原っぱに駐車しているミニバンベースのキャンピングカー
編集=伴 隆之

実はこれキャンピングカー! 車中泊も普段使いもできるハイエース未満の“コンパクトバンコン”5選

ステップワゴン、フリード、NV200…駐車も運転も楽々な“小さめ”バンコンを厳選
伴 隆之

キャンピングカーで人気の「バンコン」ですが、ハイエースベースは大きくて運転が不安…という人も多いはず。そこで注目したいのが、ステップワゴンやフリード、NV200などをベースにした“コンパクトバンコン”です。取り回しがよく、車中泊旅はもちろん普段使いもしやすいのが魅力。今回はキャンピングカーライター・伴 隆之さんが、ハイエースより小さくて使いやすい5台を厳選して紹介します。

目次

車中泊旅にも普段使いにも。“小さめ”バンコンがちょうどいい

ステップワゴンベースのキャンピングカーのラゲッジを開けた風景

キャンピングカーのなかで最も人気のあるジャンルが、「バンコン」と呼ばれるミニバンやワンボックスをベースに架装したモデルです。

日本RV協会によると、2025年に販売されたキャンピングカーは新車・中古車を含め1万3435台。そのなかでバンコンは7726台と約57%を占めています。

そんなバンコンの人気ベース車といえばトヨタ・ハイエースを筆頭に、その次に日産・キャラバンといった商用ワンボックスが続きます。ただし、近年ではその人気の高さに加え、世界的な半導体や部品不足などにより、ベース車両自体が供給不足となっています。

それでもバンコン人気は依然として衰えておらず、さまざまなベース車のバンコンが登場。いまはミニバンや商用コンパクトワンボックス車をベースにした「コンパクト」モデルに注目が集まっています。

ハイエースよりも小さくて取り回しがよく、車中泊旅はもちろん、買い物や送り迎えなど普段使いもしやすいのが魅力です。

そこで今回は、日常生活にも溶け込みやすい「コンパクトバンコン」に注目。おすすめの5モデルを紹介します。

アネックス / カヌレ コンフォート

NV200の外観斜め前からの写真

ANNEX Canelé comfort/全長4410×全幅1695×全高1885mm/乗車定員5人/就寝定員2人(エレーベーティングルーフ装着モデルは4人)

かわいくておしゃれなスタイルに充実の装備

フランスのボルドー地方伝統のお菓子の名を冠した「カヌレ」。モデル名のイメージと重なる「小さくて、可愛く、美味しい」がコンセプト。

ベース車は日産・NV200バネット。2人旅仕様のノーマルルーフモデル(写真)に加え、4人就寝が可能なエレベーティングルーフモデルもラインアップし、ファミリーユースにも対応しています。

キャンピングカーのインテリア全景

反転させたセカンドシートと荷室左側のソファでL字のリビングを展開

セカンドシートにキャンピングカー専用シートであるFASPシートを装備し、その右横には多機能カウンターを搭載。ここに電子レンジやポータブル冷蔵庫なども設置できるようになっています。

クルマのセカンドシートを後ろ向きに反転

セカンドシート横の多機能カウンターが秀逸。カウンター下はちょっとした収納スペースになっている

キャンピングカーの車内テーブルとリビング

バックドア側にテーブルがセットでき、移動時やベッド展開時には荷物置きとしても活用できる。バックドアのアクリル2重窓はオプション。リアクオーターウインドウのリアサイドウィンドウシェルフはオプション

リビングはセカンドシートを反転させて、荷室にあるベッドマットとL字リビングの展開ができる設計。荷室右サイドにはキッチンキャビネットを配し、キャビネット天板をリアカウンターとして利用できるほか、後部には脱着式テーブルも備わり、リビングモードではテーブルにお皿やグラスなども置きやすくなっています。

キャンピングカーのベッド展開をした写真

セカンドシートと荷室にマットをセットしベッドを展開。サイズは長さ2000×幅1000mm

ベッドはセカンドシートをフラットにし、荷室にベッドマットを置くだけ。ベッド下が収納スペースになるほか多機能カウンター下にもスペースがあり、リアサイドウィンドウシェルフもオプションで用意。

キャンピングカー車内に設置された車載用クーラー

車載クーラーはオプション。2タイプのクーラーパッケージを用意

ほかにも注目のオプションとして左リアクオーターウインドウにはDC12Vクーラーが装備できるほか、リアアクリルウィンドウを選択すれば換気と遮熱性が向上するだけでなく、窓の開閉に加えて網戸、シェードも使え、快適性がアップするなど、アップデートできるアイテムも数多く用意。

キャンピングカーの車内をラゲッジ側から撮影

フロア部分に長尺物を積むことも可能

キャンピングカーの荷室ソファの収納庫

荷室ソファ下は収納スペースとして活用できる

カヌレコンフォートは3つのグレード展開で、標準モデルのほかにクーラーパッケージとクーラーパッケージプラスを用意。電装システムは鉛70Ahサブバッテリーがクーラーパッケージと標準モデルに搭載され、クーラーパッケージプラスには300Ahリチウムイオン電池が採用されています。モダンかつかわいいスタイルに、本格的かつ高品質な装備がギュッと詰まったモデルとなっています。


■標準装備 
70Ahサブバッテリー、12L給水タンク、12L排水タンク、リアスピーカー、ダウンライト6個、外部電源装置
■価格:415万2500円〜
アネックスウェブサイト

