冬の宮古島を250ccバイクでツーリングする様子と池間大橋の絶景
撮影=徳山喜行

宮古島をバイクで一周! 三つの絶景大橋をコンプリートし、名物ビーチを巡る旅へ【前編】

池間大橋から島の最東端へ。冬の宮古島を堪能するレンタルバイク・服装の最適解も

沖縄県宮古島といえば夏休みの観光地! 宮古ブルーの海に飛び込み、マリンスポーツ三昧!……と多くの人が憧れる離島リゾート。しかし、オフシーズンと思われがちな冬から春は、島そのものを堪能し、バイクで走行するには絶好の時期なのだ。

過酷な日差しは和らぎ、平均気温は18℃から20℃前後。海を横目に走行するのにこれ以上ないほど快適なコンディションが整う。航空券が安価なのもオフシーズンならでは。羽田空港からの直行便を利用すれば、わずか3時間強で宮古空港に降り立つことができる。

今回は、宮古島と三つの離島を結ぶ長大な橋梁群を巡り、土地の魅力を五感で味わい尽くした究極のライディング体験をレポート。前編となる本稿では、冬の宮古島の最適な服装や宮古島特有の走行上の注意点、さらに、島北部の絶景・池間大橋から、天候を問わず海洋生態系を観察できる宮古島 海中公園、そして南シナ海と太平洋を一望できる東平安名崎(ひがしへんなざき)まで、島東部の行程を詳しくお届けする。

目次

宮古島がバイク一周に最適な理由
冬の沖縄、正解の服装は…ワークマン⁉

羽田空港からわずか3時間強で宮古空港へ。都内は15℃前後の肌寒さだったが、飛行機のドアが開くと、20℃を超えるふわりとした暖かさを感じ、南へ来たことを実感する。島内には観光客へ向けてクルマやバイクのレンタルショップが充実しており、今回はパワーと小回りのバランスが良い250ccを選択した。

バイクで宮古島を一周する最大のメリットは、移動そのものが「体験」に変わる点にある。車窓というフィルターを通さず、サトウキビ畑の匂いや潮風を全身でダイレクトに楽しめる。交通量も少なく、マイペースな走行を楽しめる沖縄の離島は、リターンライダーや離島初心者にとっても楽しくライディングを堪能できる絶好の地だ。取材時の11月末、アウターはワークマンの防水防寒ジャケット、中は半袖シャツという服装だったが、これが大当たり! 走行中の風や多少の雨も気にならず、飲食店などでは簡単に脱ぎ着して夏気分も堪能できた。

道路には○○が入っている⁉
宮古島ならではの走行の注意点とは

レンタルショップでは、宮古島特有の走行時の注意点も教えていただいた。「宮古島のアスファルト舗装にはサンゴ由来の琉球石灰岩が含まれているため、雨天時には滑りやすくなります」とのこと。また、島全体にサトウキビ畑があるため、風が吹くと道路表面に赤土がかかり、これもまたスリップの原因となる場合があるという。

確かに走行していると路面がサラサラとしている印象があり、グリップが弱く感じられた。また、風が吹くと土埃が舞い上がり目に入ることも多々あったため、サングラスやシールドが欠かせなかった。

撮影当日はあいにくの空模様だったものの「宮古島は、良くも悪くも天気予報があまり当たらないと言われていますよ。 あっちの島が雨でも、こっちの島は晴れ、ということもありますから」とポジティブなお言葉をいただいた。今回に限らずだが、二輪走行は危険が伴うことをあらためて肝に銘じ、さっそく島一周へと繰り出した。

【第一の橋】全長1,425mの池間大橋を滑空する快感!
ま~~っすぐ伸びる橋の先にある、秘密基地のようなビーチ

宮古島と池間島を結ぶ全長1,425mの池間大橋。海の上をまっすぐ伸びる直線道路

ま~~~っすぐに池間島へ向かう、池間大橋。途中の隆起も楽しい

旅の起点として、まずは島北部、宮古島と池間島を結ぶ池間大橋(全長1,425m)へとバイクを走らせた。1992年に開通したこの橋は、視界を遮る構造物が極めて少なく、海の上を一直線に伸びる道が特徴。橋の下を船が通過するため、中央部分が盛り上がった形をしているという。
 
いざアクセルを開け、夢にまでみた海上橋走行へ! と、橋に差し掛かった瞬間……遮るもののない海上の橋に、容赦ない強風が! 宮古島は冬に強い季節風が吹き、島へ渡る橋も風速25m/sを超えると閉鎖されるという。これは、もし50㏄の原付を借りていたらちょっと心許なかったかも。慌てて体勢を立て直し前を見ると、島へ向かうまっすぐ、いや、ま~~~~っすぐな橋! 左右のコバルトブルーを横目に、ま~~~~っすぐな橋を滑空するように走行していると、思わず笑いがこみあげてくる。この爽快感こそが、この島へ来た理由と言えるだろう。

