく通っている道路でも、センターラインや車線境界線の意味について、改めて認識することも必要ではないでしょうか。

道路交通法
（進路の変更の禁止）
第26条の2　
(中略)
３　車両は、車両通行帯を通行している場合において、その車両通行帯が当該車両通行帯を通行している車両の進路の変更の禁止を表示する道路標示によつて区画されているときは、次に掲げる場合を除き、その道路標示をこえて進路を変更してはならない。
一　第40条の規定（筆者注：緊急自動車の優先）により道路の左側若しくは右側に寄るとき、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のためその通行している車両通行帯を通行することができないとき。
二　第40条の規定に従うため、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のため、通行することができなかつた車両通行帯を通行の区分に関する規定に従つて通行しようとするとき。