ハイエースの前にイスとテーブルを出して焚き火を見ながらくつろぐ夫婦
編集=後藤ちり / 画像提供=くるま旅クラブ

RVパークで焚き火しよう! 車中泊と焚き火の贅沢コラボが叶う関東近郊RVパーク5選

冬の車中泊に心地よいリラックスタイムをプラス!

冬の車中泊旅は「焚き火」をプラスして、暖かく贅沢なひと時を過ごしてみませんか? じつは車中泊専用スポット「RVパーク」にも、焚き火OKな施設があるんです。今回は関東近郊のスポットから心ゆくまで焚き火を楽しめるRVパークを、くるま旅クラブの事務局長・山縣麻人さんに教えてもらいました!

目次

車中泊の手軽さとキャンプの醍醐味・焚き火を楽しもう!

キャンピングカーの前の焚き火風景

快適かつ安心して車中泊ができる有料の駐車サイト「RVパーク」。現在、全国には日本RV協会が認定した581か所(2025年10月末現在)のRVパークが存在しています。

RVパークの認定条件には「近隣に入浴施設がある」、「電源設備がある」、「ゴミ処理が可能である」などがあり、快適な車中泊をするための一定の設備やサービスは確保されています。

ただし、サイト内で“できること”はRVパークによってさまざま。

軽キャンピングカーのサイドオーニングを展開し、テーブルとチェアを広げた風景

車外にリビングを作ることができれば、くつろぎの空間が広がります

車外での椅子やテーブル、サイドオーニングの展開は全体の7割以上で許可されていますが、車外での火気使用は原則として禁止となっています。

「RVパークは車中泊専用施設なので、“キャンプ行為”を制限している施設が多いんです。けれどなかには、ガスコンロでの調理OK、BBQグリル使用OK、さらに焚き火まで楽しめるRVパークもあるんですよ」

そう教えてくれたのは、キャンピングカーユーザー向けの会員制サービス「くるま旅クラブ」事務局長で、ご自身もキャンピングカー旅を楽しむ山縣麻人さん。

焚き火を囲む夫婦

RVパークSUGAR BASE(茨城県)

「車中泊の手軽さとキャンプの醍醐味である焚き火。この両方ができたら最高ですよね。特に冬は焚き火で暖を取れますし、揺れる炎を眺めれば、いつもの車中泊に心地よいリラックスタイムがプラスされます」(山縣さん)

焚き火OKな施設でも、直火禁止、防炎シート必須、制限時間があるなど、RVパークによってルールが違うので事前にしっかり確認しましょう。

そして、火を大きくしすぎない、風の強い日は行わない、サイドオーニングの下は避けるなど、安全面にも十分な配慮が必要です。

それでは山縣さんが厳選した、関東近郊で焚き火が楽しめるRVパーク5か所をさっそく紹介!

【茨城県】RVパークSUGAR BASE

広々とした芝生サイト

圏央道・坂東ICからクルマで約3分に位置する「RVパークSUGAR BASE」。約550坪の芝生サイト内で車中泊ができ、キャンプ気分で過ごせる施設です。「秘密基地」をコンセプトにオーナーが手作りした風車やツリーハウス、モーターホームなど、遊び心満載の個性的な空間が広がっています。

焚き火台の上で広がる炎

サイトではサイドオーニング、イス・テーブルの展開もOK

全16台の車中泊サイトのうち、焚き火可能なのは6サイト。焚き火使用料として2,000円が必要ですが、焚き火台や防炎シート、薪1束などの一式がセットでレンタル提供されます。焚き火台持ち込みでも同料金ですが、手間なくすぐに焚き火を楽しむなら、レンタルが手軽でいいかも。

芝生サイトの奥に見える管理棟

チェックインは13時~19時、チェックアウトは翌10時まで

「広々とした芝生サイトなので、車外でのくつろぎ度も十分。13時からチェックインできるので、昼はBBQ、夜は焚き火を楽しむのもいいですね。また、芝生サイトは車中泊のほか、テント泊やデイキャンプもOKです」(山縣さん)

施設情報:RVパークSUGAR BASE
所在地:茨城県坂東市弓田1826-2
電話:090-2465-1284
利用可能台数:16台(焚き火サイト6台、電源サイト10台)
利用料金(1泊):3,500円
オプション料金:焚き火・野外料理(炭・ガス)使用料2,000円、電源使用料1,000円、ゴミ処理料500円
入浴施設:さしま健康交流センター遊楽里の湯(クルマで約8分)
RVパークSUGAR BASEウェブサイト

