ベッドは簡単にセットできるのが一番! アウトドア好きライターが選んだ簡単ベッドメイク車中泊カー4選
車中泊の要は就寝スペースの簡単セッティングキャンピングカー&車中泊カーのもっとも重要な装備はベッド。豪華なキッチンやマルチルーム付きの装備は憧れるけれど、炊事は車外でもできるし、キャンプ場やRVパークを利用するならシャワーやトイレの心配はありません。 一方、ベッドは替えがききません。わざわざテントやコットを持っていかねばならないようではキャンピングカーや車中泊カーである意味がないのですから。 2024年7月20~21日に東京・有明「東京ビッグサイト」で開かれた「東京キャンピングカーショー2024」で驚くほど楽にベッドメイクできるバンコン&車中泊カーを、キャンプ・車中泊好きのライター・大森弘恵さんがピックアップしてくれました。
展開式ベッドとセットで考えたいちょい置き用の棚
キャンピングカー&車中泊カーのベッドは、大きく常設ベッドと展開式の2種類にわけられます。
日常の足としても活躍する軽キャンパーや値頃なバンコン(※)の場合、座席をベッドにトランスフォームする展開式がほとんど。
ところが座席を展開する際、複雑な仕組みだったり、単純な仕組みだけど重くて操作しづらいものもあるのです。また、実際に出かけるとなると、車内には着替えやLEDライト、食器などがあるわけで、これらをどうするかは大問題。
十分な収納スペースと小物などをちょい置きできる棚が付いていて、できるだけ簡単にベッドメイクができるものを探してみました。
※バンをベースにしたキャンピングカー(バンコンバージョン)
親子4人がのびのび眠れる驚異のアトレー車中泊カー
カスタムセレクト「ロードセレクト コンパクト AS」
たたんだシートの上にベッドマットを置くスタイルは簡単ですが、マットが重くて結構大変。
キャンピングカーのビルダーであるカスタムセレクトは、この点に注目し、超軽量ベッドマットを採用しています。ひとりでも楽に持ち上げられるので、雨の日など車内にいながらベッドメイクしても苦にならないというわけ。
しかもベッドマットの高さを決めるピラーには、切り込みが細かく並んでいてベッドマットの高さを25mm間隔で設定できるのです。
さらにオプションで2段ベッドにすれば、アトレーでも4人乗車/4人就寝が可能。大型キャビネットがないので下段ベッドは最大1850×1200mmとセミダブルサイズを確保しており、ゆったり眠れるのもイイですね。
薄くても耐久性のあるベッドマットを採用し、軽い力で設置できます。マット下に背が高いコンテナボックスを収納するなら高い位置、スノーボードのように薄いものを置くなら低く設定できるのもありそうでない機能。ピラーの穴を利用して小物を整理するなんてこともできます
夏の車中泊で活躍する12Vクーラー。防災的にも心強い装備です
ベッド下は全面収納スペースになるので荷物が多い人も安心。着替えなどすぐに取り出したいモノがあってもアクセス簡単です。ちなみにオプションの二段ベッドでは上段ベッドでも500mmほどの高さを確保し圧迫感を抑えています
N-VANのシートを活用して多彩なレイアウトを実現
ルート6「SEEK」
シートを倒したり跳ね上げたりしてレイアウトを変える車中泊カーは珍しくありませんが、シートの操作って思いのほか面倒だったりします。それにサイドとバックドア側を行ったり来たりすることも。
「SEEK」はN-VANをベースとしており、車内をフラットかつ広々と使えるダイブダウン機構付き助手席&リアシートを有効活用した車中泊カー。
助手席側最長2100mmの広さを誇る「ベッドモード」のほか、テーブルをセットした「ダイネットモード」、そして助手席側に座る「縁側モード」などユニークなレイアウトをひっさげてデビューしました。
ポイントは後部に備え付けられた収納ボックスの高さと構造。
助手席を床に格納する途中のロック状態を利用し、助手席と収納ボックスの高さをそろえているのです。また、運転席側は収納ボックスを引き出すことで簡単にマットを安定させられます。
助手席とリアシートをフラットにして、その上にマットを置けば縁側みたいに景色を眺めながら過ごせます。ピラーレスのN-VANだから実現したレイアウトで、テーブルを外にセットしアウトドアランチを楽しんでは?
助手席の背もたれを前に倒した状態でロックされるので、ここにベッドマットを載せます。写真はダイネットモード
両側には小物を収納できるボードを装備。ベッドマットを支える収納ボックスは大容量ポータブル電源が入るビッグサイズです
マルチテーブルを後部にセットするアウトサイドモード。調理時に使いやすいレイアウトです
引き出すだけのベッド展開でもっと人にも自然にもやさしくなった
ミシマダイハツ「クオッカ ジャパンディ」
富士ヒノキとホタテ由来の漆喰ペイントを組み合わせた自然派車中泊カー「クオッカ」シリーズに、トランスフォームベッドとマットレスが搭載されました。それが「クオッカ ジャパンディ」。
ハイゼットトラックをベースとする「クオッカ」シリーズには他に2モデルありますが、どちらも木製のボックスを組み合わせてテーブルやベッドを作ります。
一方「クオッカ ジャパンディ」は木製ソファを引き出してベッドにトランスフォーム。一度展開すればフックなどを使わなくてもぐらつかないオートロックタイプで、いったん押し込むことでロックが解除されるのも便利。ベッドサイズは1840×1060mm。
木製ソファのマットと背もたれはベッドマットと兼用。通気性がよくて軽いファイバーマット製で格段に快適な寝心地となりました
走行充電とサブバッテリーを標準装備。オプションとなりますが12V DCクーラーや200Aリチウムイオンバッテリーも選択できます
左側の壁にはカウンターを装備。オプションでシリーズ初の吸排気ベンチレーターやシンクを取り付けられます。車中泊が充実する仕掛けが満載
簡単アクションで快適ベッドになるモビフレーム社製シート
アドセット「エレメント」
ハイエースベースのバンコン「エレメント」はセカンドシートにモビフレーム社製のシートを採用しており、フラットに展開するだけで1900×1200mmのベッドが完成します。
モビフレーム社製のセカンドシートは座面の裏にベッドマットが取り付けられていて、重たいマットを敷く必要はなし。それに座面とベッドの硬さは別物で、移動時はしっかり目の座面で腰を支え、就寝時はやわらかく体を包みます。
セカンドシートは背もたれの裏にベッドが取り付けられていることがわかります。広げるだけで大人ふたりが眠れるサイズになり、オプションで子ども用上段ベッドを追加すればファミリー利用も可能
後部はキッチンを装備していますが、荷物を置きっぱなしにできるほど広い!
左側には小物整理に役立つハンガーフックが装備されています。これも使いやすそう
簡単ベッドメイク車中泊カー4選いかがでしたでしょうか?
各社が工夫を凝らし、進化を続ける展開式ベッド。展開しやすさはもちろん、寝心地の好みも見逃せないポイントなので、イベントや店舗で気になる車両を見つけたら積極的にベッドメイクと寝心地をお試しください。
大森弘恵
おおもり・ひろえ フリーランスのライター、編集者。主なテーマはアウトドアと旅で、ときどきキャンピングカーと料理の記事も。身軽なソロキャンプ歴は約40年、愛車はヤマハ・WR250R