【車中泊】小型ポタ電の“進化”がすごい!容量違うのにパワー同等の3モデル徹底調査&選び方ガイド
小さくてパワフルが車中泊の大正解!最新ポータブル電源3モデルを比較解説車中泊の必需品、ポータブル電源が進化中! 最近は小型化・軽量化に加え、定格出力が強化された製品も続々登場しています。そこで、車中泊にちょうどいい“10kg以下&1,000Wh以下”から、定格出力は同等でも容量の異なる最新3モデルを厳選。アウトドアライター・大森弘恵さんが徹底チェックするとともに、あなたに合う1台が見つかる「失敗しない選び方」も紹介!
ポータブル電源の最新トレンドは、小型&定格出力アップ!
ポータブル電源の進化が止まりません。
たとえばEcoFlow(エコフロー) 「DELTA 3 Max」は「DELTA 2 Max」から重量2.7kg減、Jackery(ジャクリ)「ポータブル電源 1500 New」は旧モデルにくらべてサイズが44%、重量は15%削減されたと明記されています。
最新モデルはバッテリー技術の進化とともに、同じバッテリー容量でも10〜15%ほど軽く、サイズも30%以上コンパクトになっているのです。車中泊カーはもちろん家庭でも置き場所に困ると敬遠されていた1,500Wh以上の大容量モデルも現実的になりました。
ただし、断熱性が低い車内には置きっぱなしにできませんし、充電のためにも自宅に持ち帰る必要があります。15kg以上あるものをラゲッジに上げ下げするのは大変。
結局、車中泊で扱いやすいのは重量10kg以下で容量1,000Wh以下のポータブル電源なのです。
BLUETTI(ブルーティ)の「AORA 30 V2」は重量約4.3㎏。容量288Whだが、定格出力600W、瞬間最大出力1500Wとパワフル
その容量1,000Wh以下のコンパクト帯で、著しく進化しているのが300Whクラス。 これまでこのクラスは定格出力300W前後が主流でしたが、最近は大幅アップした500〜600Wモデルが続々登場しており、電気毛布や扇風機はもちろん、一部の電気ケトルやIHの利用も可能。重量も3〜4kgで軽快に持ち運べます。価格だって手頃。
けれども300Whクラスでは容量的に、電気毛布や扇風機を一晩中動かすという使い方には不向きです。
600Whクラス以上あれば電気毛布1枚を一晩使っても電力は余り、800Whクラスなら2枚利用も可能。このクラスも重量10kg以下で、車内での置き場所にも困りません。
容量違いの3タイプ、その実力は? 最新コンパクトポータブル電源を徹底チェック
近年のポータブル電源業界は、エコフロー「オルタネーターチャージャー」を皮切りに、ブルーティ「Charger」シリーズ、ジャクリ「ドライブチャージャー」と人気ブランドが続々と走行充電器を発表しています。
これらに対応する製品であれば、2泊以上の車中泊旅でも充電の不安を低減できます。
そこで上記3ブランドが2025年夏以降に発売した最新モデルをピックアップ。容量違いの3モデルを比較調査してみました。
| EcoFlow DELTA 3 1000 Air | Jackery ポータブル電源 600 New | BLUETTI AORA 30 V2 | |
| 容量(Wh) | 960Wh | 640Wh | 288Wh |
| 定格出力 | 500W | 500W | 600W |
| 瞬間最大出力 | 1,000W | 1,000W | 1,500W |
| サイズ(約) | 22.0 × 22.3 × 26.3cm | 31.1 × 20.5 × 15.7cm | 25 × 17.8 × 16.75cm |
| 重量(約) | 10kg | 6.4㎏ | 4.3㎏ |
| 価格(税込) | ¥87,700 | ¥86,000 | ¥39,800 |
