露天風呂風景
編集=後藤ちり / 画像提供=くるま旅クラブ

秋の車中泊旅は“温泉付きRVパーク”で癒やされたい! 個性派温泉を楽しめるRVパーク5選【関東近郊】

湯治湯に隠れ家、富士山まで! 達人が厳選した個性豊かな温泉を堪能できるRVパーク

本格的な秋の行楽シーズンが到来。肌寒さを感じる季節になってきたら、温泉付きRVパークで車中泊する贅沢なスタイルがおすすめです。今回は、車中泊の達人であり、くるま旅クラブ事務局長の山縣麻人さんが厳選した、温泉を心ゆくまで堪能できる関東近郊のRVパーク5か所を紹介。湯上り後はそのまま車中泊という、温泉好きにはたまらないスタイルをいまからチェック!

目次

立ち寄るだけじゃもったいない! 目的地にしたい温泉付きRVパーク

お湯が張られた露天風呂

RVパーク 555幸乃湯(栃木県)

猛暑続きだった夏が終わり、いよいよ車中泊旅に最適な秋がやってきました。

食欲の秋、行楽の秋、芸術の秋などさまざまな楽しみがありますが、この秋におすすめしたいのが、「温泉で癒やされる車中泊旅」です。

「旅の道中で色づく紅葉を楽しみながら、宿泊地でゆったり温泉につかる。そんな贅沢を味わえるRVパーク、ありますよ!」と力強く推してくれたのは、キャンピングカーや車中泊ユーザー向けの会員制サービス「くるま旅クラブ」事務局長で、自身もキャンピングカー旅を楽しんでいる山縣麻人さん。

RVパークの看板と駐車スペース

「RVパーク」とは、日本RV協会が認定した「車中泊専用スポット」。利用料金を払えば、施設公認で快適な車中泊をすることができます。写真はDANRANアウトドアフィールド RVパーク(栃木県)

「RVパークは基本、入浴施設がクルマで15分圏内にありますが、今回はさらに一歩踏み込んで、温泉施設の敷地内にあるRVパークを厳選しました。私的に温泉付きRVパークの最大の利点は、湯上りの一杯を楽しめること。これに勝る贅沢はありません(笑)」(山縣さん)

確かに温泉で心ゆくまでリフレッシュしたあと、運転の心配なくそのまま宿泊できるのは、温泉併設RVパークならではの大きなメリット。

今回は、旅の目的地としてもおすすめの個性豊かな温泉付きRVパークを山縣さんが厳選。関東近郊の5施設を紹介します。

【栃木県】RVパーク 555幸乃湯

木造の建物内の温泉の湯船

豊かな自然と数々の歴史的建造物が残る日光国立公園。そのなかにひっそりとたたずむ一軒宿「幸乃湯温泉旅館」に併設されたRVパークです。

1984年の開業以来、41年にもわたり源泉かけ流しの湯治宿として愛されてきた幸乃湯温泉旅館。RVパーク利用者も、この湯を心ゆくまで堪能できます。

ピックアップトラックにけん引されるキャンピングトレーラー

こちらのRVパークは最大18mのキャンピングトレーラーまで受け入れ可能

「立地の素晴らしさもさることながら、特筆すべきはRVパーク利用者向けの温泉特典。入浴料(大人1,400円)を支払えば、RVパークのチェックインからチェックアウトまで、何度でも入浴することができるんです。これは温泉好きにはたまらないサービスですね」(山縣さん)

露天風呂に設置された打たせ湯

打たせ湯「大滝の湯」は血行促進効果に期待

露天風呂に綱が吊り下げられた綱の湯

綱につかまり立ったまま入る「綱の湯」で板村温泉の伝統入浴法を体験

泉質は疲労回復や健康増進などの効能が期待できるナトリウム・カルシウム硫酸塩温泉で、pH9.5の美肌の湯としても人気。さらに、男女ともに内湯1・露天2を備え、高さ4mの打たせ湯や、綱につかまって入る深さ140cmの立ち湯など、個性豊かな湯処を飽きることなく楽しめます。

建物の前に駐車するキャンピングカー

サイト内でテーブル、チェアの展開、携帯用コンロでの調理は可能。薪、炭の使用は禁止

RVパークは全17区画あり、軽キャンピングカーから大型トレーラーまで対応する4タイプのサイトを用意。全区画に電源を完備し、給湯器を設置するなど設備面も充実しており、快適度が高いはず。

テーブルに並べられたしゃぶしゃぶなどの夕食

3日前までの事前予約で宿の夕食・朝食もいただけます。写真の源泉しゃぶしゃぶは別注

【施設情報】
RVパーク 555幸乃湯
所在地:栃木県那須塩原市百村3536-1
電話:0287-69-1110(9時~18時)
利用可能台数:17台
利用料金(1泊):4,000円~6,000円
入浴施設:幸乃湯温泉
営業時間:8時~21時(RVパーク利用者)
入浴料:大人1,400円(年末年始、GW、お盆は1日のみ大人1,000円)
定休日:不定休
※ボディソープ、リンスインシャンプーあり
RVパーク 555幸乃湯ウェブサイト

