100均で買える車中泊グッズキービジュアル
文=霜田奈緒(ライトキャンパースタイル編集長)/ 写真=渡部竜征、塩谷佳史 / 構成=ダズ

リーズナブルに楽しみたい! 100均ショップで手に入る“車中泊に使えるグッズ”

車中泊の基本から応用テク、マナー・ルールまで、最小限の準備で始める手軽なクルマ旅をレクチャー

車中泊を快適に過ごすためにはそのためのグッズが必要です。いきなり本格的な車中泊グッズを購入することに二の足を踏む方、予算を抑えて車中泊を楽しみたい方も多いと思います。そこで今回は100円均一ショップでリーズナブルに手に入る車中泊に使えるグッズを紹介します。指南役は車中泊の専門家であるライトキャンパースタイル編集長の霜田奈緒さんです。

目次

機能的に満足なら100均グッズは便利でリーズナブル

アウトドアショップやホームセンターで売っている車中泊やキャンプ向けギアは、機能的でおしゃれなものが多いですが、なかには高額なアイテムもありますよ。キャンプや車中泊向けのギアは種類が多く、夢中になるとそろえたくなるものがどんどん増えていきます。気づけば同じようなものを何度も購入したり、これまでに使った総額がとんでもないことになっていたりと、いわゆる“キャンプ沼”にハマる人が多いのです。かくいう私も寝袋は7回、たき火台はもう数えられないほど購入しています(笑)。

そこでぜひ活用していただきたいのが100円均一ショップ、いわゆる100均です。大手チェーン店に行くと、近年キャンプ向けのグッズがたくさん並んでいます。価格は110円から1,100円くらいまでとリーズナブル。このお手軽さが100均グッズの最大のメリットですよね。なかには、キャンプ向けテーブルやLEDランタンなど、通常数千円するようなものでも1,100円以下なのです。そうなると、気になるのが性能ですよね。こんなに安いんだから使い勝手や機能はそれなり……と思いますよね。私は車中泊やキャンプで100均グッズも多く活用していますが、ほとんどのものは問題なく使えます。ただし、たとえばクッションやカーテンであればサイズがちょっと小さいなど、デメリットはあります。とはいえ、そのデメリットが自分の使用目的に対して問題ないようであれば、それは買いだと思います。

100均で手に入るキャンプ・車中泊向けギア

100均グッズでの車中泊イメージ

ここから先は、実際に私が気になった100均グッズを紹介します。まずは、キャンプ・車中泊向けとして販売されているグッズからピックアップしていきます。これらは、そもそもアウトドア用に開発されているので、機能的には問題ないかと思います。ですので、気にするべきはサイズ感や素材。自分のクルマで使用することをイメージしながら、不具合がないかを購入前に検討しましょう。必要であればクルマの窓サイズや就寝スペースの広さなどを測ってからお店に行くことをおすすめします。

やや小さいけど、車種によっては便利
フロントガラス用サンシェード/参考価格110円

フロントガラス用サンシェード

付属の吸盤で固定できるので、取り付けはとても簡単。若干素材が薄い感じもするが、吸盤とサンバイザーを使って挟み込めばちゃんと隙間なく装着でき、日差しや車外からの視線もしっかりと遮られる

フロント用ガラスサンシェード

折りたたんでコンパクトに収納できるごく一般的なタイプのサンシェード。使用したのは幅1300mm×高さ600mmのものだが、お店によって販売しているサイズはさまざま。購入前に愛車のガラスサイズを測っておくといいでしょう

サイドウインドーに簡単取り付け
車内用日よけカーテン/参考価格110円

車内用日よけカーテン

車中泊にぴったりな日よけカーテン。購入したものは75㎝×54㎝の長方形で、ミニバンなど窓ガラスが四角形のクルマにぴったりです。装着車はサイドガラスが台形のハリアーなのでやや隙間は出ますが、プライバシーガラスであれば、さほど気にするレベルでもありません

車内用日よけカーテン

取り付けは上部左右に付属する吸盤で固定するだけ。窓ガラスの幅がカーテンの幅より狭い場合でも、カーテン上部にあるひもを引っ張ることでカーテンが垂れ下がることなくしっかりと張れます。カーテンをスライドして開閉することも可能です

100均でランタンが買える!
LEDランタン/参考価格330円

LEDランタン

本体の筒を上に引き上げることで点灯面が出現し、スイッチが入るLEDランタンです。白色の光と炎のように揺らぐ光に切り替え可能な機能的なモデルで、見栄えもいかにもアウトドアっぽくていいです。LEDランタンは形状や電源、明るさなどの違いでさまざまな選択肢があるので、購入時はぜひいろいろな100均ショップを回ってみてください

