最強キャンピングカー「キャブコン」って何が付いてる?“住める”装備を写真で解説
ベッド、キッチン、電源、収納から運転の注意点、免許の話まで、キャブコンのリアル
キャブコンが“走る別荘”と呼ばれるのには理由があった! 今回はバンテック社の人気モデル「コルド・リーブス」を実車取材し、ベッド、リビング、キッチンなどの内装設備から機能的な外装装備、運転時の注意点や免許のことまで写真付きで徹底解説。キャンピングカーライター伴 隆之氏が、その快適性と使い勝手をプロ目線で読み解きます。
くつろぎ度は別格! “走る別荘”キャブコンを徹底解説!
キャンピングカー界の花形で、“走る別荘”とも称される「キャブコン」。車内には寝室、リビング、キッチンなどがそろい、旅先でも自宅と同じような感覚でくつろげるのが魅力です。
なぜそこまで快適なのか? どんな装備が備わっているのか? 今回はバンテック社のキャブコン「コルドリーブス」に実際に乗り、外装から内装、運転のポイントまでを徹底チェック。写真とともにその実力をじっくり解説します。
キャブコンの外装装備をチェック!車中泊旅を快適にする便利装備
まずはキャブコンの外装からチェックしていきましょう。自宅にもあるような装備に加え、キャンピングカーならではの便利な装備や機能が数多く備わっています。
玄関(エントランス)
家でいうところの玄関であるエントランス。シェルと呼ばれる居住部分にあり、位置はキャブコンの室内レイアウトにより異なります。
扉には窓やゴミ箱が装備されていたり、写真のように網戸が備わるものも。網戸があれば通気や換気だけでなく虫の侵入も防いでくれます。
車内に入る際に役立つのがステップ。電動または手動で出し入れする
多くのモデルがエントランス脇にシューズボックスを装備
ステップや上がり框(かまち)、シューズボックスなどが備わっているほか、網戸付きのモデルも多く、ドアを開けて換気ができるようになっています。
窓
シェルには家と同じように窓が装備されていますが、ガラスではなくアクリル二重窓を採用していることがほとんど。
開閉ができるのはもちろんのこと、室内側には網戸やシェードが内蔵されており、虫の侵入を防止できるだけでなく、日差しのカットやプライバシー保護ができるという優れもの。
アクリル二重窓の室内側。網戸やシェードが備わるものが多く、通気、虫の侵入防止、遮光・プライバシー保護にも効果的
アクリル二重窓はガラスよりも軽量かつ耐久性が高く、万が一の事故などの際でも飛び散らないのが特徴。さらに二重構造によりガラスよりも断熱性が優れ、結露がしにくくなっています。
バンク
運転席と助手席部分であるキャブ(キャビン)の上部には、シェルから飛び出している「バンク」と呼ばれる部分があります。
ここは車両によって異なりますが、就寝スペースだったり、荷物置き場になっています。バンク部分を就寝スペースにする場合は、採光のための窓を装備しているモデルが多くなっています。
車外から使えるキャンピングカーならではの便利装備
ほかにも、車外から車内に荷物を収納するための外部収納扉や、ホースで水を車内に引き込むための給水栓、AC電源ケーブルを車内へと接続するための受け口となるパワーインレットなどがあります。こうしたアイテムは一般的な乗用車にはない、キャンピングカーならではの装備といえるでしょう。
給水栓
キッチンやシャワーなどの水まわりに欠かせない給水タンクをいちいち持ち出さずに、ホースからダイレクトに給水するための装備。
パワーインレット
RVパークやキャンプ場の電源付きサイトなどで、外部からACを給電するためのパワーインレット。コードの着脱もワンタッチで楽々。
給油口
給油口はサイドスカート内にあるためスカートを持ち上げたり、付属の窓を開けて給油を行います。
キャブコンの内装装備を徹底解剖!“走る別荘”と呼ばれる理由
ここからは、キャブコンが“走る別荘”と呼ばれるのに大きなかかわりをもつ、室内装備を紹介。就寝スペース、リビング&電装・空調設備、キッチン、収納、トイレという5つの視点から、写真とともに解説します。
就寝スペース:快適就寝できる数種類のベッドを装備!
