車中泊の快適度が爆上がりする「カーサイドタープ」5選! 失敗しない選び方も
基礎知識から選び方、人気モデルまで徹底解説車中泊の快適度が劇的にアップする「カーサイドタープ」は、車外にリビングを追加できるお役立ちアイテム。けれど、どれを選べばいい? と迷う人も多いでしょう。そこで車中泊やキャンプに詳しいライターの大森弘恵さんが基礎知識やメリット・デメリットを徹底解説。注目の5モデルを厳選紹介します。あなたに最適なカーサイドタープを見つけましょう。
車中泊に「カーサイドタープ」って必要?
ロゴス neos Link PANELタープセット(サイドウォール付き)
「カーサイドタープ」はその名のとおり、クルマの横や後ろに張り出すタープのこと。
クルマの中で寝泊まりする車中泊ですが、ミニバンベースのバンコンなどコンパクトなクルマにこもるのはなかなか窮屈です。
施設によって異なりますが、オートキャンプ場の1区画は5〜10m四方、そしてRVパーク認定の基準はクルマ1台につき4×7m以上が目安とされています。
室内空間がダントツに広いogawaのカーサイドロッジ
クルマ1台分よりもゆとりがあるスペースが割り当てられるので、カーサイドタープを使えば日差しや雨の影響を受けず、自由に過ごせるスペースがいつもの倍にまで拡張できるというわけ(RVパークによってはカーサイドタープ使用不可の場合あり)。
とくに雨の日は、長靴の脱ぎ履きや濡れたバッグやコートの雨粒を払うスペースがあるとないとでは快適さが大違いです。
また、目隠し効果の高いカーサイドタープであれば、使ったテーブルやチェアは軽く畳んでタープ下に置いたまま就寝可能。密閉力のあるコンテナボックスに余ったBBQ用木炭や洗ったクッカー類を入れてタープ下に保管できるのも魅力です。
軽キャンピングカーのサイドオーニング
ちなみにカーサイドタープは、クルマやキャリアなどに取り付けられた「オーニング」に似ていますが、オーニングはクルマやキャリアに常設されていて、ユーザー自身の取り付け・取り外しが困難です。
カーサイドタープの基礎知識
種類
カーサイドタープの種類はおもに2タイプ。
屋根だけで壁のない「オープンタイプ」と三方向に壁ができる「シェルタータイプ」です。
夏の利用や軽快さを優先するならオープンタイプ、より快適性やプライベート感を重視するならシェルタータイプを選択するのがひとつの目安。
もっとも、1面でもウォール(壁)があれば周囲の視線が気にならなくなります。軽さとプライベート感を両立させたい人は、オプションが充実しているオープンタイプを選ぶのも手です。
取付方法
カーサイドタープ選びでは取り付け方法も大きなポイントとなります。
吸盤をクルマのボディに吸着させてフックを倒すだけで手軽に固定できる。写真はロゴス neos Link PANELタープセット(サイドウォール付き)
主流は吸盤付きのフックをクルマのルーフに取り付ける方法。クルマのルーフは思った以上に曲線や凹凸が多いので、吸盤取り付け位置を調整できるようカーサイドタープ側に複数のグロメット(ハトメ)を設けたものが多いようです。
レインガーターに固定するジョイント金具。写真はFIELDOORのカージョイント
ほかに、タイヤのホイールやキャリアなどに結びつけるベルト、レインガーター(雨どい)に取り付けるジョイント金具もあります。おもなメリット・デメリットは以下のとおり。
使っているうちに吸盤が利かなくなった場合は、別途張り綱を用意してクルマのルーフの上から反対側に渡し、ペグで固定するなど工夫が必要。張り綱が車体に当たる部分にタオルなどで養生する必要がありますが、確実にタープを押さえてくれます。
また、クルマで外出するときにはポールと張り綱があれば、カーサイドタープを自立させられます。中は丸見えですが、いちいちカーサイドタープを畳む必要がないので、追加ポールと張り綱は用意して損はありません。
サイズ選び
ogawa カーサイドシェルターIIをハイエース(左)、エブリイワゴン(右)に接続した例
カーサイドタープの多くが、車高1.7〜2mのミニバンを想定したサイズになっています。車高2m以上のハイルーフ車でも取り付けられないことはありませんが、裾が浮くなど不具合も。ハイルーフ用と明記しているものを選ぶと安心です。
また、軽自動車の場合、カーサイドタープの幅がクルマのルーフからはみ出ることがあります。これも購入前にチェックしたいポイントです。
注意点
カーサイドタープの設営は許可されている場所で!
