推し活遠征ならウィラー! ファンの声を形にした快適バス旅の秘密
「中の人」が語る、コロナ禍を支えてくれた遠征民への感謝とサービス開発の裏側
ピンク色の車体でおなじみの高速バス会社、WILLER EXPRESS。「2024年のゴールデンウィーク期間の予約動向で推し活利用者が半数を超えている」といったプレスリリースを発表していたり、TikTokアカウント「推し活遠征女子」を運営していたりと、推し活関連のプロモーションを積極的に展開しており、「推し活✕高速バス」をテーマにする当連載でもずっと気になっている存在でした。連載第6回では同社の「中の人」へのインタビュー企画が実現! ぶっちゃけ、推し活民をどう思っているのか、裏側を語っていただきました。
連載「推し活バス旅ガイド~良コスパ遠征のススメ~」一覧
新型コロナ禍からの復活期を支えてくれた推し活民
今回登場するのは、前回登場したはづさんもよく乗る高速バス会社、ピンクの車体でおなじみ、ウィラーの「中の人」。WILLER EXPRESS株式会社
、商品本部 販売企画チームの篠原玄さん、WILLER MARKETING株式会社、マーケティング戦略グループの藤光昭洋さんにお話をうかがいました。
蟹めんまさんもウィラーをリスペクトしており、7年前のハロウィーンでは「ウィラーの座席」のコスプレをしたほどです……。これだけですと、意味がわかりませんね。解説します。めんまさんは、一時期ハロウィーンの季節になると「バンギャルが好きなもの」をテーマに仮装することをライフワークにしていました。「ウィラーの座席」のほかにも、過去に「Famiポート」「チェキフィルム」「ツイキャスお茶爆アイコン」などの仮装もなさってました。とはいえ、その格好で街に繰り出すわけではないのですが。なお、マンガ内の写真はめんまさんに頼まれてわたしが撮影したものです。
篠原さんはその話を聞いて即座に「あの仮装の方でしたか!」と反応されていました。めんまさんは中の人から「認知」をもらっていた! さすが我々遠征民の味方・ウィラー、SNSの動きもチェック済みだったとは……。
さて、「バス遠征=ウィラー」といっても差し支えないくらい、我々の遠征ライフと深い関係(?)にあるウィラー。マンガでも描かれていたように、近年は推し活利用者向けのプロモーションを積極的に展開しており、遠方のドームやアリーナへの行き方や、バス+宿泊プランを紹介する特設サイト、推し活の「あるある」や豆知識を紹介するInstagram・TikTokアカウントもあります。また他社とのコラボも増えており、2023年にはタワーレコード梅田NU茶屋町店との「大阪もっと! 推し活プロジェクト
」、2024年にはアパレルブランドのVISとの「遠征民応援キャンペーン
」を実施。
「SNSでは車内設備や料金プランを推すというよりは、“高速バスのある推し活の日常”をベースにしています。現在フォロワーは1万5000人くらいで、中には100万再生を超えている動画もあり、推し活ユーザーさんに認知していただいている実感があります」(藤光さん)
かねてより遠征民の足として愛されてきたウィラーですが、企業として推し活民を推し始めた(←変な日本語!)のは、ここ数年とのこと。そのきっかけは新型コロナ禍だったそうです。
「当社のお客様は、大きく分けると“推し活の遠征”、“テーマパーク”、“帰省”という3つの層がメインでした。コロナ禍でそれらの需要が激減したなかで、真っ先に戻ってきたのがライブ目的のお客様でした。空席ばかりの、いわば“空気輸送”状態が続くなか、ある一日だけ予約が爆発したことがあって。調べてみると、人気配信者ユニットのライブの日だったんです。急きょ、1便では足りずに2号車、3号車を増便して対応した……なんてこともありました」(篠原さん)
めんまさんも「ライブ遠征は一人でも行動しやすいですし、他のレジャーに比べれば比較的動き出しやすかったのかもしれませんね」と、当時を振り返ります。
絶妙な「かゆい所に手が届く」サービスはどう生まれる?
ところで、ウィラーといえば、「エアコンが暑い(寒い)」、「急に具合が悪くなったので休憩所に立ち寄ってほしい」など、バス乗車中の困りごとをメールフォーム経由で伝えると対応してくれる「おたすけDM」のような、かゆい所に手が届く独自サービスが印象的です。ああいう発想は、どうやって生まれているのでしょう?
「『おたすけDM』も含め、当社のサービスの多くはお客様の声から生まれています。高速バスは、夜間の真っ暗な車内でドライバーとの間もカーテンで仕切られているため、何かあっても乗務員に直接声をかけに行くのは、ものすごく抵抗感があると思うんです。 以前からメールで連絡できる仕組みはありましたが、それを2021年秋頃にフォーム化し、より利便性を高めたのが現在の“おたすけDM”です」(藤光さん)
また、近年増えたのが「ワイヤレスイヤホンを座席の隙間に落としてしまった」という声だそうです。そこで最新のウィラーの3列シート『DOME(ドーム)』の隙間には、すべり台のように傾斜がついており、小さいものを落としてしまっても自然と手の届く位置に戻ってきやすい構造になっているそうです。ユーザーの声をきちんと生かしてくれている! 「運営」として有能すぎるのでは。
さて、推し活が市民権を獲得する時期と前後して、「オタクが経済を回している」という言葉も耳にするようになりました。まあ、たいていの場合おもしろ半分のノリで口にしていると思うのだけど、「さすがにそれはおこがましいのでは」と感じるときもあります。ただ、高速バスに関して我々は無視できない存在であることは間違いなさそうです。
「だいぶ(経済を)回していただいています。他社様でも推し活をターゲットにした動画広告を出しているところもありますし、業界全体として熱い視線を注いでいると言えるんじゃないでしょうか」(篠原さん)
昨今の推し活ブームに乗じて、「“推し活”と銘打てば何でもいいだろう」と言わんばかりのビジネスも(悲しいことに)ゼロではありません。だからこそ、今回のお二人のようにユーザーの声に真摯(しんし)に耳を傾け、需要を的確にくみ取ろうとしてくれる企業のビジネスであれば大歓迎です。一方で、それだけ存在を認識されているからこそ、それを裏切らないようにマナーを守って利用しようと改めて思うのでした。
蟹めんまさんと藤谷千明さんのプロフィール
蟹めんま
かに・めんま 漫画家・イラストレーター。大阪芸術大学卒。奈良県出身・在住。小学生の頃ヴィジュアル系バンドに目覚め、バンギャル歴は約28年。著書に『バンギャルちゃんの日常(全4巻)』(KADOKAWA)、『今日もライブに行けません!~アラフォーバンギャル、魂のV系語り~』(ぶんか社)、共著に『バンギャルちゃんの老後 オタクのための(こわくない!)老後計画を考えてみた』(ホーム社)などがある。
X:@kanimen
藤谷千明
ふじたに・ちあき 1981年生。フリーライター 。ヴィジュアル系やオタク・サブカルチャーについての記事を執筆。著書に、アラフォーオタク4人で都内の一軒家を借りて暮らす実体験をつづったエッセイ『オタク女子が、4人で暮らしてみたら。』(幻冬舎文庫)がある。同タイトルでコミカライズ全2刊も刊行(作画:泥川恵/幻冬舎コミックス)。そのほかの著書に、対談集『推し問答!』(東京ニュース通信社)、共著に『バンギャルちゃんの老後』(ホーム社)、『すべての道はV系へ通ず。』(シンコーミュージック)など。TBS『マツコの知らない世界』V系回出演。
X:@fjtn_c
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