道の駅川場田園プラザの場内メイン看板と建物の全景写真
文=大森弘恵 / 撮影=中里慎一郎 / 編集=後藤ちり

群馬県「道の駅 川場田園プラザ」徹底攻略!全国1位・リピ率7割の秘密と混雑回避の技

年間290万人を魅了!人気の秘密と賢く楽しむコツを現地で徹底取材!

年間290万人が訪れ、リピート率は驚異の7割。複数の道の駅ランキングで1位を獲得する「道の駅 川場田園プラザ」は、いま日本で“最も満足度が高い”と人気の道の駅です。今回は、初訪問でもスムーズな混雑回避術や買い物のコツ、そして人々に愛される人気の秘密を徹底調査&公開します!

目次

「道の駅 川場田園プラザ」ってなんでこんなに人気なの?

道の駅 川場田園プラザの交通標識

群馬県・川場村の人口は3,000人ほどですが、川場村にある「道の駅 川場田園プラザ」の年間来場者数は驚異の290万人超。日本で一番来場者の多い道の駅です。

年間来場者数を365日で割ると約8,000ですから、毎日、村の人口の2.6倍以上の人が訪問している計算。そう考えると、いかに多くの人でにぎわっているかわかるというものです。

道の駅川場田園プラザの航空写真

武尊山の麓に広がる道の駅 川場田園プラザ。敷地面積は約6ヘクタール、東京ドーム1.5個分!

関越自動車道・沼田ICに近く、周辺にはスキー場や管理釣り場、キャンプ場、温泉施設が点在していてレジャーのついでに立ち寄りやすいという“地の利”は、来場者数に影響していると考えられますが、道の駅 川場田園プラザはリピート率、満足度などいろいろなランキングで全国1位を獲得しています。

なぜ、人は道の駅 川場田園プラザを目指すのか。現地を訪れその秘密と攻略法を探ってみました。

秘密1 何度行っても飽きない! いつでも「新発見」がある道の駅!

道の駅ファーマーズマーケットの内観

道の駅を欲する自治体は多いのですが、道の駅は未来永劫、地域がうるおい続ける魔法の施設ではありません。

近隣エリアの過疎化が進むと活気がなくなり、観光客も足を向けなくなります。そこに施設の老朽化が進むとWパンチ。赤字経営待ったなしとなり、地域の負担が増えてますます元気がなくなるという悪循環に陥りかねないのです。

川場村の人口は決して多くはないし、道の駅 川場田園プラザのオープンは1996年。そろそろ飽きられてもおかしくないはずなのに、来場者は全国1位、リピート率7割(リピーターの4割が5回以上来場!)と絶好調です。

道の駅 川場田園プラザを運営している株式会社田園プラザ川場の大塚俊輔さんにたずねると、「いつでも新しい発見ができるようにしているためではないでしょうか」との答えが返ってきました。

道の駅内の池をメインとした風景

道の駅全体がリゾート庭園のような雰囲気

一棟の建物に店舗や観光案内などを集約させている道の駅が多いのですが、道の駅 川場田園プラザは池の周りに古民家風の建物が点在していて道の駅全体が“ミニチュア里山”。

オープン当初はミート工房とファーマーズマーケットだけでしたが、徐々にビール工房、パン工房、ブルーベリー公園、カフェなど施設を追加していったそう。現在は建物の新設こそありませんが、内装はこまめに変更してマンネリ化を防止しているのだとか。

ではソフト面はというと、週末は大道芸を呼ぶなどこちらも進化が止まりません。

社長はじめスタッフは常にアンテナを張りめぐらせていて、“おもてなし”のヒントを得ては川場流にアレンジして取り入れているとのこと。

月夜野きのこ園の雪割茸3パック並び

全長約30cmもある月夜野きのこ園の雪割茸

こうしたスタッフの情熱が周囲に伝染するのでしょう。各店舗の新商品や限定品開発が盛んに行われるだけでなく、「周辺の農家さんは研究熱心で、ちょっと珍しい野菜や果物を積極的に栽培していてファーマーズマーケットに並べてくれるんです」(大塚さん)。

