淡路島南部の海岸線を走る南淡路水仙ラインと紀伊水道の絶景
写真1 海を見下ろす南淡路水仙ライン。緑の斜面と青い海が織りなす爽快なシーサイドドライブ

南淡路水仙ライン(兵庫県)。冬に水仙が咲き乱れる、淡路島のシーサイドライン

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
須藤英一

兵庫県南あわじ市にある灘黒岩水仙郷(なだくろいわすいせんきょう)は日本三大水仙群生地のひとつで、約500万本の水仙が冬の時期に咲き誇ります。そこから名付けられたのが南淡路水仙ライン。海沿いの直線道路や峠越えのワインディングなど、変化に富んだ南淡路水仙ラインを走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

目次

水仙が咲く時期に訪れたい、海沿いのドライブルート

県道76号南淡路水仙ライン、洲本市相川組付近の海沿い道路

写真2 洲本市相川組付近の南淡路水仙ライン。海を間近に感じながら走る絶景ルート

瀬戸内海で一番大きな島である淡路島の南側を走る県道76号は、灘黒岩水仙郷など水仙の名所を走るために南淡路水仙ラインと呼ばれている。海を見下ろす急斜面が真っ白な水仙に覆われるのは、12月下旬から2月頃にかけてで、花が風に揺れるたびに甘く爽やかな香りが漂い、周りが自然の香水に包まれる。冬はこの道のハイライトの季節だろう。

遠く紀伊半島まで望むことができるが、冬は波しぶきにも注意

洲本から走り始めると、しばらくは海岸沿いを南下して由良では細長い砂州が続く淡路橋立(成ヶ島)を眺めることができる。やがて道は山の中に入り、峠越えのようなカーブが続く。ここから下りると、目の前の視界が開け海を間近に眺めながら走るルートとなる。道はほぼ直線で、遠く紀伊半島まで望めるが、風の強い日は道路まで波しぶきが飛んでくることもあり、冬ならではの厳しさと美しさが同居している。

白い水仙と青い海のコントラストは、ドライブルートのハイライト

灘黒岩水仙郷の斜面に咲く白い水仙と和歌山湾の青い海

写真3 灘黒岩水仙郷の斜面に広がる水仙の花々。海と空のコントラストが美しい冬の絶景スポット

淡路島モンキーセンターを越えてさらに走ると、右側の斜面一面に咲く水仙の花が見えてくる。ここが日本三大水仙群生地として知られる灘黒岩水仙郷である。2023年12月にリニューアルオープンし、海を臨む展望デッキやカフェ・レストランを備えた施設ができた。斜面を歩いて登ると、真っ白な水仙の向こうに和歌山湾の青い海と空が広がる。他ではなかなか得られない独自の美しさがある。


南淡路水仙ライン データ

南淡路水仙ラインへは、神戸淡路鳴門自動車道・洲本ICから国道28号などを経由して約6km、洲本港そばの海岸通交差点からルートが始まる。成ヶ島や大阪湾を望むシーサイドラインは、10kmほど走るとワインディングロードとなり、今度は和歌山湾の海岸沿いを走るルートとなる。今回は内陸を走るところまでをドライブルートとして紹介しているが、南淡路水仙ラインはさらに10kmほど続く。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

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日本遺産 とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
南淡路水仙ラインが走る兵庫県や淡路島にも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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