LEDランタン

電源は単4電池3本で、写真のLEDランタンの白色点灯は5時間の連続点灯が可能ということですが、一晩で使い切ってしまうとなると、ややランニングコストがかかります。しかし、その分明るさは十分です。ハンガーが付属しているのでアシストグリップなどに掛けられるなど、使い勝手はいいですね

就寝スペースの段差埋めに便利
折りたたみ携帯マット/参考価格110円

折りたたみ携帯マット

4分割に折りたたんで収納できる携帯マットで、通常はピクニックやスポーツ観戦などで地面に敷いて使うものです。購入したものは34㎝×26㎝とコンパクトですが、実は車中泊ではこのサイズが使いやすいのです

折りたたみ携帯マット

車中泊での折りたたみマットの使い方は、ずばり寝床の段差解消です。厚みは1㎝程度で、程良い硬さがあるので、シートの段差を埋めたり、硬い樹脂パーツの部分に敷けば、寝床がより快適に仕上がります

使用感はブランド物と遜色なし!?
エアピロー/参考価格550円

エアピロー

キャンプ用品として販売されているエアピロー。空気を入れるタイプの枕です。インフレータブル式で、弁を開ければ自動で膨らむタイプなので、使い勝手もいいですね。エアピローは、キャンプ用枕の定番で、キャンプ系ブランドでも販売されていますが、550円という金額は抜群にコスパがいいですね

エアピロー

幅48cm×高さ2cmと大き過ぎず小さ過ぎず、車中泊にぴったりなサイズです。表面がポリエステルなので、ちょっと汗をかくとベタベタしやすいですが、タオルなどを巻いて使えば問題なし。これはおすすめです

車内で使うならベストサイズ
アルミテーブル(ミニサイズ 組み立て式)/参考価格1,100円

アルミテーブル

車内でくつろいでいるときなど、スマホやドリンク、LEDランタンなどを置く場所として、ちょっとしたテーブルがあると便利です。ここで問題なのがサイズ。足が短く、天板も程良く小さいのがなかなかないのですが、このアルミテーブルは、28.5㎝×21㎝で、高さは10.5㎝と、まさにジャストサイズでした

アルミテーブル

車中泊のときは、就寝スペースを作るためにできる限り荷物をコンパクトにしたいのですが、このアルミテーブルは組み立て式なので、バラせばアルミの板数枚のみの構成。とてもコンパクトに収納できるのも魅力ですね

たっぷり入って110円は便利過ぎ!
ウェットシート/参考価格110円

アウトドア用ウェットシート

どこにでも売っているといえば売っていますが、アルコール除菌タイプのウェットシートで40枚入りが110円はリーズナブル。生地も比較的厚めで使いやすかったです。車中泊は、結構車内が汚れやすいので、手を拭いたりする以外にもウェットシートが必要になる場面が結構多いです。2セットくらい持っておくと便利です

虫の侵入を防ぐコスパ最強のネット!
クルマ用ドアネット(リア用)/参考価格110円

車用ドアネット

窓を開けたままでも虫が入ってこない、ウインドーネットです。ドアを開けた状態で上から袋状のネットをかぶせるだけで装着完了。幅98㎝×高さ78㎝と大きめなので幅広い車種で使えそうですね。汎用品なので車種によってはあまり見栄えは良くないかもしれませんが、機能としては問題なく使えます。これが1個110円はコスパ最強です

キャンプ用じゃないけど車中泊で活用できる
アイデア次第で使える便利グッズ

ここまではキャンプや車中泊向けとして販売されている100均グッズを紹介してきましたが、ここからは他用途のグッズを紹介します。高いキャンプギアを買うならこれでも代用できるよという、アイデア次第で車中泊でも使えるグッズです。100均ショップには、さまざまなグッズが売っていますので、車中泊で使えるか想像しながら店内を物色すると楽しいですよ。

キャンプマット代わりに使える
ヨガマット/参考価格770円

ヨガマット

段差や凹凸解消にキャンプマットが便利ですよという話は連載第1回、第2回にもお伝えしましたが、それよりもさらにリーズナブルにということであれば、ヨガマットもおすすめです。キャンプマットに比べると厚みはやや物足りないですが、2セット買ってもキャンプマットよりもリーズナブルです

ヨガマット

購入したヨガマットは長さ173㎝、幅61㎝と車中泊にはぴったりなサイズです。寝床が柔らかい方が好みの方は2枚重ねでもいいでしょう。ただし車内用として開発されていないので、灼熱(しゃくねつ)の車内での常時保管等はやめておきましょう