この日も「雪割茸(ゆきわりたけ)」という希少なキノコが並んでいました。レア食材があると、ファーマーズマーケットが宝島に見えるから不思議。

パイが並ぶケーキショーケース

カワバプレミアのスイーツは駅内の工房で手作りしている

ピッツェリアラコルトの外観

絶品ピザを堪能できるピッツェリア ラコルト

宝探しのようなワクワク気分のまま場内をそぞろ歩きすれば、地元産の厳選スイーツがそろう「カワバプレミア」で「紅玉リンゴアップルパイ」、地元産野菜やチーズをたっぷりのせたナポリスタイルのピザが人気の「ピッツェリア ラコルト」では「川場産りんごとさつま芋のピッツァ」を発見しました。

川場村では夏にはブルーベリー、秋はブドウやリンゴ、お米「雪ほたか」、そして冬〜春にはイチゴといった具合に一年中いろいろな果物や野菜が収穫されていて、そのまま販売されるだけでなく期間限定メニューにも用いられます。

だからドライブ中にわざわざ川場に立ち寄るリピーターが絶えないのです。

秘密2 駅内製造だから鮮度抜群で絶品の乳製品にハムにビール!

ブッラータチーズの製造風景

チーズやヨーグルトが目玉の道の駅は多いけれど、道の駅 川場田園プラザでは場内で製造! 

生乳の鮮度と風味がヨーグルトとチーズの味を左右するのですが、道の駅製造のチーズとヨーグルトはご近所の農場から生乳を仕入れています。

テーブルの上に置いた飲むヨーグルトのプラボトル

人気No.1商品は「のむヨーグルト」

武尊山(ほたかやま)の麓でストレスなく育った牛から搾乳した生乳は、とにかく新鮮で風味豊か。なかでも「のむヨーグルト」は添加物なしのプレミアムな味で“これじゃないと!”と言われるほどの看板商品になりました。

皿に盛り付けたブッラータチーズ

KAWABA CHEESEのトレーラーハウスで購入したブッラータ

一方、新鮮な生乳とまろやかな武尊山の水を使ったフレッシュチーズは、イタリアの小規模工房の製法を忠実に再現して製造。

うれしいことにお土産用のパッケージだけでなく、その場で食べられるプレートも販売されています。

写真のブッラータは気温変化に弱く、長時間の持ち運びには不向きなのでぜひ現地で味わって。場内のベーカリーで購入したパンを添えれば極上のランチになりますよ。

ミート工房の外観

山賊焼が人気のミート工房

「ミート工房」のハム&ソーセージは食肉加工の本場、ドイツで修業して国家資格「ゲゼレ」を取得した職人の手作り。このソーセージをゆであげた後、鉄板で焼く「ライブの山賊焼」はクセになるおいしさだと大評判なんです。

こだわり満載でワンランク上の味に仕上げた乳製品やハム&ソーセージは、鮮度が命。農場と工房がすぐそばにあるからこその味を、その場で楽しめるのは間違いなく極上の体験で、道の駅 川場田園プラザの大きな魅力となっています。

小規模醸造所の内観

駅内にある小規模醸造所

ちなみに、全国に1,200を超える道の駅がありますが、道の駅 川場田園プラザのように醸造所がある施設も珍しい存在。川場産コシヒカリ・雪ほたかを使ったピルスナー、ミネラルたっぷりの天然水を使ったスタウト、川場産リンゴ果汁を用いたシードルなど、ここだけの味を製造、販売しています。

マーケットのビールコーナー

こだわりのビールは5種類。川場産リンゴを使用した「川場シードル」もある

ドライブ途中の飲酒はご法度ですが、お土産として瓶入りクラフトビール「川場ビール」を購入できるので安心を。気に入ったチーズやハム&ソーセージとともに持ち帰るためにもクーラーバッグ必携です。

秘密3 休憩空間も遊び場も、従来の道の駅以上に大満足!

道の駅建物外観とその前に並ぶパラソルとテーブル&チェアの風景

買い物とグルメの魅力はわかりましたが、道の駅には休憩機能という重要な役割があります。休憩場所はどうなっているのでしょう?

