踏切の警報機が鳴り始めたのに、慌てて進入するクルマのイラスト
監修=松居英二(弁護士)/イラスト=どいまき/文=原田磨由子

運転中、踏切の警報が鳴ったとき、踏切内に入るのは違反?

道路交通法や道路運送車両法など、覚えておきたい交通ルールをクイズでチェック!

クルマで踏切を渡ろうとしたら警報が鳴り始めた。急いでいたので遮断桿(しゃだんかん)が下がらないうちに通行したら、違反になるのでしょうか。

道路を通行するにあたっては、守らなければならない交通ルールがあります。しかし、普段から違反かどうかを気にしないで通行しているのではないでしょうか。どこが違反にあたる運転行為なのかをクイズで再確認しましょう。

駅前商店街に近い踏切で、前のクルマが踏切を通過し終えるまで手前で一時停止しているとき、電車の接近を知らせる警報機が鳴り出しました。地元では開かずの踏切といわれ、一度閉まると数分待つこともざらです。幸い前のクルマが渡り終えたところだったため、急いで踏切を横断しました。警報器は鳴っていましたが、自分のクルマが踏切を通過した後に遮断桿(遮断棒)が下りてきたので、危険はなかったと思います。
この運転行為は、以下の選択肢のうち、どれに該当するでしょうか?

答え:1. 踏切の警報機が鳴っているのに踏切に入ったので、違反

車両等が踏切を通過する際には、踏切の手前で一時停止し、電車が接近していないかの安全確認をする義務があり、警報機が鳴った場合にはそのまま電車の通過を待たなければなりません(道路交通法第33条2項)。これに違反した場合は「踏切不停止等」の違反として、違反点数2点、普通車で反則金9,000円が科される可能性があります。

従って、正解は1の「踏切の警報機が鳴っているのに踏切に入ったので、違反」となります。

踏切を通過する際の行動は、踏切直前で必ず一時停止して左右を見たり、窓を開けて接近音の有無でも電車が来ないか確認する。そして渋滞などがなく踏切の向こうまで止まらずに渡り切れるか確認してから踏切に進入すること。

警報機が鳴っていたり、遮断棒が下りかけていたりするときは、絶対に踏切の中に入ってはいけません。

もし、踏切に入ってから警報音が鳴り出したとしても、決して慌てずに落ち着いて状況を確認しましょう。通過した方が迅速、かつ安全に踏切を通過できるようなら、そのまま前進して通過します。前方の遮断棒が下りてしまっている場合は、クルマで遮断棒を押すようにして通行してください。遮断棒は、折れにくい素材を使うようになっており、根元が可動する構造となっていて斜め上に跳ね上げられるので、クルマで押せば通り抜けられます。

警報機が鳴り始めた直後のようなケースで、後続車がおらず、バックした方が確実に踏切の外に出られるならば、後退して踏切の外に出ることが安全な場合もあります。

万一、踏切内でクルマが脱輪やエンストなどトラブルを起こして動けなくなったら、まずはクルマから降りて非常用の警報ボタンを押すこと。その後、表示されている連絡先に連絡してください。非常ボタンがない場合は、クルマに装備している発炎筒を使って、接近する列車に危険を知らせるようにしましょう。

電車との接触事故は被害が大きくなる可能性があります。基本的なルールを守ることで防ぐことができるので、一人一人が徹底しなければなりません。


道路交通法
(踏切の通過)
第33条 車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる。

2 車両等は、踏切を通過しようとする場合において、踏切の遮断機が閉じようとし、若しくは閉じている間又は踏切の警報機が警報している間は、当該踏切に入つてはならない。
(以下略)

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松居英二

まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。

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