軽キャンピングカーレンタル徹底ガイド! 予約の流れ・装備・出発準備を解説
大人2名の軽キャン車中泊旅・実体験レポート(1)軽キャンピングカーをレンタルして、大人ふたりで1泊2日の車中泊旅に挑戦。レンタル手順や車中泊スポットの選び方、快適な過ごし方まで、実際の体験をレポートします。第1部では、軽キャンピングカーの基礎知識、装備、料金、チェックポイントなどについて初心者向けに解説!
手軽に車中泊旅したいなら、レンタルそして軽キャンがいいかも!?
※写真はイメージです
準備も後片付けもテント泊よりも身軽なキャンピングカー旅が注目されています。
興味はあるけれど肝心のキャンピングカーがない、どうやって選べばいいのかわからないときに頼りになるのがレンタルキャンピングカー。なかでも軽キャンピングカーはリーズナブルに利用でき、シンプル装備ゆえ本当に自分が求める装備をイメージできます。
「そうは言っても、軽だと寝るのもくつろぐのも窮屈そう。本当は何人で利用できるの?」と不安に思う人も多いはず。
そんなキャンピングカー初心者のために、車中泊カーの取材が多いライターと助っ人スタッフが、1泊2日の軽キャン旅を敢行してきました。
そもそも軽キャンピングカーってどんなクルマ?
軽トラにキャビンを架装した軽キャブコン
軽バン、軽ワゴンがベースの軽バンコン
キャンピングカーは大きく分けてバンやワゴンの車内に宿泊のための機能を加えた「バンコン」(※1)と、ベース車両の上にキャビンを架装した「キャブコン」(※2)、そしてトラックの荷台に取り外し可能なシェルを載せた「トラキャン」(※3)の3種類があり、軽キャンピングカーはそれぞれのカテゴリーのベースが軽自動車。
※1 バンコン=バンコンバージョン
※2 キャブコン=キャブコンバージョン
※3 トラキャン=トラックキャンパー
もともとバンコンは装備を厳選したモデルが多いのですが、軽自動車ベースとなるとさらに空間が限られるのでキッチンなし、ベッドのみのシンプルな車中泊カーが主流です。
一方、キャブコンやトラキャンは全高を上げたりバンクベッドを作ったりして空間を広げられるので、その分装備は充実。
どれを選ぶかは旅のスタイルによりますが、今回は最もシンプルな軽バンコンを選択。ベッドやリビングのサイズ感、寝心地をチェックすると同時に、どんな機能があったらいいかを確認するためです。
レンタルしたのは軽バンがベースの車中泊カー
今回利用したのは福岡県に本店がある「バンライフレンタカー」のフランチャイズ店で軽キャンピングカー専門レンタカーの「オフィスアムズ」。
低山ハイク好きのタレント・松本明子さんが、もっと気軽に山に行けるようにと始めた事業で、現在はルーフトップテントを載せた軽バンコンを3台、軽トラの荷台にキャビンではなくテントを載せたバグトラ(※)を1台、合計4台の車中泊カーを保有しています。
※バグトラ=バグトラック
いずれも“手軽なベッド展開”にこだわった車両で、今回の軽キャン旅にぴったり。バックモニター付きドラレコ、冬はスタッドレスタイヤを装着していて追加料金なしで安全に旅ができるのもポイントです。
日産の軽バン・クリッパーがベースのクールライダー1号
これらの中からレンタルしたのは、日産の軽バン・クリッパーをベースに架装した「クールライダー1号」。軽自動車のカスタムを手がけるブローがアメリカンスクールバス風に仕上げたかわいい一台です。
決め手はサイドオーニングとルーフトップテントを装備していて、RVパークではのびのび過ごせること。