じつはこの3モデル、それぞれ容量は違えど定格出力は同等。ということで、各モデルの特徴を解説するとともに、寒い時期の車中泊に欠かせない電気毛布(消費電力40W)と携帯用電気ケトル(消費電力400W/沸騰時間は600mlで約8分)がどの程度使えるかもチェックしました。
車中泊のポタ電選び、押さえておきたい3つのワード
3モデルの実力をチェックする前に、覚えておきたいワードが「容量」「定格出力」「瞬間最大出力」の3点です。
容量( Wh )=バッテリーに蓄える電力量。単位は電力(W)に時間(h)をかけた「Wh」で表示されます。
定格出力( W )=安定して出し続けられる電力のこと。この数値よりも大きい消費電力の家電は稼働し続けることができません。
瞬間最大出力( W )=ごく短時間だけ供給できる最大の電力(サージ出力のこと。起動時のみ消費電力が大きくなる家電に対応します。
この3ワードを押さえつつ、後述の「ポータブル電源選び7つのステップ」を確認していけば、間違いのないポータブル電源にたどり着けます。
EcoFlow DELTA 3 1000 Air
エコフロー デルタ3 1000エアー
横置き・堅牢&保護機能・電源自動切り替えを搭載した優等生
「DELTA 2」は容量1,024Whで12kgでしたが、「DELTA3 1000 Air」は容量960Whで重量約10kg。軽くなったこともあり、持ち手は後部の1か所。フラットなデザインとなって置き場所の自由度が高まっています。
難燃素材の採用、防湿・防食性能といった堅牢設計、加熱や過負荷を防止する保護機能も万全です。
また、出力用のコンセントは本体下部。床置きだと使いづらいのですが、「DELTA3 1000 Air」は背面に吸排気口がなく横置き(背面を床につける)ができるんです。これ、スゴイ。
充電はACコンセント、シガーソケット、ソーラーパネル、走行充電「オルタネーターチャージャー」の4種類に対応
充電のための入力ポートは本体左側、排気口が右側なので、両側に空間が必要です。
容量については、2枚の電気毛布を一晩(8時間)使っても、携帯用電気ケトル(消費電力400W)を2〜3回動かせる計算です。
うれしいのはエコフロー独自のX-Boost機能(家電の電圧を下げて家電を動かす)を使えば定格出力500Wのところ、最大800Wの家電に対応。時間はかかりますが、わずかに消費電力が上回る600Wのケトルでも湯沸かしできます。
ポータブル電源の左は走行充電器「オルタネーターチャージャー600」(写真左/70,000円)
また、ACでは2.7時間、「オルタネーターチャージャー」なら最短2.1時間で満充電が完了するのも大きな魅力です。
停電時は0.02秒未満で切り替えられる電源自動切り替え機能を搭載。ほかにもアプリでの制御やバッテリー残量確認、充電スピード設定にも対応していて抜かりなし。ポータブル電源の優等生です。
エコフローアプリと連携すればスムーズに操作可能
<スペック>
電池容量:960Wh
定格出力:500W
瞬間最大出力:1000W
使用バッテリー:リン酸鉄リチウムイオン(LFP)
充電時間:約2.7時間(AC:500W)
バッテリーサイクル数:3,000回
パススルー機能:対応
本体サイズ:22.0 × 22.3 × 26.3cm
本体重量:約10㎏
価格:87,700円
EcoFlow製品ページ
Jackery ポータブル電源 600 New
ジャクリ ポータブル電源 600 ニュー
小型でバランスよし! 万一に備えた機能が優秀
500Whクラス最小・最軽量だと評判の「500 New」のサイズ感はそのまま、バッテリー容量が25%アップ。重量もわずか6.4kgで、片手で持てます。
ハンドルを倒せば天面はフラットになるので、ベンチの下やラックの隙間にだって収納OK。入力ポートは本体右側。吸排気口は両側面なので、背面を壁にピタッとくっつけて設置できます。
