宮古島・伊良部大橋の急勾配をバイクで走る様子。3.5km続く日本一の無料海上橋
撮影=徳山喜行

冬の宮古島バイク一周ガイド【後編】ついに!憧れの3.5㎞超の伊良部大橋と日本最南端の天然温泉

宮古島最突端の岬から夢のリゾート地・シギラ地区、そして伊良部大橋を渡る全行程。宮古島3大ブリッジ完全制覇を解説

宮古島を一周し、池間大橋・来間大橋・伊良部大橋の3大ブリッジを制覇する旅! 後編となる本稿では、太平洋と東シナ海を一望できる景勝地・東平安名崎(ひがしへんなざき)から、日本最南端・最西端の日帰り温泉として人気のシギラ黄金温泉、そして絶景の来間(くりま)大橋、全長3,540mを誇る伊良部大橋の急勾配を攻略し、島一周を完遂するまでのすべてをレポート。マリンレジャーだけでは辿り着けない、バイクならではの視点で捉えた宮古島の魅力を総括する。

目次

日本最西端にして最南端の日帰り温泉「シギラ黄金温泉」へ!
ジャングルプールに、ウミガメが訪れる美しいビーチも

シギラ黄金温泉の屋外施設「ジャングルプール」。天然源泉を使用した南国植物に囲まれた温水エリア

まるでジャングルで出会った秘境のよう!南国を思わせる植栽に囲まれた「ジャングルプール」は、天然源泉を使った温水なので、いつまでも入っていたくなる温かさ

宮古島の南岸地区で、島内外から絶大な人気を誇るのが、シギラ黄金温泉。ここはなんと、宮古島唯一にして、日本最南端、最西端に位置する天然温泉。旅好き、温泉好きならぜひとも訪れたい場所だ。

黄金温泉と名付けられたのは、ナトリウム塩化物を含む温泉の湯が黄金色に見えるから。展望風呂では、黄金色の温泉につかりながら、宮古ブルーの海を眺めるという、この上なく贅沢な体験ができるのもここだけの特権だ。

屋内施設も見事だが、多くの方に支持されているのは、家族や友人とともに楽しむことが可能な、水着で入れる屋外エリア! 琉球石灰岩と南国を思わせる植栽に囲まれた広大なジャングルプールは、温水プール程度のやさしい温かさの温泉で、ゆったりと長く楽しめるのが魅力だ。「よく利用される地元の方は、夜にいらっしゃることも多いです。22時まで営業しておりますので、温泉にプカプカ浮かびながら、波の音を聞きつつ満天の星を眺めている方も」とスペシャルな楽しみ方を教えてくださったのは、こちらを運営する南西楽園リゾートの松本さん。