気心の知れたふたり旅ですが、本当に車内で2名就寝できるのかは未知数。いざというときは上下に分かれて眠れるほうが安心だと考えたからです。
後席とラゲッジにベッドマットを敷きつめれば就寝スペースに
セカンドシートを格納してフルフラットにして、その上にベッドマットを載せれば後部スペースが丸ごとベッドに変身。ベース車のクリッパーは荷室フロア長1800mm超、荷室幅1370mm。
キャンピングカーでは1800×500mmが大人1名分の就寝スペースとされているので、大人2名分が確保されています。
就寝時のプライバシー確保のためにもシェードを装着するのがおすすめ
シェードは寒さ、暑さに対応する断熱性の高いものを選ぼう
プライバシー確保と断熱効果を期待できるシェードは、前後と前席2面、スライドドア2面の計6枚が標準装備。荷室の窓は片方がキャビネットで隠され、もう片方はスモーク仕様に。
車内にはテーブルキャビネットも装備
調光できる女優ミラーライト付きテーブルキャビネット。シガーソケット、USBソケット、そして換気扇が装備されていてポータブル電源(有料)をつなげばエンジンを止めても使用OK。
車内後部空間の上部に設けられたルーフシェルフ
深めのルーフシェルフはブランケットなど軽くて嵩張るモノの収納にぴったり。小さいモノを置いた場合は、返却時に取り出し忘れないようにしましょう。
軽キャンピングカーのレンタル手順
オフィスアムズでのキャンピングカー予約方法は、大手レンタカーとほぼ同じ。
・ウェブサイトや電話、店舗で希望日の予約状況を確認
↓
・希望のプランやオプションを選択、料金を確認
↓
・貸渡約款、注意事項を確認 ※事前ではなく当日確認する場合あり
↓
・指定日までに支払い ※当日支払いの場合あり
↓
・当日は時間厳守で店舗、または指定駐車場へ
オフィスアムズの場合、電話や店舗での対応はなくウェブサイトでの予約のみですが、貸渡約款の確認を事前に行うのでじっくり読み込めるし、レンタル料は事前入金になるので、当日は現金を用意する必要はなし。キャッシュレス派も安心です。保険やキャンセル料金、予約日変更などの説明もウェブサイトにわかりやすく記されています。
キャンピングカーに触れる機会が多いふたりですが、キャンピングカーは車両によって装備が異なり、ベッド展開の手順もさまざま。いくら見慣れていても初めての車両は不安が尽きません。
都内には軽キャンピングカーをレンタルできる店舗がいくつかありますが、オフィスアムズでは予約案内メールのリンクから車両説明動画を視聴できる「QDS制度」(QDS=クイックデリバリーシステム)を採用。貸し出し当日はどうしてもわからないことだけを質問すればよく、出発までの時間を短縮できること、そして現地で操作方法がわからなくなっても動画で確認できるので、オフィスアムズを利用することにしました。
また、我々はキャンプ取材も多いので道具はすべてそろっていますが、キャンプ経験なしの人もいるでしょう。オフィスアムズでは調理器具やバーナーこそ扱っていませんが、寝袋や布団、マット、ポータブル電源など快適に眠るための道具を用意。追加料金はかかりますが、調理をせずに各地の食堂利用であれば、手ぶらで出発できるのも魅力のひとつです。
レンタル当日の流れ
レンタル車両とご対面
今回は指定された駐車場でオフィスアムズのスタッフ、廣田芳直さんと合流し、手続きを行います。
傷やへこみをくまなくチェック
車両の傷確認、注意事項の説明、免許証提示と貸渡証への署名など、合流から出発まで最短10分!