カーサイドタープは、ポールの代わりにクルマで幕を支えるので、設営後にクルマで出かけるときはちょっと面倒です。
それにシェルタータイプのカーサイドタープは、全閉できるように思えますが、車体の下(タイヤとタイヤの間)から風や虫は入ってきます。夏は虫よけ、冬はひざ掛けを用意しましょう。
テントやタープ同様に、カーサイドタープ内での火器使用は禁止されていることも注意したいことのひとつです。
また、クルマをタープ設営時のポールの代わりとするので、車体を傷つける危険はゼロではありません。取り付け面をきれいにするのはもちろん、風があるときは撤収する、就寝前には低くして張り綱を再確認するといった対策は不可欠です。
なお、カーサイドタープを展開できるのは、おもにオートキャンプ場やRVパークなど。道の駅や駐車場での使用は原則禁止です。
RVパークも「テーブルは出してもいいけれどカーサイドタープは禁止」、「そもそも車外で過ごすのはダメ」、「単独タープは不可」、「テントとみなされるシェルタータイプはNG」など施設によって条件が異なります。利用する施設への確認をお忘れなく。
ogawa カーサイドシェルターII
▶ライター大森のイチオシポイント
RVパークで使いやすいサイズ! 気候に応じたアレンジもお手の物
テントの老舗・ogawaはカーサイドタープも豊富にラインアップ。なかでも「カーサイドシェルターⅡ」は、奥行き約247cmでRVパークの区画に収まりやすいサイズです。
季節や天候などによってさまざまなスタイルに対応
テーブルやチェアを置いてもくつろげるゆとりが十分ある
両サイドは全開、全閉、ドアタイプの出入り口のみ開放など、いろいろなスタイルにできるのも優秀。大きめのメッシュ窓やトリプルファスナーなど気候に応じてアレンジしやすくなっているのもさすが。
張り綱用ループで風対策ができる
張り綱用のループはフレームに巻き付けてからペグダウンするタイプで、風によるブレも少なめです。
焚き火をすることが多い人は少し重くなりますが「カーサイドシェルターT/C」(63,800円)という選択肢も。
クルマへ取り付けるグロメットとグロメットの間は90/110/130/175cmで、軽バンからミニバンまで多様なクルマに取り付けOKです。
【スペック】
使用時サイズ(約):幅285×奥行247×高さ210cm
収納サイズ(約):68×18×18cm
重量(約):3.55㎏+付属品0.96㎏
耐水圧:1,800mm
クルマとの接続:吸盤式フック
付属品:タープ用吸盤×2、アンカーバッグ×2、張り綱、ハンマー、スチールピン、収納袋
価格:46,200円
ogawa製品ページ
ロゴス neos Link PANELタープセット(サイドウォール付き)
▶ライター大森のイチオシポイント
雨に強いパネルルーフとサイドウォールで快適性アップ
独自の“パネルルーフ”を採用したカーサイドタープ。タープのルーフ部分を2本のポールで持ち上げているため雨水がたまることなし。ルーフ中央のフックに1kg以下のランタンを吊り下げられるのもパネルルーフならではの特徴です。
1㎏までのランタンを吊り下げられる
オープンタイプですが、遮光サイドウォールが1枚標準装備されていて、3面のどの面でも取り付けOK。プライベート感を高めるほか西日対策も万全です。
クルマとの接続は付属の吸盤式ジョイントで
また、サイドウォールを斜め下に伸ばす“よしずスタイル”にすると、サイドの圧迫感も低減できます。
なお、ロゴス製のテントやタープは米国の難燃基準CPAI-84をクリアしていて、万一、火の粉に触れても燃え広がりにくいのも頼りになります。
【スペック】
使用時サイズ(約):幅220×奥行220×高さ235cm
収納サイズ(約):16×16×60cm
総重量(約):4.8㎏
耐水圧:1,800mm
クルマとの接続:吸盤式フック
付属品:キャノピーポール×2、吸盤式フック×2、コードロック付き固定ロープ×8、ペグ×7、ロープ6m×2、ハンマー、収納バッグ、フレーム用収納袋、小物袋
価格:21,780円
ロゴス製品ページ
FIELDOOR カーサイドタープ
▶ライター大森のイチオシポイント
遮光PUコーティング加工で遮熱効果抜群
オープンタイプだけれど、サイドウォールなしでもプライベート感を確保できるカーサイドタープ。ベンチレーションを搭載しているので適度に風が抜け、あおりを低減できるのもポイントです。