【山梨県】RVパーク 秋山温泉

秋山温泉の外観

都心から1時間半ほどでアクセス可能な山梨県上野原市の秋山温泉は、プールも擁する日帰り温泉施設。山間部にたたずむちょっぴり秘境感のある隠れ家的スポットです。

温泉は36℃の単純アルカリ泉のぬる湯で、肌の洗浄効果が期待できると評判。その湯をたっぷりたたえた源泉かけ流し風呂や露天風呂、泡風呂の3つの湯船と、サウナ(男性用スチームサウナ、女性用ドライサウナ)を完備しています。

露天風呂の風景とテントサウナ風景

左は露天風呂。右のテントサウナは土日のみで1時間2,000円、延長30分ごとに800円加算

さらに屋外サウナでは、熱気をタオルで扇ぐ「アウフグース体験」(予約制)や、テントサウナの貸し出し(有料)も行っているので、サウナ好きは要チェック。

「山に囲まれているので秋の紅葉も楽しめます。車中泊に最適な静かで自然豊かな環境と、4台限定の小規模RVパークは、プライベート感を重視したい方におすすめです」(山縣さん)


【施設情報】
RVパーク 秋山温泉
所在地:山梨県上野原市秋山2210
電話:0554-56-2611
利用可能台数:4台
利用料金(1泊):4,000円
入浴施設:秋山温泉
営業時間:10時~21時(最終受付20時30分)
入浴料:大人1,000円、繁忙期は大人1,200円ほか
定休日:毎週月曜
※ボディソープ、リンスインシャンプーあり
RVパーク 秋山温泉ウェブサイト

【山梨県】RVパーク ホテルスターらんど

ホテルスターらんどの外観

薬草風呂が自慢の「ホテル スターらんど」に併設されたRVパークは、無料マッサージ機や漫画コーナー、コインランドリーなど、ホテルのさまざまな設備やサービスを利用できるのが魅力。

温泉施設のタイル張りの内湯

大浴場の一画、右の四角い湯船が薬草風呂

ウッディ内観のサウナ室

サウナも薬草の香りが漂います

風呂はすべての湯に富士の伏流水を使用しており、大浴場やサウナ、水風呂、外気浴スペースなどを完備。

なかでも大浴場の薬草風呂は、20種類以上の薬草成分を配合したこだわりの自社製入浴剤を使用。スパイシーな香りとともに、疲労回復や神経痛緩和、安眠などの効果が期待できるのだとか。

食堂の様子

食事処「うまいもん屋」はテーブル席のほか座敷もあり

夕食メニューの集合写真

自家農園で栽培した野菜と厳選素材を使用した料理がこだわり

入浴施設のほかにも食事処や売店コーナー、宴会室にBBQスペース、またサイトでは焚き火やオーニング展開も可能で、オートキャンプ場のような自由度の高さも魅力です。

「ホテル併設のRVパークは高規格サービスの代表格ですね。自家配合の薬草風呂は、ほかではなかなか味わえません。朝5時から8時までの朝風呂で、朝日を眺めながら出発前にさっぱりできるのも助かります。富士山、富士五湖観光への拠点としても便利で、車中泊初心者にも安心しておすすめできる施設だと思います」(山縣さん)


【施設情報】
RVパーク ホテルスターらんど
所在地:山梨県都留市下谷2450-1
電話:0554-45-6711
利用可能台数:12台
利用料金(1泊):2,500円
入浴施設:ホテルスターらんど
入浴料:平日/大人700円、土休日/大人800円
営業時間:平日15時~24時、土日祝9時~24時、朝風呂5時~8時
定休日:無休
※ボディソープ、シャンプー、リンスあり
RVパーク ホテルスターらんどウェブサイト

【山梨県】RVパークやまなみの湯

やまなみの湯の露天風呂

地下1,500mから湧き出た天然温泉を楽しめる大型日帰り温泉施設は、保温効果と美肌効果に優れた泉質で、“美人の湯”として親しまれています。露天風呂や寝湯、源泉湯にサウナなど12種類もあり、バリエーション豊富なのも特徴。

「12種類のお風呂やサウナに加えてプールも楽しめ、さらにRVパークが位置する甲西ふれあい公園は総合レジャー施設なので子供が楽しめる設備も多彩。ファミリー車中泊に最適なRVパークだと思います」(山縣さん)