カフェやプライベートルーム、フィットネスジムも併設されており、宮古島内で季節や天気を問わず楽しめる貴重な屋内施設のため、オフシーズンにも多くの方が訪れるという。

日本最南端・最西端の温泉「シギラ黄金温泉」の展望露天風呂から望む宮古ブルーの海

宮古ブルーの海を臨む、女性側の展望露天風呂。地下1250mの深さからくみ上げた黄金色の源泉は、日量800tに及ぶという

南国リゾート感あふれるシギラ黄金温泉

島内でも貴重な日帰り温泉として、島内でも熱いファンがいるのだそう。ドライブやツーリング中にも、ぜひとも訪れたいスポットだ

ハイビスカスやヤシの木が美しく手入れされたシギラ黄金温泉のガーデンエリア

施設内の見事なハイビスカスやヤシなど植栽が目にも鮮やか。プライベートルームやカフェ、フィットネスジム、個性的なサウナもあり1日中楽しめる

南国リゾート感あふれるシギラ黄金温泉の入り口。ツーリングの休憩に最適な日帰り温泉

シギラ黄金温泉は、ホテルやビーチ、ゴルフ場などを内包する「シギラセブンマイルズリゾート」の一角。ゆっくりと過ごしたい方にも幅広い楽しみが広がっている

宮古ブルーの海を臨む、女性側の展望露天風呂。地下1,250mの深さからくみ上げた黄金色の源泉は、日量800tに及ぶという

島内でも貴重な日帰り温泉として、島内でも熱いファンがいるのだそう。ドライブやツーリング中にも、ぜひとも訪れたいスポットだ

施設内の見事なハイビスカスやヤシなど植栽が目にも鮮やか。プライベートルームやカフェ、フィットネスジム、個性的なサウナもあり一日中楽しめる

シギラ黄金温泉は、ホテルやビーチ、ゴルフ場などを内包する「シギラセブンマイルズリゾート」の一角。ゆっくりと過ごしたい方にも幅広い楽しみが広がっている

シギラ黄金温泉 /宮古島市上野新里1405−223 Tel. 0980-74-7340 (大人2,000円)【JAF優待】

そしてシギラ黄金温泉を含む「シギラセブンマイルズリゾート」のなかにある、シギラビーチへ。ここは入り江のような地形のため、外洋からの影響が少なく、遠浅で波が非常に穏やかなのが特徴。海水の透明度も高く、シュノーケリングでのウミガメとの遭遇率が高いのだとか! この日も3歳ほどの子供を連れた家族が、海を楽しむ姿が印象的だった。

ウミガメも訪れる波の穏やかなシギラビーチ。入り江状の地形で透明度が高い天然ビーチ

遠浅なので、家族連れにも大人気のシギラビーチ。入り江状に囲まれているので波も穏やかだ

●シギラビーチ/宮古島市上野新里 シギラリゾート内

【第二の橋】全長1,690mの来間大橋を渡り
プライベートビーチのような長間浜へ

全長1,690mの来間大橋をバイクで走行。緩やかなカーブと潮風が心地よいライディング

最初に渡った池間大橋よりも長いが、穏やかな高低差。走行中に潮風を楽しむ余裕も生まれてきた

島の南西部、リゾート感あふれるシギラ地区を通過し、次なる目的地、来間大橋(全長1,690m)へと向かう。1995年に完成したこの橋は、池間大橋よりやや長く、緩やかな起伏とカーブを含んでいるのが特徴だ。橋上の坂を上りきった位置からは、広く来間島を見渡すことができ、ダイナミックな景観に「おぉ~~!」と声が漏れた。こちらの橋でも強めの風を感じるが、それさえも楽しく感じる余裕も生まれてきた。軽快に橋を渡り切ると、そこには自然に覆われた来間島が待っていた。

来間島の竜宮城展望台から一望する来間大橋と宮古島のパノラマビュー

来間島の竜宮城展望台から来間橋を眺める。「ここを走ったのか~」という実感と達成感が心地よい

ツーリングの合間に来間港でバイクを停めて休憩する様子

来間橋を渡り、来間港でしばし休憩。天気もやや回復してきて暖かい!

来間島では、その西岸に位置する長間浜へ。約1kmにわたって続く白い砂浜が印象的な天然のビーチで、ここでは過度な装飾のない、ありのままの島の風景に触れることができる。離島の旅で楽しいのは、海からの日の出も、海への日の入りも楽しめる点。長間浜は西に位置するため、夕日が最高に美しいという。これまで立ち寄ったビーチの中でも際立つ白い砂が印象的だった。

アダンなど南ならではの植物に囲まれたビーチ

アダンの木々のトンネルを抜けると、視界が大きく開けひときわ白い砂が目に入る。人の気配もなく、プライベートビーチのよう

なめらかで白い長間浜の砂。マリンシューズ必須の岩場混じりの天然ビーチ

砂地の下には岩が多いため、来訪する際にはマリンシューズ等が必須。島の西端なので、海に沈む夕日が見られる絶景スポットなのだそう

ひときわ白い砂が印象的な来間島の長間浜。西海岸に位置する夕日の絶景スポット

ひときわ白く、なめらかな砂が特徴的だった

来間島・長間浜へと続く一本道。木々に囲まれた隠れ家ビーチへの入り口

長間浜へ向かう一本道は、どんつきが浜へ渡る駐車場になっている。こちらのビーチ多くの木々に囲まれているので、一見しただけでは入り口が分かりづらい

アダンの木々のトンネルを抜けると、視界が大きく開けひときわ白い砂が目に入る。人の気配もなく、プライベートビーチのよう

砂地の下には岩が多いため、来訪する際にはマリンシューズ等が必須。島の西端なので、海に沈む夕日が見られる絶景スポットなのだそう

ひときわ白く、なめらかな砂が特徴的だった

長間浜へ向かう一本道は、どんつきが浜へ渡る駐車場になっている。多くの木々に囲まれた浜なので、一見しただけでは入り口がわかりづらい

【第三の橋】全長3,540mの伊良部大橋に挑む!
急勾配の海上橋を越え、巨岩群が神秘的な佐和田の浜へ

全長3,540m、日本最長の無料橋・伊良部大橋が海の上をどこまでも続く様子

これまで渡った二つの橋を合計した距離よりも長い、3.5㎞超の海上橋! いつまでも続くような錯覚にとらわれる

旅のクライマックスを飾るのは、2015年に開通した伊良部大橋(全長3,540m)。通行料無料の橋としては日本最長を誇る、土木技術の粋を集めた巨大構造物だ。

この橋を渡る体験は、他の二つとは明らかに一線を画す。何より特徴的なのは、そのダイナミックな高低差だ。大型船舶が下を通過できるように設計された中央部の急勾配は、ジェットコースターのよう。「垂直に見える橋」として島根県と鳥取県を結ぶ江島大橋、通称「ベタ踏み坂」が有名だが、走行中に坂に近づくと、それを彷彿させるほどの勾配を感じる。