コルドリーブスの場合、リビングスペースの背もたれを利用して写真のようなダイネットベッドに展開が可能
就寝スペースには、運転席上部のバンクベッド、リビングのテーブルや固定シートを展開して作るダイネットベッドのほか、モデルによっては常設ベッドも搭載されています(コルドリーブスは常設ベッドなし)
バンク部分をベッド展開することで大人数での就寝にも対応
兄弟モデルのコルドバンクスでは、リビング後部に常設2段ベッドを搭載。4人利用であれば2段ベッドとバンクベッドで就寝できるので、リビングをそのまま使える
利用する人数でモデル選びは大きく異なりますが、2人旅だったらバンクベッドや常設ベッドを利用し、リビングスペースはベッド展開する手間もなく使えるようになっています。
リビング:立って歩けてノンストレスな室内高と空調&電気装備
リビング(ダイネット)はテーブルとシートで構成されるのが基本。ここは夫婦や家族でくつろいだり、食事をしたり、さらには就寝スペースにもなります。
シートには移動時でも使えるようシートベルトが装備されているものもあります。
ワンボックスカーのキャンピングカーと比べて、立ったまま移動ができる室内高がキャブコンの魅力。開放的な空間でゆったりと過ごせるのはキャブコンの大きな特徴です。
エアコン
キャブコンの多くは家庭用エアコンのインストールが可能。電源は外部から取り込むか、サブバッテリーを利用します。サブバッテリーで稼働する場合、利用時間などに応じて電装システムを構築する必要も。
FF
ヒーター
エンジンを稼働させることなく利用できる燃焼式の暖房機器。キャンピングカーでは人気の装備。写真はFFヒーターの温風吹き出し口で、足元近くに設置。本体はシート下など目につかないところに組み込まれています。
就寝スペースやキッチンなどに使われることの多いスポットライト。読書灯などに用いられることが多い
照明
近年ではLED照明が一般化しており、モデルによって調光・調色が行えるものも。夜は車内の雰囲気もグッと変化します。
電装システム
車内で生活する際の電力を賄うサブバッテリー。サブバッテリーの電気は直流(DC)なので、家電製品を利用するために交流(AC)に変換するためにインバーターと呼ばれる電力変換装置が必要。
さらに、サブバッテリーを充電するために必要なのが、走行充電器やソーラー充電器などの充電システム。また、サブバッテリーの残量や使用電力を確認するためのバッテリーモニターも搭載。これらをまとめて、電装システムと呼んでいます。
ベンチレーション
換気扇のことで、英語でベントとは通気孔を意味します。これを天井や壁、窓などに取り付ければ、車内に籠もった熱気やニオイを外へ排出できます。ベンチレーションによっては排気だけでなく、外気を車内へと吸気できる切り替えタイプ式モデルもあります。
キッチン:コンロ、シンク、冷蔵庫、電子レンジもそろう“自宅レベル”の車内キッチン
コルドリーブスの場合、リアエントランスを採用しておりキッチンも後方に配置
キャブコンのキッチンには家具に内蔵された大型の冷蔵庫をはじめ、シンクやコンロといった家のような装備が施されています。
シンクには給水のためのタンクと排水のためのタンクがあり、給水タンクには蛇口から吐水できるようモーターが付属。コンロは手に入れやすいカセットガスを採用しているものと、LPGボンベを積載して使用するモデルもあります。
LPGの方が容量が多いのものの、その充てんを断られる場合もありましたが、現在はガスの基本や安全に係る一定の知識や技量に関する講習を修了し、LPガスの販売契約を締結したLPガス販売事業者の確認を受ければ、充てんも可能になっています。ただ、カセットガスのほうが手に入れやすいのが実情です。
コンロ・シンク