池間大橋から望むコバルトブルーの海。遠くに伊良部島と伊良部大橋が見える

池間大橋上を池間島へ向かうと、西側には伊良部島と伊良部大橋も見ることができた

池間島では、橋を渡り切りすぐ右手の道に入った先にあるオハマビーチへと立ち寄った。駐車場も完備されているが、ビーチはジャングルのような緑を抜けた先にある。左右を岩と木々に囲まれた秘密基地のような小さな白い砂浜は、観光客の少ない冬季は独り占めできることも珍しくない。

池間島の隠れ家スポット、オハマビーチへ続く緑豊かなジャングルの小道

うっそうとした木々を抜けた先に、宮古ブルーの海が見える

観光客の少ない冬季のオハマビーチ。白い砂浜と透き通った宮古ブルーの海

プライベートビーチのようなこぢんまりとした砂浜。個人旅行ならぜひ立ち寄ってほしい

宮古島の海岸に打ち寄せられたサンゴの死骸や貝殻のアップ

宮古島はサンゴ礁が隆起してできた島。サンゴや貝殻がたくさん砂浜に打ち寄せられている

オハマビーチの駐車場でくつろぐ、人懐っこい地域の猫

オハマビーチの駐車場にいた猫。人なれした様子ですり寄ってきてくれた。カワイイ……

うっそうとした木々を抜けた先に、宮古ブルーの海が見える

プライベートビーチのようなこぢんまりとした砂浜。個人旅行ならぜひ立ち寄ってほしい

宮古島はサンゴ礁が隆起してできた島。サンゴや貝殻がたくさん砂浜に打ち寄せられている

オハマビーチの駐車場にいた猫。人なれした様子ですり寄ってきてくれた。カワイイ……

服を着たままダイビング気分!
宮古島 海中公園で出会う「ありのまま」の生態系

宮古島海中公園の海中世界

季節や天気を問わず、宮古島の海中散歩が楽しめる。施設からは140種類以上の魚種を確認することができるのだとか

宮古島北部に位置する「宮古島 海中公園」は、マリンスポーツの経験がなくても、服を着たまま水深3〜5mの海中散歩を楽しめる施設だ。地上から75段の階段を降りた先には、24枚のアクリル窓が並ぶ神秘的な海中世界が広がっている。

取材に訪れた日はあいにくの空模様だったが、窓の外には驚くほどクリアな視界が広がり、数多くの魚たちが。この日確認できただけでも、オヤビッチャやカクレクマノミなど20種類以上。園長の鳥海さんによれば、「イソギンチャクを住処にするクマノミは“レギュラーメンバー”として高確率で見られますが、ウミガメやサメなどの大型生物に出会えるかは、その時の運次第」。建物自体を魚礁(ぎょしょう)として活用することで、建物に付着した藻を求めて野生の魚が集まってくるのだという。

今年で15年目を迎える同園だが、その人気は年々高まっており、来場者数も増加。天候が不安定な日や、海に入ることが難しい冬のシーズンにおいても楽しめる貴重な施設だ。「一般的に天気が悪いと海の中は見えにくいと思われがちですが、雨が降っても海さえ荒れていなければ、透明度はそれほど落ちません。むしろ、晴天の夕方は逆光で視界が遮られることもあるため、曇天や雨天時のほうが観察に適している場合もあります」と鳥海さん。年間平均で、なんと17〜20m先まで見渡せるという。ダイバーでさえ目にすることが少ない「荒天時の海中」も含め、宮古島のリアルな自然を堪能できる貴重な施設を心ゆくまで満喫した。

