温泉施設の湯船全景
編集=後藤ちり / 画像提供=くるま旅クラブ

冬の福島は“温まる”車中泊旅へ!極上温泉&電源付きRVパーク3選

道の駅温泉に奥会津の秘湯、スキー場内まで達人が厳選した3施設

冬の福島を車中泊で旅するなら、外せないのが“温泉併設のRVパーク”。くるま旅クラブ事務局長の山縣麻人氏が、心も体も温まる福島の温泉付きRVパーク3か所を厳選。太平洋を望む浜通り、絶景と自然が心に残る磐梯高原と奥会津。エリアも泉質も異なる3つの温泉地から、冬でも安心な電源完備のスポットをセレクト。寒い季節でも極上の車中泊旅が実現します!

目次

達人が厳選! 冬の車中泊旅を極上に変える温泉&電源完備のRVパーク

雪景色の露天風呂の湯面アップ

※写真はイメージです

東北地方では関東圏に最も近く、“東北の玄関口”とも呼ばれる福島県。日本の都道府県では3番目に広い面積を有し、美しく雄大な自然や歴史的建造物、地元民に愛されるソウルフードなど、多彩な魅力が満載のエリアです。温泉も豊富で、温泉地数は全国4位、源泉の数も全国8位に入るほど。

「関東からも出かけやすく、名所もグルメも温泉も盛りだくさん。なにより福島県は広く、エリアごとに文化や気候が変わるので、一度の旅で多彩な体験ができます。ぜひ車中泊でめぐってほしいですね」と、「くるま旅クラブ」事務局長の山縣麻人さん。

今回、山縣さんが厳選してくれたのは、冬の福島・車中泊旅で心も体も温まる、温泉併設&電源完備の3か所のRVパーク。

RVパークの看板越しの建物

「RVパーク」とは、日本RV協会が認定した有料の車中泊専用スポット。車中泊に必要な設備がそろい、会員登録不要で利用できる。写真はネコマ マウンテン RV&キャンプサイト

「おすすめは、太平洋沿岸部で温暖な浜通りエリア、そして山間部の会津エリアにある磐梯高原(東部)と奥会津(南西部)の3地域。エリアごとに泉質が違うので温泉めぐりにも最適ですし、福島の主要観光スポットへのアクセスも良好。温泉めぐりも福島観光も車中泊旅で存分に堪能できます」(山縣さん)

各RVパークから温泉施設まではもちろん徒歩圏内。すべて電源完備なので、暖房・保温家電で電力を使いがちな冬の車中泊旅でも安心です(ネコマ マウンテン RV&キャンプサイトは有料オプション)。

それでは山縣さんが厳選した福島県の温泉付きRVパーク3選を紹介しましょう。

RVパーク 道の駅ならは

道の駅ならはの外観

福島県の東部、太平洋沿岸部の浜通りエリアは冬でも温暖な気候が特徴。「道の駅ならは」は浜通りエリアの中央に位置する、物産館やフードコート、温泉保養施設などを擁する複合スポットとなっています。

道の駅ならはの温泉施設内観

温泉のほかにも9種類のジェット風呂やサウナなどがある

道の駅の2階にある温泉施設は、営業時間が21時まで(最終受付20時30分)と、道の駅内の施設としては比較的遅くまで入浴できるのが、車中泊ユーザーにはうれしいポイント。

道の駅ならはの強塩泉の湯船

強塩泉で一度入浴するだけでかなりポカポカになるそう

「泉質はナトリウム強塩化物泉。保温効果が高いので、寒い冬にいいですよね。黄褐色透明の湯で肩こりや神経痛などに効能が期待できるそう。さらに2階には、整体コーナー(12時~最終受付18時)もあるんです。旅の疲れをじっくり癒やせますよ」(山縣さん)

道の駅ならはのレストランと物産館の内観

フードコートはテーブル席のほか座敷席もある。物産館では特産品やお土産などを販売

物産館の営業は18時までですが、フードコートは20時まで(最終受付19時30分)とこちらも遅め。元サッカー日本代表監督のトルシエ氏が合宿で楢葉町を訪れた際、“故郷のおばあちゃんを思い出す懐かしい味”と称賛したことから名づけられた楢葉町の名物「マミーすいとん」がこちらでも味わえます。

RVパークの駐車サイト

サイドオーニング、イス、テーブルの展開がOK

【施設情報】RVパーク 道の駅ならは
・所在地:福島県双葉郡楢葉町山田岡大堤入22-1
・電話:0240-26-1126(9時~18時)
・利用可能台数:5台
・利用料金(1泊):3,300円(連泊の場合は1泊につき2,200円)
・チェックイン / アウト:IN 13時~18時 / OUT 9時~11時
・特記事項:電源 〇(無料)、ゴミ処理 〇(無料)、サイドオーニング展開 〇、車外でのイス・テーブル展開 〇、ペット 〇

【入浴施設】道の駅ならは温泉
・営業時間:10時~21時(最終受付20時30分)
・入浴料:中学生以上700円ほか
・定休日:年に2回、施設点検による休業あり
RVパーク 道の駅ならはウェブサイト

北日光奥会津・小豆温泉 窓明の湯 RVパーク

窓明の湯の外観

東北地方の南の玄関口、奥会津エリアに位置するRVパーク。日帰り温泉施設「窓明の湯(まどあけのゆ)」に併設するスポットです。

小豆(あずき)温泉は、その昔、小豆の根元の湧き水で動物たちが傷を癒やしていたという伝説が由来の温泉。泉質は弱アルカリ性の単純泉で、神経痛や筋肉痛、関節痛などに効能があるとされています。