調理に欠かせないコンロをはじめ、シンクや蛇口も備わり家のような使い勝手。フタ部分を閉じれば、天板部分を使って調理準備も行えます。
コンロは備え付けタイプのほか、カセットコンロの場合もあります。
冷蔵庫
家具内に収まる冷蔵庫は冷蔵のみならず冷凍庫を装備するものも。容量だけでなく消費電力などもモデルによって異なります。
電子レンジ
旅先で見つけた総菜や弁当を温めるのに便利な電子レンジ。モデルにより標準で装備するものも。装備していれば食のバリエーションがぐっと広がります。
収納:家族の荷物がすっきり収まる余裕のストレージ
キャブコンの場合、リビングのシート下に収納があるほか、リビングやキッチン上部に収納棚を備えているモデルがほとんど。さらに、常設ベッドがあるモデルならベッドやベッド下を収納スペースとしても利用ができます。
また、キッチンにはカトラリーを入れておく引き出し収納を備えたモデルも多く、衣類や遊び道具、キャンプグッズなど、旅の道具を入れておくスペースは数多く用意されているため、家族での長旅でも余裕の容量を備えています。
上部収納庫
リビングや寝室、キッチンの上には上部収納庫を装備するモデルがほとんど。ここに着替えや調理道具や食材・調味料などを整頓して収納しておくことができます。
外部収納庫
ボディ脇にあるデッドスペースも外部収納庫として活用できます。ここは、濡れたモノや汚れたモノ、生ごみなどを入れておくのにとても重宝。
外部扉
外部扉は車内のソファやベッド下、トイレなどへとアクセスができ、キャンプ道具をはじめさまざまな荷物の出し入れが容易に行える便利装備です。
トイレ: 外に出ずに使える“旅の安心装備”
トイレは一度利用するとその便利さに手放せない人も多い。近年では水を使わないフィルムタイプのトイレ(写真)も人気
キャブコンのなかにはマルチルーム(多目的に使える個室)を備えているモデルも多く、その空間はトイレやシャワールームなどに活用されています。車中泊地からトイレが遠い場合や、夜中にトイレに行きたいときなど、車内で用を足せるので安心感も抜群。
トイレは備え付けのカセットタイプと持ち運びがしやすいポータブルタイプがあります。
ポータブルには専用の液剤を利用して流すタイプのほかに、近年では排泄物を包み込むフィルムタイプも増加。フィルムタイプは熱圧着による個包装のため、処理するのに手間がかからないのと、ニオイや細菌もカットできるため人気となっています。
カセットトイレの場合トイレルームに固定することになりますが、ポータブルトイレであればトイレルームを物置としても使えるといったメリットもあります。
キャブコンを運転する前に知っておきたい注意点
ほとんどのモデルがバックミラーによる後方確認ができないため、リアカメラを後付けモニターで確認するのが定番
ひと通りキャブコンの装備を見てきましたので、いよいよ実際にキャブコンを運転してみることにしましょう。
キャブコンはトラックをベース車にしていることが多く、ステップに足を掛けて乗り込みます。運転席に座ると乗用車に比べて視点がとても高くハンドル角度も寝ているため、慣れるまではやや苦労します。
左/ベース車がトラックだけに、乗用車とは異なり乗り降りするのもひと苦労。右/ハンドルの角度が乗用車とは違うため、慣れるまでは戸惑うことも
またエンジンが一般的な乗用車のようにフロントノーズ内ではなく、運転席と助手席部分であるキャビン下に収まっているため振動が大きいだけでなく、ノーズがないぶん車間距離の感覚も乗用車とは異なるため余裕を持たせる必要があります。
コンパクトキャブコンの場合、シェルの張り出しが少ないためサイドミラーでボディ左右の確認がしやすい。またアンダーミラーも装備しているため死角の確認も行える
リアカメラにより走行時はもちろんのこと、駐車時でも後方確認がしっかりと行える
