まだ間に合う! 遅咲き桜が楽しめる長野県・山梨県の花見城5選
長野・山梨のお花見ができる城 ~松本城・高遠城・小諸城・上田城・甲府城~
桜の開花予想をチェックしそびれ、近場の桜は終わってしまった、という時におすすめの遅咲き桜が見られる花見城5選をお届け! 長野県の松本城、高遠城、小諸城、上田城、山梨県の甲府城なら、都市部で見逃した桜が後から楽しめます。 さあ、桜とお城を愛でに出かけましょう。
1. 【松本城】 全国唯一! 漆黒に輝く国宝の天守群
松本城
松本城
桜と雪の松本城
外堀のソメイヨシノ
漆黒の艶めく国宝天守に、満開の桜が春の彩りを添えます。壁に黒漆が塗られた天守は、現在では全国で松本城だけ。五重天守が現存するのも、全国で姫路城と松本城だけです。五重天守を中心に、5つの国宝で構成された天守群です。風光明媚な北アルプスを借景にした、絵画のような重厚感にため息が漏れます。
戦いを想定した天守の内部
松本城の5つの国宝のうち、天守・乾小天守・渡櫓は戦国時代に建造された戦闘仕様だ。天守内は狭間や石落としなどの防御装置が多く、余計な窓を設けないため薄暗い
太平の世に増築された月見櫓(やぐら)
江戸時代に増築された月見櫓(右)と辰巳附櫓(たつみつけやぐら)。3代将軍・徳川家光をもてなすために建造された。装飾は格式高く、内部にも優雅な雰囲気が漂う
2. 【高遠城】固有種・タカトオコヒガンザクラが城を覆う
高遠閣と桜
太鼓櫓
夜桜と太鼓櫓
織田信長が武田氏を滅ぼした甲州征伐で、武田信玄の五男・仁科盛信が織田信忠に攻められ壮絶な死を遂げた歴史的舞台です。春には約1,500本植えられた淡紅色のタカトオコヒガンザクラが咲き誇り、城の全域をピンク色に染めます。県外からも多くの人が訪れる、全国有数の桜の名所です。
圧巻の空堀と土塁
三峰川と藤澤川、2つの河川が合流する河岸段丘の断崖を活かした高遠城。ダイナミックな空堀が圧巻だ。江戸時代には高遠藩の城となり、保科氏、鳥居氏、内藤氏が城主となった
遠流後の27年を過ごした「絵島囲み屋敷」
大奥最大のスキャンダルといわれる絵島生島事件。江戸城大奥の女中だった絵島は高遠に配流となり、幽閉された屋敷が城下(伊那市立高遠町歴史博物館)に復元されている
3. 【小諸城】苔むした石垣と桜とのコントラストが美しい“穴城”
小諸城三の門
桜と馬場の景色
天守台から見た馬場の景色
浅間山の田切地形を活かした、深い谷を空堀とした珍しい城です。城が城下町よりも低い場所にあるため“穴城”とも呼ばれます。古くは武田信玄が重要拠点とし、滅亡後は織田氏、徳川氏が支配。豊臣秀吉の天下統一後は、その家臣で江戸時代に小諸藩初代藩主となる仙石秀久が現在の姿へ大改修しました。「日本さくら名所100選」のひとつです。
全国でも貴重な秀吉時代の天守台
仙石秀久が積んだとみられる小諸城の野面積みの石垣は、隅角部(ぐうかくぶ)の算木積(さんぎづ)みも未発達でいかにも古めかしい。三重の天守が建っていたと考えられ、秀吉が家臣の城に使用を許可した金箔瓦も出土している
質実剛健! 時代を表す現存の大手門
小諸城の表玄関。初代藩主・仙石秀久が建造したとされ、慶長期の建築技術を今に伝える貴重な門として価値が高い。当時は珍しい瓦葺の門であったことから瓦門と呼ばれた
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4. 【上田城】徳川軍を二度も撃退!ロマン溢れる真田の城
上田城
上田城
上田城跡公園
真田昌幸が築城し、徳川の大軍を二度も撃退した上田合戦の舞台として知られます。春にはシダレザクラやソメイヨシノなど約1,000本の桜が咲き誇り、鮮やかなピンク色の世界に。「上田城千本桜まつり」では、お堀を囲うように咲く桜が幻想的にライトアップされます。
尼ヶ淵に面した崖上の立地
上田城は上田盆地北部の尼ヶ淵に面する崖上に築かれ、北南は千曲川、北・西側に矢出沢川を引き込んで総構を構築していた。城南の駐車場が尼ヶ淵跡。急崖の上に城が築かれているのがわかる
遊郭として使われたことも!
本丸東虎口(こぐち)櫓門の両脇に移築復元されている南櫓と北櫓は、明治の廃城令後に上田遊郭に移築され遊女屋(貸座敷)として使われた歴史がある。西櫓は唯一の現存建造物
5. 【甲府城】武田の地に秀吉が築城、やがて徳川の重要拠点へ
舞鶴城公園
舞鶴城公園
舞鶴城公園
武田氏滅亡後、豊臣秀吉が江戸の徳川家康を牽制するために家臣の加藤光泰や浅野長政・幸長父子に築かせた城です。現在は市民憩いの舞鶴城公園となっており、桜の時期には約156本の桜が石垣を囲むように咲き誇ります。満開の桜と、遠くに見える富士山とのコラボがたまりません。
甲府城のシンボル・稲荷櫓
江戸時代には甲府藩主・柳沢吉保が大改修し、甲州街道の整備など民政や農政に力を注いだ。2004(平成16)年に復元された稲荷櫓は、7棟の櫓のうち北西に建っていたもの。武器の収納庫だった
秀吉時代の天守台
本丸の天守台は、浅野幸長・長政により築かれたと考えられる。江戸時代には徳川家康の支配下となり、家康の九男・徳川義直、3代家光の弟・徳川忠長などが甲府城の歴代城主に名を連ねた

萩原さちこ
はぎわら・さちこ 城郭ライター、編集者。(株)城旅デザインラボ代表、(公財)日本城郭協会理事。執筆業を中心に、講演、メディア・イベント出演など行う。著書に『城の科学〜個性豊かな天守の「超」技術〜』(講談社ブルーバックス)、『日本の城語辞典』(誠文堂新光社)、『日本100名城と続日本100名城めぐりの旅』(ワン・パブリッシング)など。朝日新聞デジタル&TRAVEL『城旅へようこそ』ほか、新聞や雑誌、WEBでの連載多数。https://46meg.com/
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