気になる容量ですが、640Whなら1枚の電気毛布を一晩使えるほか、携帯用電気ケトル(消費電力400W)で2〜3回沸騰させられるのでソロの車中泊旅にぴったり。
ワンタッチで操作できる省エネモードボタン。電源の消し忘れの心配なし
うれしいことに低出力状態が6時間続くとオフにできる「省エネモード」の設定もスライドボタンひとつ。手間なく無駄な放電を防げます。
USB-A(最大18W)、USB-Cポートは最大100Wと30Wの2口。スマホなどへの急速充電にも対応しています。
一般的なシガーソケット出力の6倍以上の急速充電が可能な「ドライブチャージャー」(66,000円)
ポータブル電源への充電はACで1.7時間。ジャクリ製走行充電器「ドライブチャージャー」にも対応していて、電気を使い切っても帰宅中にフル充電(約1.5時間※推定値)となります。電力不足となる時間が少なく、停電時に0.01秒以内に切り替わるUPS機能も付いていて防災アイテムとしてかなり優秀です。
<スペック>
電池容量:640Wh
定格出力:500W
瞬間最大出力:1,000W
使用バッテリー:リン酸鉄リチウムイオン(LFP)
充電時間:約1.7時間
バッテリーサイクル数:6,000回
パススルー機能:対応
本体サイズ:約31.1×20.5×15.7cm
本体重量:約6.4㎏
価格:86,000円
Jackery製品ページ
BLUETTI AORA 30 V2
ブルーティ アオラ 30 V2
小さいけれど実力派! 季節や人数によって増減しよう
かわいい4色から選べる小さなポータブル電源。重量は4.3kgで一体型のハンドルを持って気軽に持ち運べます。入力ポートは本体右側、吸排気口は両側面に位置しています。背面には吸排気口もポートもないので、ソロ車中泊なら助手席に置いておくなんてことも可能です。
難燃素材の外装、耐熱性や耐衝撃性の高さも見逃せません。
容量は288Whで電気毛布の利用は5.5時間ほど、携帯用電気ケトル(消費電力400W)なら2回湯沸かしができる計算です。少々頼りなく感じますが、2台用意すれば容量は倍。天面がフラットなので2台重ね置きすれば場所を取りません。
また、「電力リフト機能」を搭載しているので最大1,500Wの家電を動かせます。
たとえば、1Lの水を5分で沸騰させる消費電力1,000Wの電気ケトルを、電力リフト機能を利用して動かした場合、パワーが落ちるので湯が沸くまでに倍ほどの時間がかかるし、気温など環境によっては沸騰に至らないこともあるかもしれません。それでもいざというときには頼りになる!
操作パネルの表記が日本語でわかりやすいのもポイント
また、「AORA 30 V2」に搭載されているUSB-Cポートは2口で100Wと140W! スマホやカメラなどを急速充電できるのが便利です。USB-Aポートも2口(どちらも15W)あり幅広いコードレス製品に対応するなどかなりの実力派。
2025年12月には最新の走行充電器「Charger 2」(131,600円)がリリース。従来のシガーソケット充電と比べて約13倍となる最大1,200Wの高出力でポータブル電源を充電でき、従来なら10時間以上かかっていた1,000Wh級のモデルでも、わずか1時間の走行でフル充電が完了
もちろんブルーティの走行充電器「Charger」シリーズに対応していて、「Charger 1」「Charger 2」ともに充電時間は2時間ほど。AC充電は約70分。
0.01秒以内の電力自動切り替え機能付きでもあります。
<スペック>
電池容量:288Wh
定格出力:600W
瞬間最大出力:1,500W
使用バッテリー:リン酸鉄リチウムイオン
満充電までの時間:約70分
バッテリーサイクル数:3,000回以上
パススルー機能:対応
本体サイズ:約25×17.8×16.75cm
本体重量:約4.3㎏
価格:39,800円
BLUETTI製品ページ
1泊2日の車中泊なら、この使い方が正解!?