遮蔽物が一切ない海上の3.5kmは、横風の影響もこれまでの比ではないほど大きかったが、海の上をたっぷりとライディングする爽快感は、言葉にはできないものがあった。

晴天時にバイクから見た伊良部大橋とエメラルドグリーンの海の絶景

最後の橋を渡るタイミングでは、少しだけ晴れ間が見えて、宮古ブルーの海もより美しく見える

伊良部大橋の最大5度の急勾配区間をバイクで登る、ダイナミックな高低差の風景

最大5度の傾斜とのことだが、体感は端から橋を見ているとき以上のダイナミズム! バイク旅の醍醐味だ

伊良部島に上陸して北西部へ向かい、「日本の渚100選」にも選ばれた佐和田の浜へ。ここの景観を決定づけているのは、沖合に点在する無数の巨大な岩塊だ。これらは1771年の「明和の大津波」によって運ばれてきたものだという。穏やかで美しい風景の中に現れる巨岩群。宮古島が経てきた自然の歴史に畏怖の念を抱いた。

日本の渚100選「佐和田の浜」。遠浅の海に津波で運ばれた巨岩が点在する光景

これまでに紹介したかわいらしいビーチとは一転、雄大で広々とした砂浜!遠浅なため、透き通った水の合間に魚の姿も見えた

11月でも温かい佐和田の浜の海水。透明度の高い穏やかな海岸の様子

11月の取材時でも、日が当たる部分の水には冷たさ感じない。海岸散策なら季節を問わず楽しめそうだ

明和の大津波(1771年)で運ばれてきたという佐和田の浜の神秘的な巨岩群

遠くに見える巨石群が神秘的。伊良部島在住の方の間では、かつてはそれぞれの岩に名称があったのだそう

これまでに紹介したかわいらしいビーチとは一転、雄大で広々とした砂浜! 遠浅で、透き通った水の合間に魚の姿も見えた

11月の取材時でも、日が当たる部分の水には冷たさ感じない。海岸散策なら季節を問わず楽しめそうだ

遠くに見える巨石群が神秘的。伊良部島在住の方の間では、かつてはそれぞれの岩に名称があったのだそう

「いらぶ大橋 海の駅」の展望台から撮影した伊良部大橋の全景

帰路も楽しかった伊良部大橋。「いらぶ大橋 海の駅」の展望台は、橋の全景を望むフォトスポットだった

ついに、名実ともに島を一周!
宮古島の北端、西平安名崎へ

宮古島一周を完遂。北端の西平安名崎から池間大橋を遠望する達成感のシーン

名実ともに、宮古島を一周! 最初に渡った池間大橋の全景を見ることができた


旅の締めくくりとして、宮古島の最北端、西平安名崎(にしへんなざき)へ。ダイナミックな断崖からは、最初に渡った池間大橋の全景を遠望することができた。これで名実ともに、宮古島を一周することが叶ったという、達成感に包まれた。

今回の宮古島一周、マリンレジャーは一切行っていない。しかし、バイクで風を受け、匂いを嗅ぎ、橋の起伏を体感することで、深く「土地」そのものと対話することができたように感じる。五感を遮るものがないバイクだからこそ、微妙な海の色や空気の変化を高解像度で感じ取ることを楽しみ、そしてすべての橋を攻略するという、いわば自己満足ながら「やり切った!」という超個人的な喜びに満たされる充実の旅だった。

特に日本最長の伊良部大橋における高低差と爽快感は、この島を訪れるすべてのライダーに、ぜひとも味わってほしい。ぜひ本記事の前編で紹介した、服装の選び方や宮古島特有の走行時の注意点、池間島方面のスポットを網羅した 「冬の宮古島バイク一周攻略【前編】/服装・路面の注意点、池間大橋~東平安名崎までを実走解説」 も併読の上、安全で充実した宮古島ツーリングの計画を立てていただきたい。

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