コンパクトでも快適! 日常使いしやすい小さな車中泊カー最新モデル
かわいいサイズでもぐっすり眠れる! 快適&実用的な車中泊カーを特集!車中泊旅に憧れていても、本格的なキャンピングカーを運転するのはちょっと怖く感じるもの。それに日常的な足とするには大きく、都市部で2台分の駐車場を探すのはコスト的にも大変です。「ジャパンキャンピングカーショー2025」で、乗用車感覚で乗れてふたり旅にも使えるコンパクトミニバンやステーションワゴン、軽自動車ベースの車中泊カーをキャンプ・車中泊好きのライター・大森弘恵さんが探してきました。
本命は天井高めのコンパクトミニバン
ROCKY2「FREED CROSSTAR MV」
車中泊カーのベース車両として脚光を浴びているのがコンパクトミニバンのフリードクロスターです。ROCKY2が開発した「FREED CROSSTAR MV」はパッと見では車中泊カーとはわかりません。ベース車そのままのサイズで、古い立体駐車場でも利用できるため都市部での運転も不安なし。軽自動車ベースの車中泊カーよりもパワフルで、高速道路でのストレスも低減されます。
それでいて前席を倒すことなく展開できるベッドスペースは長さ1800×幅1270mmと大人2名がゆったり眠れる大きさ。
「FREED CROSSTAR MV」のマットは1:2分割でシングルベッドでの展開も可能です。シングルでも窮屈ではないし、ベッド展開したまま車外に出るときも足の置き場に困りません。一人旅にこれはうれしい仕様です。
テーブルを広げたダイネットモード。隙間を埋めるだけでベッドになります。これだけならベース車でもいいようにも思えますが、オプションで天井断熱加工ができるのは車中泊カーならでは
サブバッテリー92Ah、インバーター1500W、走行充電など旅に必要な装備は万全。オプションでFFヒーター(※)やソーラーパネルも選択できます。ちなみにテーブルはリアゲートにも取り付け可能
※タンク内のガソリンを利用して燃焼させるヒーター
外部充電器が装備されているのでキャンプ場やRVパークでの滞在も安心
ポップアップルーフ付きなら
圧迫感なし、4人就寝もOK
ホワイトハウス「FREED CROSSTAR EARTH TREK」
ホワイトハウスキャンパーでは、自分好みにカスタマイズできるキャンピングカープロジェクト「Style_iD」を提案していて、第1弾のベース車両はフリードクロスター。カスタマイズは20項目以上あり組み合わせは無限。
会場では4つのコンセプトカーを披露していました。
ポップアップルーフ付き車中泊カーの製作を得意とするホワイトハウスですから、当然、ポップアップルーフを搭載可能。4人就寝となるので、ソロ旅メインだけどときどき家族で車中泊旅をする、2人旅だけど荷物が多い……という人も安心です。
ポップアップルーフのおかげで圧迫感なし。家族みんなで就寝できるので防災カーとしても機能します
プロボックスに屋根裏部屋を架装
コンパクトな車体だけど荷室が広いプロボックスを車中泊仕様にカスタムする人は多いのですが、キャンパー厚木はプロボックスにFRPで屋根裏部屋を作ってしまいました。全長4250mm、1690mm の全幅はベース車両そのままですが、全高は驚きの1980mm。ベース車両の全高が1525〜1530mmですからおおよそ450mmの拡張です。
屋根裏部屋となるロフトベッドはシングルサイズであるものの長さは2190mm、高さは380〜410mm。これにより3人就寝を実現するほか、荷物置き場としても役立ちます。アクリル二重窓は網戸、シェードも装備していて換気の不安も低減。
デビュー直後でオプションは少ないのですが、リアゲートを内側から開くレバーやブラインドシェードなど実用的なアイテムを用意しています。
荷室のフロアは独自の平面加工をほどこしているので違和感なく就寝できます
160系フィールダーを
車中泊仕様に整えるキット
M・Y・Sミスティック「ファー」
160系カローラ フィールダーを車中泊仕様に変えるキットが誕生しました。
ベッドマット、手持ちのポータブル電源を用いる室内灯など最低限の車中泊装備とする「スタートパッケージ」、鉛サブバッテリー105Ah、走行充電30A、USBソケットなどを備えた「バリューパッケージ」、そして鉛ではなくリチウムイオンとする「リチウムパッケージ」 の3種類から選べ、今や必須となったルーフクーラーやFFヒーターも搭載可能。
ルーフクーラーを取り付けるとその分、全高が増えますが取り回しのよさはそのまま。夏でも快適に眠れます。
純正シートを利用するためやや前方がもちあがるものの、ほぼフラット。ルーフクーラーや室内灯は寝たまま操作できるのもポイントです
展示車両はリチウムイオンのサブバッテリー105Ah、走行充電30Aを装備したリチウムパッケージ
FFヒーターは運転席側後部にあり、冷たくなる足もとをあたためてくれます
やっぱり落ち着く和風の軽キャン
キャンパー鹿児島「座座」
「座座」は軽バンではなくハイゼットトラックに架装した軽キャンピングカーです。そのため断熱性能よし!