窓明の湯の内風呂

源泉かけ流しの湯。シャンプー、リンス、ボディーソープを設置

「秘湯情緒たっぷりでリピーターの多い温泉です。RVパーク利用者は、なんと入浴料が無料というのもうれしいポイント(入湯税150円は別途必要)。サイトでの電源使用やゴミ処理が無料というのもありがたいですね」(山縣さん)

窓明の湯の座敷の休憩所

休憩所を完備。売店で買ったドリンクやお菓子などを持ち込んで休憩できる

周辺にはスキー場がいくつかありますが、とくに近いのは北日光・高畑スキー場、クルマで約5分。

また季節が変われば、ひめさゆり群生地の高清水自然公園、国指定天然記念物の駒止湿原、日本最大の山岳湿原である尾瀬国立公園など、雄大な自然を体感できるスポットが多数。温泉とともに南会津を楽しむ旅の拠点になります。

【施設情報】北日光奥会津・小豆温泉 窓明の湯 RVパーク
・所在地:福島県南会津郡南会津町大桃駒ヶ嶽山10-1
・電話:0241-76-3131
・利用可能台数:5台
・利用料金(1泊):3,500円
・チェックイン / アウト:IN 12時~特になし / OUT 特になし~10時
・特記事項:電源 〇(無料)、ゴミ処理 〇(無料)、サイドオーニング展開 〇、車外でのイス・テーブル展開 〇、ペット 〇

【入浴施設】小豆温泉 窓明の湯
・営業時間:11時~19時(最終受付18時30分)
・入浴料:RVパーク利用者は無料(入湯税150円別途)※一般客の場合は450円
・定休日:木曜
北日光奥会津・小豆温泉 窓明の湯 RVパークウェブサイト

ネコマ マウンテン RV&キャンプサイト

スキー場ゲレンデ前のRVパークでキャンピングカーから降り立つ家族

ゲレンデの目の前で車中泊ができ、目覚めたらすぐに滑りに行けるという雪遊び好きにたまらないRVパーク。星野リゾート ネコマ マウンテンのゲレンデ内に位置し、2025年のウインターシーズンは、12月13日(土)~2026年3月31日(火)までオープンしています。

星野リゾート 磐梯山温泉ホテルの朱嶺の湯の湯船

24時まで営業しているホテル内の温泉「朱嶺の湯」

「ネコマ マウンテンの南エリアにある、星野リゾート 磐梯山温泉ホテルの温泉を利用できます。RVパークからは200mほどの距離。じつはRVパーク料金に人数分の入浴料と貸バスタオル料金が含まれていて、さらに滞在期間中はこの温泉を何度でも利用できるんです。温泉好きにはたまらないサービスですね」(山縣さん)

温泉「朱嶺(あかね)の湯」は、会津漆器をイメージしたデザインの浴室。磐梯山から湧き出る炭酸水素塩泉は美肌の湯として知られ、保温や保湿効果が期待できるのだとか。

福島県会津若松市にある鶴ヶ城の雪景色

裏磐梯、猪苗代、会津若松、喜多方へもクルマで30分~1時間ほどとアクセス良好。写真は会津若松市の鶴ヶ城

さらにこのRVパークの特筆すべき点が、“利用可能時間が長い”という点。チェックインは朝8時からOKで、チェックアウトは翌日の16時まで。ということは、最大32時間!

そのうえ滞在期間中は何度も温泉に入れるので、車中泊翌日にもうひと滑りして、温泉につかって……が叶います。スキー、スノーボード好きには見逃せないスポットです。

【施設情報】ネコマ マウンテン RV&キャンプサイト
・所在地:福島県耶麻郡磐梯町更科清水平6838-68
・電話:0242-74-5025(8時30分~17時)
・利用可能台数:8台
・利用料金(1泊):5,500円〜9,900円
・チェックイン / アウト:IN 8時~17時 / OUT 特になし~16時
・特記事項:電源 〇(有料・1泊2,000円~)、ゴミ処理 〇(無料)、サイドオーニング展開 ×、車外でのイス・テーブル展開 〇、ペット 〇

【入浴施設】星野リゾート 磐梯山温泉ホテル 朱嶺の湯
・営業時間:6時30分~14時、15時~24時
・入浴料:RVパーク料金に含む(貸バスタオル付)
・定休日:無休
ネコマ マウンテン RV&キャンプサイトウェブサイト

RVパーク×温泉は、冬の福島車中泊旅の鉄板コンビ!

今回紹介した温泉は福島県の中でも異なるエリアで、それぞれ個性的な泉質を楽しめるスポットです。そんな温泉とRVパークの組み合わせは、寒い冬の車中泊旅を快適に、極上なものにしてくれますよ。

山縣麻人さんプロフィール

キャンピングカーの前でピースサインをする男性

やまがた・あさと / くるま旅クラブ事務局長。2018年よりカムロードベースのキャブコン「オルビスユーロ」で日本一周の旅を開始。現在も新しい場所への探訪を続けている。キャンピングカー歴7年の経験を生かし、2022年からはくるま旅クラブの事務局長としてキャンピングカーユーザーのサポートに日々奮闘。「キャンピングカーは行楽にも防災にも使える万能な存在」という信念のもと、実体験に基づいた情報発信を心がけている。

「くるま旅クラブ」とは

一般社団法人日本RV協会の子会社・くるま旅クラブ株式会社が運営する有料の会員制クラブ。キャンピングカーオーナーや車中泊旅を楽しむユーザーに向け、車中泊ができる提携施設や割引特典などを提供。2025年7月現在の会員は約2万1000人。
くるま旅クラブウェブサイト

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