容量の異なる3モデルのポータブル電源。1泊2日の車中泊なら次のような使い方ができそうです。
・EcoFlow DELTA 3 1000 Air(960Wh):つけっぱなしにするポータブル冷蔵庫(55W)と電気毛布1枚の稼働にぴったり
・Jackery
ポータブル電源 600 New(640Wh):低消費の季節家電(電気毛布や扇風機)と短時間利用の携帯用電気ケトルを使え、ソロ旅にちょうどいい
・BLUETTI AORA 30 V2(288Wh):コードレス製品の充電向き。季節家電を使用するなら人数分の台数をプラスして対応。コンパクトなので中容量と併用するのも◎
コンパクトなボディには各社のこだわりがギッチリ。つい大容量モデルが正義だと思ってしまいますが、車中泊スタイルによっては小容量で十分な場合もあります。
ポータブル電源購入前に、いま一度、どんな車中泊を目指すのか見直してみましょう。
自分にぴったりのモデルは? ポータブル電源選び7つのステップ
自分の車中泊スタイルに最適なポータブル電源を知るためには、下で紹介する7つのステップをチェック。快適に使うためのポイントなど7つの項目を確認し、間違いのないポータブル電源を選びましょう。
1.家電の使用時間から、ポータブル電源に「必要な容量」を計算
使いたい家電の消費電力(W
)
×
使用時間(
h
)
複数の家電を使う場合は、それぞれの家電ごとに計算します。
例:電気毛布(40W)を8時間使用する場合、
40×8=320Wh
320Whが確保すべき容量。
2.ポータブル電源の「実質容量」を計算しよう
ポータブル電源
容量(
Wh
)×
0.8
ポータブル電源の電池の直流(DC)を家電が使える交流(AC)に変換するときに電力ロスが発生するため、それを考慮して「1」ではなく「0.8」を掛けます。
例:使用したいポータブル電源が容量640Whの場合、
640×0.8=512Wh
つまり、容量640Whでも実際に使用できるのは512Whとなります。
3.「必要な容量」と「実質容量」を比べてみよう
①の合計<②の数値となる製品をピックアップ
少し余裕のある製品を選択すると安心です。
320Wh(電気毛布8時間稼働に必要な電力量)<
512Wh(ポタ電の実質容量)
容量640Whのポタ電なら使用OK。
なお、ポータブル電源のなかには出力時の波形が矩形波や修正正弦波のものがあり、パソコンや電気ポット、扇風機を動かさない方がいいとされています。
今回ご紹介したポータブル電源のように、幅広い家電に対応する「正弦波」であることもチェックしておきましょう。
4.使いたい家電の「消費電力(W)」を確認
③で家電よりもポタ電の容量(Wh)が上回っていても、ポータブル電源の定格出力(W)が家電の消費電力以上でなければ、家電を動かすことができません。
家電の「定格消費電力」は、家電を安定して動かせる電力のこと。家電を2台以上同時に使う予定であれば、その合計も計算します。
起動時のみ消費電力が大きくなるものもあるので、「瞬間消費電力」もチェック。
5.ポータブル電源の「定格出力(W)」が家電の「消費電力(W)」より大きいものに絞る
ポータブル電源の定格出力と家電の定格消費電力を比較しますが、瞬間消費電力が大きな家電はポータブル電源の瞬間最大出力(サージ出力)より下回っていることをチェック。
なお、ポータブル電源によっては、家電の電圧を下げて消費電力を定格出力内に抑える機能を搭載しているものもあります。
例:ポータブル電源の定格出力500W、最大瞬間出力1,000Wの場合
・製品A(定格消費電力400W、瞬間消費電力600W)→使用できる
・製品B(定格消費電力400W、瞬間消費電力1,200W)→使用できない
6.置きたい場所に収まる「サイズとデザイン」を確認
最近はハンドル形状に工夫を凝らし、狭い場所にも置きやすくなっています。ただし、吸排気口の位置には注意。
また、床置きなら本体の上のほうに出力ポートがあると使いやすいし、棚に置くなら前面の配置が便利。入力ポートの位置や充電ケーブルの形状も確認しておきたいところ。
7.「付加価値」をチェック
自宅の外に持ち出すので耐衝撃性、防塵性、防水性があると安心です。
また、防災目的であれば、電源自動切り替え機能が有効。コンセントにつないだポータブル電源に家電をつなげておけば、通常はコンセントから直接家電を充電し、停電時にポータブル電源からの充電に切り換えるというもので、パススルー充電(ポータブル電源を充電しながら家電に給電)よりもバッテリーへの負担が低く劣化しづらい機能です。
また、10年後、不要になったバッテリーを引き取ってくれるメーカーであることも重要なポイントと言えるでしょう。
現行の主要なポータブル電源は、安全性が高く、比較的低温や高温に強い「リン酸鉄」リチウムイオン電池が採用されています。自己放電率(使わずに放置したときに電力が減る割合)が低く、寿命も従来主流だった「三元系」の倍以上。使い方によりますが、単純計算で10年ほど使えると言われています。
10年使うものだから、納得いくものを選びたいですね。
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