目に付くのはパラソル付きのベンチです。のぼり旗や派手な看板がない庭園風の広場にズラリ。テーブルもあり、食事や飲み物を前にくつろいでいます。ただ、来場者が多いのでパラソルの空きを見つけるのが大変。

リゾート風のソファとテーブル、木製ベンチ&テーブルが並ぶ飲食コーナー

地元杉材の屋根の下で飲食が可能な川場ルーフ

そんなときは地元産の杉を利用した大屋根「川場ルーフ」を目指して。こちらにもたっぷりベンチが並んでいるのですから。とくに池を望むソファ席はリゾートっぽい雰囲気満点です。

ちなみに、寒さ厳しい冬が到来すると暖房完備のハウスがお目見え。川場の名物休憩所です。

冷水器の看板と冷水器

川場村のおいしい水がいただける

夏の熱中症対策として設置された冷水機ですが、今も冷たくてまろやかな水を無料で利用できるんです。これはうれしい。

ソリ遊び場の全景

子供たちに大人気のソリ遊びができるプレイゾーン

ファミリーの場合、遊び場だって大切な休憩場所です。

ソリや遊具で遊べて子供大歓喜の「プレイゾーン」(無料)、大人も子供も力いっぱい楽しめる「ネットアスレチック」(有料)、村内を一望できる展望台など、親子で楽しめるスポットが充実していることも道の駅 川場田園プラザが愛される理由。

ブルーベリー公園の入り口

7月上旬~8月上旬は無料でブルーベリーの摘み取り体験ができる

夏にはブルーベリー畑を無料開放していて、ブルーベリー摘みだって体験できます。管理している果樹園ではないのでタイミングによっては実がないこともありますが、みんなで分け合えばおいしさ倍増。

だからでしょう、一般的な道の駅の滞在時間は1時間ほどですが、道の駅 川場田園プラザでは2〜3時間滞在する人が珍しくありません。

攻略1 駐車場の混雑回避! どこが混んでてどこが空いてる?

道の駅の標識看板と駐車場と建物風景

ここからは大人気で混雑必至の道の駅 川場田園プラザの攻略法をご紹介。

冬は駐車場に余裕がありますが、基本的に駐車場(853台)は平日でも混雑しています。とくに朝7時からファーマーズマーケット前に行列ができる週末や連休は、人気の駐車場P1〜3が早朝に埋まります。

道の駅の駐車場マップ

道の駅 川場田園プラザの駐車場マップ

滞在時間が長いのでP1~3の空きを待つよりも、比較的ゆとりがあるP4、5にサッサと入庫しましょう。

もし駐車場の待ち時間が長引きそうなら、川場村役場の駐車場に止めてバスで道の駅 川場田園プラザに向かうという手も(徒歩なら15分)。時間の制約はありますが、P3で乗降できるので案外便利です。

攻略2 到着直後まず行くべきは「ファーマーズマーケット」

ファーマーズマーケット内観

道の駅 川場田園プラザを存分に楽しむためのコツを大塚さんにたずねてみました。

「何が目的か、どんなふうに楽しみたいかによって変わりますが、最初に訪れるべきなのはファーマーズマーケット」と断言。

ファーマーズマーケットの外観

地元農産物やお土産などが手に入るファーマーズマーケット

というのも、こちらの直売所は基本的に売り切れじまい。その日の朝に入荷したモノを並べ、その日のうちに売り切ります。

レトルトや缶詰、瓶詰めなどもあるので店自体は開いていますが、午後遅くには野菜や果物が品薄……というか、ほぼ空っぽになるのです。

ファーマーズマーケットのリンゴ売り場

取材で訪れた10月中旬は、シナノゴールドや紅玉などのリンゴを販売

9月~11月の時期に争奪戦となるのはリンゴ。重いので後から……なんて言わず、早めにキープするのもお約束。

12月~5月は群馬県のオリジナル品種「やよいひめ」のほか「紅ほっぺ」などのイチゴが人気です。

攻略3 オリジナル商品なら夕方でも買える! 売り切れ知らず!

