高速道路でクルマが故障し、路肩で緊急停止して紫色のライトをつけるシーン
監修=松居英二(弁護士)/イラスト=どいまき/文=原田磨由子

高速道路でクルマが故障。路肩に止めて紫色のライトをつけたら、 違反?

道路交通法や道路運送車両法など、覚えておきたい交通ルールをクイズでチェック!

高速道路の路肩で非常停止したとき、三角表示板の代わりに紫の停止表示ライトを利用したら、違反になるのでしょうか。

道路を通行するにあたっては、守らなければならない交通ルールがあります。しかし、普段から違反かどうかを気にしないで通行しているのではないでしょうか。どこが違反にあたる運転行為なのかをクイズで再確認しましょう。

昼間、高速道路を走行中、クルマのエンジンに異変を感じて慌てて路肩に緊急停止したところ、完全にエンスト状態となってしまいました。

すぐに、停止表示板(赤色の三角表示板)の代わりにクルマに常備していた紫色の停止表示ライトを、クルマの屋根の上に置いて点滅させました。

最近カーショップで購入したものですが、まだ認知度が低いのか、横を通る車のドライバーがけげんな顔をしているのが気になりました。

この行為は、以下の選択肢のうちのどれに該当するでしょうか?

答え:2. 紫色のライトも停止表示器材のひとつなので、違反にはならない

故障やガス欠などのため、やむなく高速道路や自動車専用道路の本線車道、これに接する加速・減速車線や路側帯、路肩に緊急停車する場合に必要なのが停止表示器材(道路交通法第75条の11第1項)です。

この停止表示器材として使えるものは、法令に適合したものである必要があります。

紫色に点滅発光するライトの停止表示灯は、三角表示板(停止表示板)と同様に道路交通法施行規則で使用が認められています。三角表示板はかさばるので、常にクルマに積んでおくのが難しいこともありましたが、このライトであれば、小型車やバイクでも容易に常備しておくことができるでしょう。

従って、正解は2 の「紫色のライトも停止表示器材のひとつなので、違反にはならない」となります。

路肩とはいえ、高速道路での停車は非常に危険。クルマのトラブルで緊急停止した場合は、いち早く後続車に対して停車中の自車の存在を知らせるのは道路交通法上の義務でもあります(道路交通法第75条の11第1項)。

高速道路で使用すべき停止表示器材が備えなければならない性能は、道路交通法施行規則で定められています。反射板ではなく灯火(停止表示灯)の場合は、点滅式であること、路面に設置した場合に200mの距離から容易に確認できる明かりであること、紫色の灯火色であることなどです(道路交通法施行規則第9条の17、9条の18)。

紫色のライトは赤や黄色に比べ、道路上で日常的に目にする色のライトではありません。そのため、より強く目に留まり、ドライバーに警戒感を抱かせる効果もあるようです。近年、ヨーロッパを中心に注目を集めています。

停止表示器材の車載は義務ではありませんが、高速道路等でやむを得ず停車した場合にはそれを表示する義務があります。

クルマが緊急停止することのないよう、日頃からメンテナンスと点検を心がけるのはもちろんですが、万一の事態に備えておくのもまた必要なことです。停止表示器材が「大きくてかさばるからクルマに積んでおけず、表示できなかった」では、道交法違反に問われるだけでなく、危険です。

そこで、このようなライト型の停止表示器材を利用するのも一案です。この機会に検討してください。特に夜間においては、点滅するライトのほうが、光の反射を利用する三角表示板よりも注意喚起しやすい場合があるかもしれません。


道路交通法
(故障等の場合の措置)
第75条の11 自動車の運転者は、故障その他の理由により本線車道若しくはこれに接する加速車線、減速車線若しくは登坂車線(以下「本線車道等」という。)又はこれらに接する路肩若しくは路側帯において当該自動車を運転することができなくなつたときは、政令で定めるところにより、当該自動車が故障その他の理由により停止しているものであることを表示しなければならない。
(以下略)

道路交通法施行令
(自動車を運転することができなくなつた場合における表示の方法)
第27条の6 法第75条の11第1項の規定による表示は、次の各号に掲げる区分に従い、それぞれ当該各号に定める停止表示器材を、後方から進行してくる自動車の運転者が見やすい位置に置いて行うものとする。
一 夜間 内閣府令で定める基準に適合する夜間用停止表示器材
二 夜間以外の時間 内閣府令で定める基準に適合する昼間用停止表示器材(当該自動車が停止している場所がトンネルの中その他視界が200メートル以下である場所であるときは、前号に定める夜間用停止表示器材)

道路交通法施行規則
(昼間用停止表示器材)
第9条の18 令第27条の6第2号の内閣府令で定める基準は、次に掲げるとおりとする。
(中略)
二 停止表示灯にあつては、次に該当するものであること。
イ 路面上に設置した状態において、長さ17センチメートル、幅17センチメートル、高さ15センチメートルを超えないものであること。
ロ 点滅式のものであること。
ハ 昼間、路面上に設置した場合に200メートルの距離から点灯を容易に確認できるものであること。
ニ 灯光の色は、紫色であること。

(夜間用停止表示器材)
第9条の17 令第27条の6第1号の内閣府令で定める基準は、次に掲げるとおりとする。
(中略)
二 灯火式の停止表示器材(次条において「停止表示灯」という。)にあつては、次に該当するものであること。
イ 路面上に設置した状態において、長さ17センチメートル、幅17センチメートル、高さ15センチメートルを超えないものであること。
ロ 点滅式のものであること。
ハ 夜間、路面上に設置した場合に200メートルの距離から点灯を容易に確認できるものであること。
ニ 灯光の色は、紫色であること。

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松居英二

まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。

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