温泉施設に付属するプール

プールは15×8mのレジャープール、ジャグジー、幼児プールなど。水着と水泳用帽子着用のこと

やまなみの湯に併設するプールには、水深約30cmの幼児用プールがあるほか、こどもひろば、リラックスルーム、ゲーム広場なども完備。

また、甲西ふれあい公園内にはローラースライダーやターザンロープなどの遊具、広大な芝生広場、テニスコートなど、体を動かして楽しめる設備がそろっています。

車中泊枠に駐車している複数台のキャンピングカー

RVパークでの屋外調理は不可

「これだけの楽しいコンテンツがありながら1泊2,000円。しかもRVパーク利用者は2時間券(大人1名600円)を購入すれば、翌日昼12時(休館日除く)まで温泉入り放題というコストパフォーマンスの良さ! 車中泊旅行者には本当にありがたいRVパークです」(山縣さん)



【施設情報】 RVパークやまなみの湯
所在地:山梨県南アルプス市西南湖1299-1
電話:055-280-3340(10時~21時)
利用可能台数:8台
利用料金(1泊):2,000円
入浴施設:やまなみの湯
営業時間:入浴10時~21時30分(最終受付21時)、プール10時~20時
入浴料:大人2時間600円、1日900円ほか
定休日:毎週水曜
※ボディソープ、リンスインシャンプーあり
RVパークやまなみの湯ウェブサイト

【静岡県】RVパークsmart 極楽湯 三島店

温泉施設のRVパークに駐車しているキャンピングカー

箱根、伊豆、富士山の中間点に位置し、観光の拠点にもぴったりなRVパークsmart 極楽湯 三島店。予約から決済、チェックイン・アウトまでオンラインで完結できる無人化システムを採用しているので、当日23時まで予約受付可能という自由度の高さが魅力です。

湯けむりが立つ温泉施設の露天風呂の光景

高濃度炭酸泉は血行や新陳代謝の促進効果が期待できます

こちらの日帰り入浴施設は、露天風呂だけでも6つ、内湯3つと種類豊富。地下1,300mから湧き出たアルカリ性単純温泉を使用していて、神経痛や関節のこわばり、疲労回復などの効能が期待できるのだとか。

また土日祝限定で、高濃度炭酸泉と漢方薬湯のブレンド湯を開催しており、心身ともにリフレッシュできます。

温泉施設から眺められる富士山

富士山を眺めながら温泉を楽しめる「富士見の湯」

「露天風呂『富士見の湯』は、その名のとおり富士山を眺めながら入れるお風呂。とくに秋の夕暮れに見る富士山は一層美しく、感動的です。またこちらの施設は食事処のメニューが豊富。ラストオーダーが24時なので、チェックインが遅くなっても安心です。助かりますね」(山縣さん)

トイレは営業時間内(平日9時~26時/土日祝6時~26時)なら施設内のトイレを使用できますが、営業時間外は近隣コンビニやスーパーのトイレを使用するため(許可済み)、その点だけ要注意です。


【施設情報】 RVパークsmart 極楽湯 三島店
所在地:静岡県三島市三好町4-23 せせらぎパーク三好内
電話:092-433-7370(トラストパーク・土日祝除く9時~17時30分)
利用可能台数:2台
利用料金(1泊):3,500円
入浴施設:極楽湯 三島店
営業時間:平日9時~26時、土日祝6時~26時(最終受付25時20分)
入浴料:平日900円、土日祝1,050円ほか
定休日:不定休
※ボディソープ、シャンプー、コンディショナーあり
RVパークsmart 極楽湯 三島店ウェブサイト

温泉に入って、そのまま泊まれるって最高!

木々の間から見えるキャンピングカー

RVパーク 555幸乃湯(栃木県)

一日の終わりはゆっくり湯につかって、疲れを癒やしたいもの。でも車中泊の旅では、宿泊地近くに入浴施設が見つからないことも少なくありません。

そんなとき、事前に温泉付きRVパークを予約しておけば、移動の心配をすることなく、心ゆくまで温泉でリフレッシュできます。そして湯上り後はそのまま車中泊へ。車中泊旅ならではの贅沢なスタイルを実現できます。

山縣麻人さんプロフィール

キャンピングカーの前でピースサインをする男性

やまがた・あさと / くるま旅クラブ事務局長。2018年よりカムロードベースのキャブコン「オルビスユーロ」で日本一周の旅を開始。現在も新しい場所への探訪を続けている。キャンピングカー歴7年の経験を生かし、2022年からはくるま旅クラブの事務局長としてキャンピングカーユーザーのサポートに日々奮闘。「キャンピングカーは行楽にも防災にも使える万能な存在」という信念のもと、実体験に基づいた情報発信を心がけている。

「くるま旅クラブ」とは

一般社団法人日本RV協会の子会社・くるま旅クラブ株式会社が運営する有料の会員制クラブ。キャンピングカーオーナーや車中泊旅を楽しむユーザーに向け、車中泊ができる提携施設や割引特典などを提供。2025年7月現在の会員は約2万1000人。
くるま旅クラブWEBサイト

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