クルマのサイズに合わせて吸盤フックの取り付け位置を選べる
グロメット間は140/160/180/200cmの4サイズで、クルマのサイドはもちろん、バックドアへの取り付けにも対応。
ポールを追加すればアレンジの幅が広がる
さらに別売ポールを2本使って地面側を持ち上げれば開放的な屋根になるなど、多彩な設営が魅力です。
レインガーターに取り付けてクルマとタープを接続できる「カージョイント」(2個セット2,500円)もラインアップ
遮光PUコーティング生地を採用していて、国内機関の試験によると、コーティングなしの生地に比べて最大11.9℃の差が確認できたそう。涼しく過ごせるイマドキ仕様です。
【スペック】
使用時サイズ(約):幅220/250×奥行350cm
収納サイズ(約):13×13×55cm
総重量(約):3.1㎏
耐水圧:16,000mm
クルマとの接続:吸盤式フック
付属品:吸盤フック×2、ペグ×4、ポール×2、ロープ×4、専用収納バッグ
価格:7,920円
FIELDOOR製品ページ
DOD カートゥギャザータープ
▶ライター大森のイチオシポイント
キャンプも車中泊もどっちも楽しみたい人向き
軽バンなどルーフが短いクルマやバックドアに取り付けやすい短辺(200cm)と、ミニバンのサイドをすっぽり覆う長辺(300cm)をもつ変形ヘキサタープ。
ホイールのディスク形状によってはベルトを通せないこともあるので要注意
クルマへの取り付けは吸盤フックではなく、バックル付きのベルトを使ってタイヤのホイールに固定するので安定感が違います。車体に触れる場所を保護できるパッド付きなのも気が利いています。
レインガーターに取り付けるクルマ接続用フック「クルマッチ」(別売り・2個セット参考価格3,400円)でタープを接続することもできる
ポールとペグは付属していませんが、ポールの数によってアレンジOK。もちろんタープ単独での使用も可能なので、キャンプ場利用が多い人にピッタリのカーサイドタープです。
【スペック】
生地サイズ(約):幅450×奥行400cm
収納サイズ(約):15×15×51cm
総重量(約):2.3㎏
耐水圧:3,000mm
クルマとの接続:ベルト
付属品:ロープ4m×4、ロープ2.4m×2、キャリーバッグ、接続用ベルト×2、保護パッド×4
価格:16,500円
DOD製品ページ
ogawa カーサイドロッジ
▶ライター大森のイチオシポイント
自立して独立利用も可能なロッジ型! 連泊が快適
フレームの外側に幕を張り出してクルマとの隙間を埋める、雨風が幕の中にまで入りにくい仕様。結露や温度上昇を低減するライナーシート付属だし、メッシュ窓から日差しや雨が入り込みにくいひさしなど細部にまでこだわり抜いています。
パネルの開放や跳ね上げなど多彩なアレンジが可能
手持ちのポールを追加してサイドを跳ね上げれば、リビング拡張OK。
カーサイドシェルターの多くはクルマ側にパネルはありませんが、カーサイドロッジはクルマ側にもパネル付き! 下からの隙間風を気にせずにすむので秋冬も快適に過ごせます。
単独使用する際は、クルマとの接続部をポールで立ち上げればOK
このパネルはファスナーで閉じられるので、荷物を置いたまま外出できるなどテント的な使い方だって可能です。
中心のグロメットから両側に55/65/75/99cmの場所にフック用グロメットがあります。
【スペック】
使用時サイズ(約):幅310×奥行230×高さ208cm
収納サイズ(約):82×28×40cm
総重量(約):15.6㎏+付属品2.44㎏
耐水圧:1,800mm
クルマとの接続:吸盤式フック
付属品:ライナーシート、タープ用吸盤×2、張り綱3m×4、アイアンハンマー、スチールピン25cm×15、収納袋
価格:104,500円
ogawa製品ページ
車中泊旅にあるとうれしいカーサイドタープ
DOD カートゥギャザータープ
使用場所は限られますが、カーサイドタープを用いるとくつろげる場所が増えてのびのび過ごせます。ドライブ+仮眠には不要ですが、観光やアクティビティの拠点として腰を据える車中泊にカーサイドタープを取り入れると快適度が増すので、自分にとって扱いやすいカーサイドタープを手に入れてはどうでしょう。
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