【茨城県】RVパーク フルーツファーム 豊田園

たくさんのリンゴが実っているリンゴ農園の風景

奥久慈の豊かな自然に囲まれた「RVパーク フルーツファーム 豊田園」は、90種類3,500本以上のリンゴを生産している広大な農園の一画に位置しています。

砂利の駐車場の奥に駐車するキャンピングカー

焚き火OKな第3パーク。チェックイン13時~17時、チェックアウトは翌9時~12時

RVパークの利用可能台数は全34台で、焚き火可能なのは高台に位置する第3パークの21台分。器具を使用すれば焚き火(直火不可)、車外でのBBQや調理も可能。薪の販売(1束800円~)もしています。

「焚き火ができる第3パークは、美しい星空を観察できる静かな環境。冬の季節にもぴったりですね。サイドオーニングやタープの使用も可能なので、ゆったりとくつろげます」(山縣さん)

アップルパイやリンゴジュースなどリンゴを使った加工品の集合写真

アップルパイなどリンゴを使ったお土産を販売

9月中旬~11月末はリンゴ狩り体験(入園料500円・1㎏1,000円程度※品種による)、リンゴや加工品などの販売も行っており観光客でにぎわいます。

大子町で生産される「奥久慈りんご」は完熟してから収穫する“樹上完熟りんご”なので、市場には出回らないのだとか。焚き火を楽しみ、希少リンゴをお土産にするのもいいですね。

袋田の滝の風景

写真の袋田の滝まではクルマで約10分。周辺には生瀬の滝、竜神大吊橋、八溝山など観光名所が点在

施設情報:RVパーク フルーツファーム 豊田園
所在地:茨城県久慈郡大子町小生瀬3964
電話:090-5422-5881(9時~17時)
利用可能台数:34台(焚き火可能サイトは21台)
利用料金(1泊):3,000円
オプション料金:ゴミ処理料200円
入浴施設:施設内にシャワーあり(100円)
RVパーク フルーツファーム 豊田園ウェブサイト

【千葉県】RVパーク BBQ OASIS

車中泊サイトでクルマをバックに焚き火を楽しむ夫婦

館山自動車道・君津ICからクルマで約5分とアクセス良好。施設名のとおり、BBQや焚き火が楽しめるRVパークです。

RVパークの全景

1区画が約7×12mとゆとりのあるサイズ

全7サイトすべてで焚き火が可能で、電源あり4サイト、電源なし3サイトを用意。薪の販売(1束980円)や、BBQコンロのレンタル(4,000円。コンロ、網、炭、着火用バーナー)も対応しています。

温浴施設の外観

隣接するスーパー銭湯 君津の湯。入浴料は平日大人680円、休日大人840円

「RVパーク内に入浴施設はありませんが、目の前にスーパー銭湯『君津の湯』があるので安心。24時まで営業しているので、焚き火を楽しんだあとさっぱりできますよ」(山縣さん)

チェックインが12時~22時、チェックアウトが翌11時までと設定時間が長めで、さらに空きがあれば当日の予約も18時までOKと、ゆとりのあるシステムも車中泊旅にはうれしいポイントです。

施設情報:RVパーク BBQ OASIS
所在地:千葉県君津市外箕輪175-1
電話:0439-27-1889(9時~18時)
利用可能台数:7台
利用料金(1泊):電源あり4,000円、電源なし3,000円
入浴施設:スーパー銭湯 君津の湯(隣接)
RVパーク BBQ OASISウェブサイト

【静岡県】RVパークITAZUMA

富士山を奥に2台並ぶトレーラー

「晴れていればサイトから富士山が眺められる絶好のロケーション。富士山と焚き火、両方を楽しめるって最高じゃないですか? 施設は畑に囲まれた静かな環境なので、車中泊にも最適です」と山縣さんがおすすめしてくれたのが、静岡県御殿場市にある「RVパークITAZUMA」。

東名高速道路・御殿場ICからクルマで約13分、首都圏からもアクセスしやすいこちらのRVパークは、防炎シートを使用すれば焚き火、BBQが可能。薪も1束500円で販売しています。

富士山の麓に広がる田園風景とRVパーク

写真の右端が6番サイト。駐車スペースと富士山の間にコンテナがあり、富士山が見えにくくなっています

全6サイトで焚き火が可能ですが、富士山を望めるのは1~5番サイトのみ。6番サイトは見えにくいため、焚き火と富士山のコラボレーションを楽しみたいなら予約時に確認を。

