優先道路のイメージ
監修=松居英二(弁護士)/イラスト=どいまき/文=原田磨由子

信号機がないY字の交差点。横から来た自転車に道を譲らなかったら、違反?

道路交通法や道路運送車両法など、覚えておきたい交通ルールをクイズでチェック!

信号がないY字路で、横から自転車が来た際、自転車に道を譲らなければならないのでしょうか。道路を通行するにあたっては、道路交通法をはじめ道路運送車両法など、守らなければならない交通ルールがありますが、長く運転しているうちに違反かどうかを気にしないまま運転してしまいがち。どこが違反にあたる運転行為なのかをクイズで再確認しましょう。

田園地帯をクルマで走行しています。前方には信号機のないY字路、その手前に青い四角の標識があります。
見通しのよいY字路の右側から自転車が来るのが見えました。自転車はこちらの車線に入りたいようでしたが、流れに乗って走行していたので急に止まるのも危ないと考え、道は譲らずそのまま通り過ぎました。
この運転行為は、以下の選択肢のうち、どれに該当するでしょうか?

答え:3. 自車が通行している道路が優先道路なので、違反ではない

イラストを見ると、自車が走行している道路には、青字に白の「優先道路」の標識が立っています。これは、その先の交差点で交差する道路のうち、設置された道路が優先道路であることを示す指示標識です。

信号機などによる交通整理が行われていない交差点では、優先道路と交差する側の道路を走行してきた車両等には、優先道路を走行する車両等の進行を妨害してはならないという義務があります(道交法第36条2項)。
自転車は道交法上の軽車両ですから、優先道路を走行する車両等を妨害してはならない車両等に含まれます。

従って答えは3の「自車が通行している道路が優先道路なので、違反ではない」となります。

優先道路とは、「道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路」のことです(道路交通法第36条2項)。

設問の道路にある優先道路を示す標識は、見かけることが少ないものかもしれませんが、覚えていなくても問題ない標識はありません。見かけることが少ない優先道路の標識であっても、その意味をしっかり覚えておくことが大切です。

優先道路を走行しているときは、交差する道路に対して優先するため、交通整理の行われていない交差点や分岐点で、道を譲ったり止まったりする義務はありません。しかし、優先道路を走行していたとしても、交差する道路から自動車や自転車が飛び出してくるかもしれません。相手が、交差点での優先関係を勘違いすることもあるでしょう。

交差点は常に事故が起きる可能性のある場所ですから、「優先道路だから当然向こうが止まるだろう」という思い込みをせず、注意を怠らずにいることが肝心です。


道路交通法
(交差点における他の車両等との関係等)
第36条 (略)
2 車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、その通行している道路が優先道路(道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路をいう。以下同じ。)である場合を除き、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、当該交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。
(以下略)

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松居英二

まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。

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