コンパクトな空間ですが、チェアではなく畳風のシートに座るお座敷スタイルのためスッキリとしたインテリア。足を伸ばしてくつろげるのはやっぱり落ち着きます。
壁面は無垢エアー・ウォッシュ・フローリング(ヒノキ)を採用しており、揮発性有機化合物やインフルエンザなどの病原性ウイルス、細菌の低減を期待できるのも好感を持てます。
断熱加工、アクリル二重窓で車内の急激な温度変化を抑えてくれます
テーブルをたたむだけで2人分の就寝スペースが誕生。リチウムバッテリー200Ah、走行充電、インバーター500W込みのクーラーパッケージは今やマストなオプションと言えそう
電動エレベータールーフで
車内を楽々拡張
M・Y・Sミスティック「Mini Pop フライヤー」
「Mini Pop フライヤー」はピクシストラックをベースとする軽キャンピングカーで、ルーフ全体が水平に持ち上がるエレベータールーフを採用することで4人乗車/4人就寝を実現しました。しかもこのルーフは、展開も撤収もリモコン操作ができる電動式。ほかの作業をしながら約30秒で展開・撤収ができるのはやっぱり便利。
車内にはFFヒーター、クーラー、オプションの電子レンジや冷蔵庫など快適に過ごせる装備が盛りだくさんでともすれば窮屈に感じてしまいますが、車内の屋根が全体に高くなっていて室内高は約1900mm。過ごしやすいのも利点です。
エレベータールーフには断熱材を装備しているので外気温の影響を受けにくくなっています
軽EVで車中泊の
スタイルが変わりそう
岡モータース「ミニチュアシマウザーCP」
クーラーを搭載した「ミニチュアシマウザーCP」は、N-VAN FUN系をベースとした軽キャンピングカーです。注目はEV「N-VAN e: FUN」ベースで走行用バッテリー(29.6kWh)とオプションのポータブル電源(1kWh〜最大8kWh)からクーラーや家電に給電できるモデル。旅や日常の足はもちろん、非常時の備えにもなるのですから。
EV版「ミニチュアシマウザーCP」では、走行用バッテリーの最大出力は1500Wで満タンの場合、クーラーの使用は約40時間!
走行用バッテリーだけでも十分ですが、ポータブル電源も装備すれば走行用バッテリーからポータブル電源への充電はもちろん、ポータブル電源から走行用バッテリーへの充電だって可能。家電用の電気をどちらから取り出すか、アプリで簡単に切り換えられるなど、EVの不安を払拭するシステムとなっています。
上段ベッドと下部ベッドを備えた3名就寝。大型の荷物を積む余裕がうれしい。水回りはありませんが、RVパークやキャンプ場利用であれば問題ありません
下段ベッドの下がオプションのポータブル電源を並べる場所。展示車両はオプションの電子レンジが置かれていますが、EcoFlowの「DELTA 2 Max」または「DELTA3」と、エクストラバッテリーを最大3台接続できます。この場合はベッド下に電子レンジを置けません
空間に限りがあるので希望する機能"全部のせ"は厳しいこともあります。けれどもこのクラスの車中泊カーにはベッドメイクやバッテリーの拡張など各社の技術と知恵がギッチリ。思いのほかのびのび過ごせます。
大森弘恵
おおもり・ひろえ フリーランスのライター、編集者。主なテーマはアウトドアと旅で、ときどきキャンピングカーと料理の記事も。身軽なソロキャンプ歴は約40年、愛車はヤマハ・WR250R
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