RVパークの電源ボックスの扉を開けた写真

全サイトにAC電源を設置。電源使用料はサイト料金に含まれています

チェックイン時間は13時以降ならいつでも可能で、最終チェックイン時間を設けていません。さらにアーリーチェックインにも対応しており、この柔軟性の高さも大きなポイント。チェックアウトは翌10時までとなっています。

施設情報:RVパークITAZUMA
所在地:静岡県御殿場市板妻長畠792-4
電話:090-8675-0736(9時~17時)
利用可能台数:6台
利用料金(1泊):1~5番サイト車両代4,000円、6番サイト車両代3,000円、利用人数1名につき大人1,000円、18歳以下500円
オプション料金:ゴミ処理料500円
入浴施設:御胎内温泉健康センター(クルマで約6分)
RVパークITAZUMAウェブサイト

【長野県】RVパーク 白馬キャンプ場

白馬の山々をバックにした広大な駐車場の写真

北アルプスの白馬岳を目の前に望み、山景色を楽しみながら車中泊ができるRVパーク。白馬村の中心地に位置し、冬は雪景色に包まれますが通年で営業しています。冬はスキー、夏は登山やラフティングなど、四季のアウトドアアクティビティを楽しむ拠点にもぴったり。

RVパークの炊事場とシャワー室の写真

2024年6月にオープンしたばかりで設備がきれい。チェックインは13時~17時、チェックアウトは翌11時まで

「施設名に“キャンプ”の文字があるように、キャンプ行為も歓迎しているスポット。サイト内で焚き火ができる(直火NG)のはもちろんのこと、車中泊と併用してテント泊もOKなんですよ! テントやタープのレンタルも用意されています」(山縣さん)

LPガス2サイズの横並び写真

LPガスのレンタルも。2㎏タンク3,300円、5㎏タンク5,500円

焚き火台のレンタル(3,000円)もあり、針葉樹の薪(1束600円)や着火剤やライターなど消耗品も販売。ほかにもテーブルやイス、インフレータブルソファもレンタルしています。

白馬の雪景色風景

美しい白馬の景色を眺めながら車中泊ができる

「すべてのサイトにAC電源(20A)を完備している点も安心。トイレも温水洗浄便座です。RVパーク内に入浴施設はありませんが、徒歩約8分に温泉施設、コンビニやスーパーも徒歩圏内。利便性が高く、車中泊の快適度も抜群です」(山縣さん)

これからの季節は、雪中車中泊と焚き火の贅沢なコラボレーションが体験できそうですね。

施設情報:RVパーク 白馬キャンプ場
所在地:長野県北安曇郡白馬村北城5629
電話:080-8548-9353
利用可能台数:12台
利用料金(1泊):4,400円〜8,800円(1区画5名まで。6名以上は1名につき1,100円追加)
入浴施設:白馬八方温泉(徒歩約8分)
RVパーク 白馬キャンプ場ウェブサイト

心も体も温まる焚き火を冬の車中泊旅で楽しもう!

焚き火の風景

RVパークは原則として火気使用が制限されていますが、今回紹介した施設なら、ルールを守れば思う存分、焚き火を堪能できます。

焚き火の炎や音には癒やし効果があるので、普段はあまりしないような深い話ができるかもしれません。

心も体も温まる焚き火と冬の車中泊旅は、きっと最高の思い出になるはずです。

山縣麻人さんプロフィール

キャンピングカーの前でピースサインをする男性

やまがた・あさと / くるま旅クラブ事務局長。2018年よりカムロードベースのキャブコン「オルビスユーロ」で日本一周の旅を開始。現在も新しい場所への探訪を続けている。キャンピングカー歴7年の経験を生かし、2022年からはくるま旅クラブの事務局長としてキャンピングカーユーザーのサポートに日々奮闘。「キャンピングカーは行楽にも防災にも使える万能な存在」という信念のもと、実体験に基づいた情報発信を心がけている。

「くるま旅クラブ」とは

一般社団法人日本RV協会の子会社・くるま旅クラブ株式会社が運営する有料の会員制クラブ。キャンピングカーオーナーや車中泊旅を楽しむユーザーに向け、車中泊ができる提携施設や割引特典などを提供。2025年7月現在の会員は約2万1000人。
くるま旅クラブWEBサイト

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