ちなみに今回は電車で指定駐車場に向かいましたが、オフィスアムズでは指定駐車場での受け渡しに限り、レンタカーと入れ替えてクルマを1台駐車OK。キャンプ道具など重いモノを持っていけるのはうれしいサービスです。
出発前に疑問点を解消
QDS制度で予習できますが、給油口と開閉スイッチはどこか、ETC機器の位置、カーナビの使い方など気になることは現地で再確認。
「寝るときにスマートキーでドアロックをした場合、内側から手でドアを開けるとセキュリティシステムが鳴り響きます。キーでロックしたら、キーで解除してください」というアドバイスも廣田さんからありました。
ルーフトップテントの開閉にはコツがいる。不安ならその場で確認を
サイドオーニングの展開・収納方法は動画で確認できましたが、クールライダーのルーフトップテントはレンタル前日に取り付けられたばかりでまだ動画がありません。駐車場でひと通りの手順を教えてもらい、不安なところは写真や動画で記録しておきます。
ちなみに、オーニングやテントが雨で濡れたままだと劣化が進みますが、オフィスアムズの場合は、返却時に完全に乾燥させなくても大丈夫とのこと。
この辺りの対応はレンタカー店によっても異なる場合があるので、事前に確認をしておきましょう。
スタッフ廣田さんに聞いたレンタル軽キャンパーのいいところ
「とにかく運転しやすいのが軽キャンピングカーのいいところ」と廣田さん
「ルーフトップテントを取り付けた車両はその分、全高が上がりますが、幅と長さは軽自動車のまま。運転しやすいと思います。利用料金もキャブコンやミニバンベースのバンコンよりもリーズナブルで気軽に借りられます」(廣田さん)
確かにキャブコンやバンコンは軽キャンピングカーよりも車内空間が広く、装備も充実していますが運転には気を使います。
キャンピングカーは架装した分だけ重量が増し、キャブコンやルーフトップテント装着車は重心が高くて急停車や急ハンドルは御法度。のんびり運転を心がけるのは同じですが、軽自動車ベースなら小回りが利くので、商店街や路地でも気負わず運転できます。
では装備はどうでしょう。装備を絞っていると不便なことも多いのでしょうか?
「冬は寝袋のほかに電気毛布とポータブル電源を用意すればある程度対応できます。夏は目的地によりますが、扇風機や後付けできる網戸があるといいですよ。でも真夏だと、車中泊時にクーラーが使えるキャンピングカーでないと厳しいかも」(廣田さん)
ポータブル電源は車中泊旅におすすめのアイテム
ポータブル電源やサブバッテリーは不可欠。
できれば夏の車中泊旅にはクーラー、冬のスキー場めぐりならFFヒーターを装備したキャンピングカーを選びたいところです。
では、装備を絞り、キッチンやトイレがない軽キャンピングカーは不便なだけかと言うとそうではありません。何と言っても片付けが簡単。
車内で調理はできませんが、そもそも室内用カセットガスコンロであっても、コンパクトな車内ではやけどや一酸化炭素中毒の危険と隣り合わせ。
よほど高性能な換気システムを搭載していない限り、車外でアウトドア用バーナーを使うか、ポータブル電源と低出力のIHクッキングヒーターを持ち込んで湯沸かしや簡単な調理を行うのが基本です。
目指すは長野・軽井沢! 軽キャンパーでいざ出発!
返却時の注意点も教わり出発準備完了
廣田さんに見送られ、軽井沢へ出発!
貸渡証の控えとキーを受け取ったらさっそく長野・軽井沢へ出発。
返却時にあわてずにすむよう周辺の交通事情やガソリンスタンドの場所なども教えてもらったので、あとはドライブを楽しむのみ!
軽井沢は都内からクルマで約3時間。日本有数の高原リゾートにはレトロな街並みや点在するミュージアム、そして豊かな自然など見どころ満載。ご当地スーパーでローカルの味を探すのも楽しみです。
●今回の軽キャンピングカーレンタル費用
・レンタル代(最初の24時間1万2540円、追加8時間9,680円) 2万2220円
・ポータブル電源レンタル代(1泊2日分) 4,400円
・免責補償代(2日分) 2,200円
合計 2万8820円
店舗紹介:オフィスアムズ(バンライフレンタカー東京杉並店)
住所:東京都杉並区方南2-5-11 方南町プラザ107
電話:03-5913-8166(平日9時~18時・水休)
料金(クールライダー1号の場合):
当日返却9時間8,778円~、24時間1万2540円~
※平日、休日、ハイシーズンの料金設定あり。レンタル車両により料金は異なります。
https://officeams.com/
大森弘恵
おおもり・ひろえ フリーランスのライター、編集者。主なテーマはアウトドアと旅で、ときどきキャンピングカーと料理の記事も。身軽なソロキャンプ歴は約40年、愛車はヤマハ・WR250R
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