赤いクルマが水たまりを通行し、歩行者に水をはねている様子
監修=松居英二(弁護士)/イラスト=どいまき/文=原田磨由子

運転中、道路にたまった水を歩行者にかけてしまった…これって違反?

道路交通法や道路運送車両法など、覚えておきたい交通ルールをクイズでチェック!

道路の水たまりの上を通過してうっかり歩行者に水をはねてしまったら、違反になるのでしょうか。

道路を通行するにあたっては、守らなければならない交通ルールがあります。しかし、普段から違反かどうかを気にしないで通行しているのではないでしょうか。どこが違反にあたる運転行為なのかをクイズで再確認しましょう。

雨上がりの道路を走っていると、前方に水たまりができているのを発見しました。対向車もあり、水たまりを避けることは難しそうです。近くに歩行者がいたので、水をはね飛ばしてしまったら申し訳ないと思い、少しスピードを緩めて通過することにしました。しかし、思ったよりも水たまりが深く、通行した際に歩行者に少し水をかけてしまいました。
この運転行為は、以下の選択肢のうち、どれに該当するでしょうか?

答え:2. 歩行者に向けてクルマが水をはねてしまったので、違反

道路上に水たまりができていたり、雨が降っていたりするときに歩行者の近くを通る場合、ほとんどのドライバーは歩行者に水をかけないように慎重に通行することでしょう。

このような運転は、マナーとして当然というだけではなく、運転者の遵守事項の一つ「迷惑運転の禁止」という道路交通法上の義務でもあります。

道路交通法は、車両の運転者は「ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること。」(道路交通法第71条1号)として、他人に迷惑を及ぼす運転を禁止しています。ここでいう「他人」とは、歩行者や他の車両、周囲の建物の所有者など、運転手以外の者のことです。

従って、正解は2の「歩行者に向けてクルマが水をはねてしまったので、違反」となります。

道路の傾斜で低いところに水が集まったり、最近頻発するゲリラ豪雨などでは、普通の雨ではできないところに大きな水たまりができることもあります。

歩行者などに水をかけないように運転するためには、十分にスピードを落として徐行することが求められるでしょう。

気を付けていても、それでも水をかけてしまったら、安全な場所に停車して、クルマから降りて迷惑をかけた人に謝罪、というように、しかるべき行動を取るようにしましょう。

水たまりを見落としたり、水たまりなど道路の状況にあった速度で走らなかったために、汚水などを歩行者にかけ服を汚損したような場合には、わざとでなくても、クリーニング代などについて損害賠償責任(民法709条)を負う可能性があります。

水をかけたまま、そのまま走り去ると、歩行者に、「迷惑運転をしていた」、「着衣などを汚損させる事故を起こしたのに走り去った」などと、警察に通報される可能性もあるでしょう。

そのようなトラブルに発展することを防ぐためにも、濡れた路面の走行には十分注意し、迷惑運転にならないようにし、もし迷惑をかけてしまったときには、被害者への対応をきちんとするようにしましょう。


道路交通法
(運転者の遵守事項)
第71条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
1 ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること。
(以下略)

民法
(不法行為による損害賠償)
第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

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松居英二

まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。

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