さらにキャブコンは、全高と重心が普通乗用車よりも高いことにも注意が必要。特に高速道路ではトンネル出口や大型トラックなどに追い越された際に発生する風の影響を受けやすくなります。
キャブコンはボディ面積も乗用車に比べて大きいため、風の影響を受けやすい
また、重心の高さからカーブでのロール量も大きくなりがち。運転する際はしっかりと両手でハンドルを握り、安全運転の基本である「急」が付く操作をしないように心がけましょう。
「急発進」「急ブレーキ」「急ハンドル」をしない、丁寧な運転と制限速度をしっかり守れば、事故も未然に防げることでしょう。
キャブコンなどは乗用車よりも重心が高くロール量が大きいため、カーブにさしかかる前にしっかりと減速し、急ハンドルをしない丁寧な操作を心がけたい
ちなみに高速道路でのキャンピングカーの事故で最も多いのが、タイヤの低空気圧によるバースト。これは低空気圧で走り続けることで、タイヤがたわむスタンディングウェーブ現象が発生し、タイヤ自体が発熱し損傷して破裂するというもの。走行前にはタイヤの空気圧チェックはもちろん、摩耗やヒビなどの劣化がないかしっかりと確認することが肝要になります。
※写真はイメージです
次に気をつけたいのが積み荷の重さ。シェルだけでなくベッドや家具などが標準で架装されていることに加え、乗員や着替え、水をはじめとした食料、自転車やキャンプ道具&調理道具一式を積むとなると耐荷重を超えてしまうなんてこともよくあります。旅に出かける前に本当にその荷物が必要かを吟味し、極力車両に負担のかからないよう積載するのがおすすめです。
キャブコンは普通免許で運転できる? 忘れてはならない免許のハナシ
※写真はイメージです
キャブコンを運転するにあたっては、車両の総重量が3.5t未満、最大積載量2t未満、乗車定員10人以下(2025年5月末現在)であれば、普通免許で問題なし。一部の大型キャブコンで、総重量3.5t以上や積載量2t以上のモデルについては現在の普通免許では運転が不可となるので注意が必要です。
ただし、免許制度の改正時期で異なるため、2007年6月1日までに普通免許を取得した場合、車両総重量が8t未満、最大積載量5t未満、乗車定員10人以下の中型自動車も運転可能。2007年6月2日から2017年3月11日までの取得なら、車両総重量が5t未満、最大積載量3t未満、乗車定員10人以下の準中型自動車の運転が可能となっています。
このように免許の取得年月によって運転できる車両が異なるため、自分の免許取得年月から自分が運転できるモデルをしっかりと確認しましょう。
「家にいるかのような快適空間」を手に入れたいなら、やっぱりキャブコン!
ここまでいろいろとキャブコンについて、装備・運転・免許などを説明してきましたが、ワンボックスカーをベースにしたキャンピングカーに比べて機動性がやや劣ったり、運転する際も気を付ける点が増えたりする部分も実際にあることは確か。
しかし、そんな短所をも超える長所がトラックベースのタフなシャシーに加え、各ビルダーのこだわったシェル架装による「まるで家にいるかのような快適空間」をもつキャブコンなのです。

伴 隆之
ばん たかゆき 自動車専門誌の編集者を経て、その後独立。2年ほどカリフォルニアに住んでいたこともあり、アウトドアと旅が趣味。ニュージーランドでのキャンピングカー旅が特に好きで南北計4回ほど走破。旅やキャンピングカーを中心にライススタイル誌などに執筆している。愛車は1967年式イノチェンティ・ランブレッタに加え、日産エルグランドをベースに自身で製作した車中泊カー。現在はキャンピングカー専門誌にて全国のRVパークを紹介する連載も担当中。
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