柔らかい枕がお好きならコレ
ウエストクッション/参考価格550円、クルマ用ネッククッション/参考価格165円

ウエストクッションと車用ネッククッション

キャンプ用のエアピローは先ほど紹介しましたが、枕の代用品としては車内で使用するウエストクッションやネッククッションもおすすめです。今回購入したものは程良い弾力があって、表面もメッシュ状なので肌触りも良く、枕としても満足に使えました

ウエストクッションと車用ネッククッション

枕としてはもちろんですが、車内でサイドに寄りかかってくつろぐときなどにも使えるし、用途はさまざまです。ウエストクッションは寝床の隙間を埋めるのにも便利そうですね

狙った所に風が来る角度自在がポイント
ミニファン(フレキシブルネック、クリップ付き)/参考価格770円

ミニファン

バッテリー式のミニ扇風機は快適に就寝するため、車内を換気するためにぜひ用意しておきたいグッズです。写真のミニファンはクリップで固定でき、ネック部分が自由に曲げられるので、どの方向にも送風できるのがポイントです。車内の場合、扇風機を置ける場所に限りがあるので、このクリップ式は非常に便利です。
なお、車内温度が高温の場合は、逆に扇風機の熱風を浴びることで熱中症にかかるという検証結果もあるので、使用時は注意しましょう

荷物を効率よくまとめる
バルブ式手押し布団圧縮袋/参考価格110円

圧縮袋

車中泊では、車内に就寝スペースと荷物置き場が必要となるので、できる限り荷物はコンパクトに収めたいですよね。そこで便利なのが圧縮袋です。着替えやタオルなどはどうしてもかさばります。圧縮袋に入れておけばコンパクトに収納できるのでぜひおすすめです。多くは掃除機を使う必要がありますが、一部手押しで圧縮できるものがあるので、それを選びましょう

DIYで便利なカーテン&収納ギアも作れます

収納ギアを自作

日差しの侵入や車外からの視線を防ぐカーテンと、スマホなどを置ける収納機能を兼ね備えた自作の100均車中泊ギア

100均ショップには、多彩な素材が売っています。これらを工夫して組み合わせることで、オリジナルの車中泊ギアを作ることもできるんです。今回は収納を備えたカーテンを作ってみました。自分でギアを作ると、愛車にぴったりなサイズで作れますし、旅に出る前から車中泊を楽しめます。同様のグッズは完成した状態で売っていることもあるので、必ずしもリーズナブルになるとは言えませんが、自分なりの工夫を加えた車中泊ギアには愛着が湧きますよ。ぜひ試してみてください。

DIY使用素材

今回使用した素材は、黒い遮光スクリーン、ワイヤーネット、木製トレイ、突っ張り棒、ピンチ付きゴムロープ、フック付きベルト、カーテンフック、S字フックです。参考価格はすべて110円

DIYのポイント

遮光スクリーン、ワイヤーネット、突っ張り棒を固定するためのピンチ付きゴムロープは前後アシストグリップに引っ掛ける。なるべくテンションがかかるようにしましょう

DIYのポイント

突っ張り棒の固定方法は、中心部付近をアシストグリップと一緒にベルトで縛り、さらに数か所をゴムロープに備わっているピンチで固定します

DIYのポイント

ワイヤーネットは、カーテンフックで固定します。フック部分を突っ張り棒に掛け、クリップ部でワイヤーネットを挟みます。斜めにならないよう4か所ほど留めます

DIYのポイント

木製トレイはS字フックでワイヤーネットに引っ掛けます。同様の方法で布製ポケットなどを使うのもいいでしょう

今回はリーズナブルに車中泊を楽しめる100均グッズの活用をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか? 機能性だけに特化して考えれば、高価なブランドものにも引けを取らない100均グッズもあります。ぜひ参考にしてみてください。次回は、ポータブル電源で使える便利な調理家電をご紹介する予定です。ぜひお楽しみに。

霜田奈緒

しもだ・なお 2001年から、月刊誌を中心に、300冊以上の編集に携わってきた自動車専門誌の編集者。子供の頃から車好きで、親が乗っていたボルボ240の音を聞き分け、親の帰宅を察知し勉強を始めていた。好物はジャンル・時代問わずの車のカスタム・チューニング。近年はキャンプにハマり、愛車もアウトドア仕様。ギャラン、レグナム、GTO、アストロ、ボルボC70、トゥーラン、XC70と、とりとめのない愛車遍歴。

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