午後遅めの来場ではファーマーズマーケットの棚はほぼ空っぽ。これからの季節は並ぶ野菜自体が少なくなります。

のむヨーグルトが並ぶ冷蔵ショーケース

オリジナルチーズが多数陳列されている冷蔵ケース

ファーマーズマーケットにもオリジナルチーズがたくさん並ぶ

でも、せっかく訪れた人たちに「期待外れ」と思われることのないよう、チーズやヨーグルト、ハム&ソーセージなど場内製造の製品は常時棚いっぱいに並んでいるんです。

お土産用のもつ煮パッケージの陳列

人気商品のひとつ、川場田園プラザのもつ煮込み

それに旬野菜がなくても、ファーマーズマーケットにはおトクなもつ煮込みや生産者・品種違いのリンゴジュース、川場村公認ジビエカレーなど、“おっ”と目を引く商品がそこかしこに。隠れた名品探しこそ、午後のファーマーズマーケットの楽しみです。

カワバプレミアの店舗外観と店内

贈り物探しにもおすすめのカワバプレミア

ちなみに、チーズやヨーグルトはカワバプレミアでも販売していて、価格は同じでも落ち着いた雰囲気。優雅に買い物できます。

ほかにも「ソフトクリームCOWBELL」では、のむヨーグルトを使ったソフトクリーム、道の駅には珍しく夜も営業している「地ビールレストラン武尊」(20時まで/ラストオーダー19時45分)では和豚もちぶた、赤城牛、武尊サーモンを味わえます。

旬野菜を買えなくても川場の自然を味わう術がある……控えめに言って最高です。

攻略4 目的別モデルコース! 混雑を避けて楽しもう!

道の駅内の案内標識

来場者の大半が目指すファーマーズマーケットは開店直後から午前中いっぱいまで混雑必至。平日でもすれ違いが難しいほどです。

14時を過ぎるとゆったり買い物できますが、その頃には野菜類の多くが完売。冬は午前中でも混雑とは無縁ですが、野菜類は品薄。野菜購入が主目的なら、混雑覚悟で午前中入店を目指すしかありません。

ただ、ヨーグルトやチーズ、ハム&ソーセージさえ買えればいいならファーマーズマーケットではなく、カワバプレミア(ヨーグルトだけなら「田園プラザベーカリー」も)へ行けば購入までの時間は大幅に短縮できます。時間のないときにおすすめ。

物産館の店内

「川場物産センター」でも地酒や川場村の特産品などを販売

これらを踏まえて大塚さんに道の駅 川場田園プラザを思いっきり楽しむためのモデルコースを教えてもらいました。

・モデルコース1(小さい子供と一緒なら)
ファーマーズマーケット→気になるフードを購入してランチ→プレイゾーン→おやつにソフトクリームやアップルパイ→ベーカリーで翌朝のパンを購入→お土産を買って帰宅

蕎麦店の外観

川場の名水と地粉を使ったこだわりのそばを味わえる「そば処虚空蔵(こくぞう)」

・モデルコース2
ファーマーズマーケット→「かわばんち」のおにぎりで遅めの朝食→場内散策&お土産探し→そばランチ→近くの日帰り温泉→帰宅

冬はスキー場帰りに立ち寄り、お土産探し→地ビールレストラン武尊で夕食→帰宅というプランも楽しそう。「川場スキー場」ならシーズン中、道の駅とシャトルバスで結ばれているので雪道運転が苦手な人も安心ですね。

道の駅 川場田園プラザは最高にして最強だった!

セルフレジコーナー

道の駅で初めてセルフレジを導入。混雑緩和に役立っています

珍しい野菜や旬野菜が目玉の道の駅 川場田園プラザですが、これらが売り切れても川場ならではの味覚を堪能できるし、高品質なオリジナル商品やめずらしい土産物を購入可能。休憩場所も充実していて運転の疲れなんて吹き飛びます。

道の駅 川場田園プラザは最強と呼ぶのにふさわしい施設でした。

※飲酒運転および20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。飲酒される方はハンドルキーパーの確保や運転代行を利用してください。

施設情報:道の駅 川場田園プラザ

住所:群馬県利根郡川場村萩室385
電話:0278-52-3711
駐車台数:853台
営業時間:ファーマーズマーケット/8時30分~18時(平日は9時~)・無休、カワバプレミア/9時30分~17時(平日は10時~)・水休、KAWABA CHEESE/平日11時~15時・土日祝10時~16時・木金休、ピッツェリア ラコルト/10時~16時・水休、そば処虚空蔵/11時~16時(平日は~15時)・木休、ミート工房(山賊焼コーナー)/10時~14時30分・火休ほか
道の駅 川場田園プラザウェブサイト

※営業時間、定休日は店舗によって異なり、また季節等によって変動する場合があります。ご利用の際は上記ウェブサイトでご確認ください。

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