地上から海中へと続く宮古島海中公園の階段。水深3〜5mの世界へ降りる様子

地上との高低差は11mほど。階段を下って海の中に向かっていくと、気分も盛り上がる

水圧に耐える12cm厚のアクリル板を使用した海中公園の観察窓

水圧を考慮し、観察窓は4枚のアクリル板を重ね12㎝の厚さになっているというが、それを感じさせないほど透明度が高く、海底の奥まで見渡すことができる

宮古島海中公園内の展示水槽。地域の海洋生物を間近で観察できる

施設内には、宮古島に生息する魚たちの水槽も。多角的に生き物たちの姿を見ることができるのだそう

宮古島海中公園の入り口看板と施設の外観

貝殻を使ったアクセサリーなどを作れる工作体験や、併設の全席オーシャンビューカフェ「海遊」も人気。取材当日も多くの人が訪れていた

地上との高低差は11mほど。階段を下って海の中に向かっていくと、気分も盛り上がる

水圧を考慮し、観察窓は4枚のアクリル板を重ね12㎝の厚さになっているというが、それを感じさせないほど透明度が高く、海底の奥まで見渡すことができる

施設内には、宮古島に生息する魚たちの水槽も。多角的に生き物たちの姿を見ることができるのだそう

貝殻を使ったアクセサリーなどを作れる工作体験や、併設の全席オーシャンビューカフェ「海遊」も人気。取材当日も多くの人が訪れていた

宮古島 海中公園 /宮古島市平良狩俣2511−1 Tel. 0980-74-6335

標高100mの断崖から望むパノラマ!
「比嘉ロードパーク」は日の出と星空の絶景スポット…のはず

標高100mの断崖絶壁から東シナ海を見下ろす比嘉ロードパークの展望

島内でも標高が高いため、吹き付ける風がより一層強い! 東シナ海を望むパノラマが楽しめる断崖

宮古島の東海岸沿い、県道83号を走行した後、絶景スポットとして名高い「比嘉(ひが)ロードパーク」に立ち寄った。比嘉ロードパークの最大の特徴は、その圧倒的な高低差。宮古島は平坦な地形が多いが、この付近は海岸線が切り立った断崖になっており、展望台の標高は約100m! 視界が開けているため、夜には満天の星、早朝には水平線から昇る朝日が堪能できるという、まさに島屈指のパノラマスポット。天気が思わしくなかったこの日も、大迫力の断崖を見下ろすと、透明度の高い海中にサンゴ礁が見て取れた。

比嘉ロードパーク付近の緑豊かな県道83号をバイクで南下する様子

冬でも道路脇の緑が色濃く、ぬるい風を感じる。県道83号を南下していくと、左手の視界が開け比嘉ロードパークが見えてくる

比嘉ロードパークの休憩スペース。東屋と駐車場が完備された絶景ポイント

休憩所としてありがたい東屋に、トイレ、駐車場完備。周囲には民家も少なく、夜には絶好の星空観察スポットでもあるそう

比嘉ロードパークにある、美しい日の出を描いたタイルモザイク画

東の海に面したここからは、晴れた朝にはこのモザイク画のように、美しい日の出が拝めるのだとか

冬でも道路脇の緑が色濃く、ぬるい風を感じる。県道83号を南下していくと、左手の視界が開け比嘉ロードパークが見えてくる

休憩所としてありがたい東屋に、トイレ、駐車場完備。周囲には民家も少なく、夜には絶好の星空観察スポットでもあるそう

東の海に面したここからは、晴れた朝にはこのモザイク画のように、美しい日の出が拝めるのだとか

太平洋と東シナ海が交わる「地球の端」
宮古島の最東端スポット、東平安名崎へ

日本の灯台50選に選ばれた、宮古島最東端に立つ白い平安名埼灯台

駐車場から岬の端までは、徒歩で約15分。白い平安名埼灯台が荘厳な存在感を見せる

さらに南下を続け、ついに島の最東端、東平安名崎(ひがしへんなざき)へ。約2kmにわたって細長く突き出た岬は、まさに「地球の端」を思わせる雄大さで、 国の史跡名勝天然記念物にも指定されているという。強風が常に吹き付けるため、荒涼とした印象ながら、特有の植物群がたくましく地面にへばりついている。

宮古島は東シナ海に位置するが、東平安名崎の最突端のみが太平洋に接しているという。つまりここは、二つの異なる海域が接する地理的境界線に立つ、なんとも稀有なスポットだ。強い風を浴びつつ雄大な景観を前にすると、ここが地球の一部であることを肌で感じることができた。

太平洋と東シナ海が交わる境界線、東平安名崎の岬の先端

ココが本当に島の最東端。東平安名崎。眼前の海を見ると、左側が東シナ海、右側が太平洋だ

太平洋と東シナ海が交わる境界線、東平安名崎の岬の先端にいることがわかるプレート

この「海の境界線」に立つことができる地は、日本でもごくわずか。一度は訪れたい景勝地だ

東平安名崎へ続く海岸沿いの道。潮風を感じる絶好のライディングルート

保良(ぼら)漁港側から東平安名崎へ向かう道をしばし走行。島の東側から南下走行した県道83号は左右に木々が生い茂る道が多いため、潮風を感じるライディングが楽しい

前編では、宮古島バイク一周の起点となる北部~東部エリアの魅力と、安全に走行するための基礎について学んだことをお伝えさせていただいた。

池間大橋での海上ライディングや海中公園を経て、旅はいよいよ島の南岸、そして最大のハイライトである伊良部大橋へと向かう。続く後編では、日本最南端の天然温泉であるシギラ黄金温泉、そして日本最長の無料橋・伊良部大橋の完全制覇に向けたルートについても詳細に解説。島一周の完遂と、宮古島ならではの自然の歴史に触れる「冬の宮古島バイク一周ガイド【後編】ついに! 憧れの3.5㎞超の伊良部大橋と日本最南端の天然温泉」の記事も併せて参照していただきたい。

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