クルマのコンセプトを音楽用語に込めてネーミングしたホンダのセンスが素晴らしい!
~誰かに言いたくなる車名にまつわるトリビア集~「ホンダは音楽好き?」編
英語などの外国語のほか、ギリシャ神話の神様の名前や宇宙に関する言葉など、車名の語源はさまざまです。なかでも特徴的なのが1980年代に登場した音楽用語を採用したホンダ車。今回は、クルマのコンセプトに通じる音楽用語を車名に採用したホンダ車たちを紹介します。
【ホンダ車名クイズ】
写真A~Dのホンダ車の車名は?
ヒント:すべて音楽に関係した車名です
A:プ〇〇〇〇〇
B:バ〇〇〇
C:コ〇〇〇〇〇
D:ビ〇〇
-
答え
A:プレリュード
B:バラード
C:コンチェルト
D:ビート
クルマの持つイメージを音楽用語でうまく表現!?
1978(昭和53)年に誕生し、2代目はデートカーとして、3代目は4WSを搭載するなどで人気を博したプレリュード。2025年には6代目が登場予定
クルマのコンセプトやイメージを表す海外の言葉を、車名にすることもあります。そのなかにあって特徴的なのが1980~1990年代を中心としたホンダ車の車名。この頃のホンダ車には、音楽に関わる車名が多数あるのです。それが「プレリュード」「クイント」「バラード」「コンチェルト」、そして「ビート」などです。
1978(昭和53)年に誕生したプレリュードは、前奏曲や序曲の意味があり、ホンダの新たな商品の行く末を想像させました。1980(昭和55)年に登場したクイントは、5ドアハッチバック専用車種で5人乗りということから、音楽用語のクインテット(五重奏)を車名の由来にしたのかもしれません。同年にデビューしたバラードは、物語を歌うような叙情的な曲のこと。
独奏楽器とオーケストラが合奏するコンチェルト(協奏曲)の名を与えられた上級4ドアセダンと5ドアハッチバックセダンは1988(昭和63)年にデビュー。英国のオースチン・ローバーとの共同開発による、まさに協奏曲といえるモデルでした。1991(平成3)年には2人乗りミッドシップ・オープン軽自動車のビートが登場。その外観からキビキビと俊敏な走りを想像させますが、車名からもその様子がうかがえます。音楽では、曲に合わせて足を踏み鳴らす意味ですが、その強い拍子が走りの躍動を伝えます。
このように、ホンダは技術やスペックだけでなく、感覚的に商品性を理解できるひとつの手法に挑戦したのかもしれません。
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御堀直嗣
みほり・なおつぐ 大学卒業後はレースでも活躍し、その後1984年からフリーのモータージャーナリストに。自動車の趣味性や、工業製品としての側面を語るだけではなく、自動車社会・文化・経済を総合的に捉える丁寧かつ的確な解説に定評がある。また、日本EVクラブの副代表も務め、EVや環境・エネルギー分野にも精通する。
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