ロッキー2 / ステップワゴン MV

草原で斜め前から撮影したステップワゴンのキャンピングカー

ROCKY2 STEP WGN MV/全長4800×全幅1840×全高2040mm/乗車定員5人/就寝定員2人

すべてがちょうどいいサイズと運転のしやすさ

2026年5月で誕生30年を迎える、ホンダが誇るファミリーミニバンのステップワゴン。現行モデルは6代目でエアーとスパーダの異なるキャラクターを展開。純正では7人乗り/8人乗りの設定ですが、8人乗り仕様の3列目シートを廃し4/5人乗りモデルにしたのがこのステップワゴンMV。

ステップワゴンのキャンピングカー車内風景

荷室のベッドマットとセカンドシートを使って対面でリビングを展開

セカンドシートは純正のものを使用し、前倒ししたセカンドシートと荷室のベッドマットを利用してリビングを展開。ベッドフレームにはアルミの角材を採用し、軽量かつ耐久性がありながら、組み立てや分解も楽々。

荷室の両サイドにはスリムタイプのカウンターキャビネットを装備。右キャビネットにはテーブルがセットできるようになっており、リビングの展開も簡単に行え、足を下ろして対面でくつろげます。

ステップワゴンキャンパーの車内キャビネット

荷室左キャビネットの天板は小物置きに最適。キャビネット壁面に5連スイッチパネルやボルトメーター、USBポート、AC100Vコンセントを集約

ステップワゴンキャンパーの車内キャビネット

右キャビネットはブックシェルフにも使えるスペースを確保

ベッド展開もフレームの上にマットをセットするだけと簡単。3列目シートを格納していた荷室フロア部が収納スペースに変更されており、ここに走行充電システムといった電装品が収まり、ベッド下の収納スペースも広々と使えます。

キャンピングカーの車内テーブルの上に食器を並べた風景

脱着式のフレキシブルテーブルは右キャビネットのテーブルレールにセットして利用

標準グレードの「車中泊キット」はベッドキットやキャビネットにテーブルなど、車中泊に必須なものがベースとなっており、「電装キット」では車中泊キットプラス200Ahリチウムイオンサブバッテリーや40Ah走行充電器、LED天井照明、1500Wインバーターなどより本格的なキットもラインアップ。

車内に設置されたルーフエアコン

オプションのルーフエアコン。電装キットを選択すればサブバッテリーからの稼働も可能。静音性に優れ、タッチパネルのほか、リモコンで温度調整も行える。LED照明も電装キットに付随

さらに、オプションでDC12Vルーフクーラーに天井断熱加工、ソーラーパネル、FFヒーターなども用意しており、好みに応じて拡張していくことも可能です。

■標準装備(車中泊キット)
ベッドキット、左右キャビネット、脱着式テーブル
■価格:480万円〜
ロッキー2ウェブサイト

日産ピーズフィールドクラフト / クラフトキャンパー ルミーノ

ツートーンカラーのNV200外観

NISSAN P's Field Craft CRAFT CAMPER LUMINO/全長4410×全幅1695×全高1855 mm(2WD)/乗車定員5人/就寝定員2人

日産直系ブランドが手がける細部にまでこだわった一台

日産プリンス東京販売(現:日産東京販売)の関連会社として創設された日産ピーズフィールドクラフトは、日産直系を生かしたサービスや安心さで人気のあるブランド。キャラバンやセレナ、NV200バネットなどをベースに現在7モデルのキャンピングカーをラインアップしています。

2026年にデビューしたクラフトキャンパールミーノはNV200バネットをベースにしたモデルで、モデル名にある「ルミーノ」はイタリア語で「ともしび」や「ランプ」を意味しています。

NV200キャンピングカーのリビング全景

リビングは反転させたセカンドシートと荷室のベッドマットで対面して着座できる

NV200キャンピングカーのリビング全景

セカンドシートをそのままに、テーブルのみセットして横並びで休憩もできる

リビングはセカンドシートを前向きのままテーブルがセットできるため、2人で並んで食事することも可能。また、セカンドシートを反転させて荷室のベッドマットとの対面リビングにすることもできる2ウェイ仕様となっています。

NV200キャンパーのベッド展開

ベッドサイズは長さ1890×幅1200mm。オプションの上段ベッドは長さ900×幅1300mmでチャイルドベッドやペットケージや荷物置きとしても活躍

荷室両脇のキャビネット部分は切り欠きが設けられ、セカンドシートの背もたれがキャビネットにぶつかることなくスムーズにベッドやリビングモードを展開できるようになっているのもポイント。

NV200キャンパーの車内テーブル展開

移動時などはテーブルを写真のように左右カウンターに橋渡ししてセット可能。左カウンターにはフタ付きコンパクトシンクを搭載。リアクオーターウインドウ部にはサイドモールシステムも装備

荷室左サイドのリアクオーターウインドウ部分にサイドモールシステム付きの窓埋めボードを搭載。右キャビネット側は100Ahリチウムイオンサブバッテリーなどの電装システムや集中スイッチ、ACやUSBポートを集約した機能的な作り。

車載クーラー

オプションのDC12Vクーラーがあれば、夏も快適に車中泊が行える

さらに、右キャビネットには旅のスタイルに合わせてDC12Vクーラーをオプションで家具内に装着することも可能となっています。ほかにも、夫婦と子供1人、またはペットとの旅にもしっかり対応できるよう上段ベッドもオプションで用意。断熱・騒音対策に加えて水まわりと装備も充実した一台です。

NV200キャンパーの車内天井照明

天井には6つの調光付き照明が備わった飾り板が装備され、夜間のムードも満点

キャンピングカーのサブバッテリー収納庫

DC12Vクーラーにリチウムイオンサブバッテリー、FFヒーター、ルーフベントまたは200Wソーラーパネル、クーラー専用電源ソケットがセットになった「12Vクーラーパック」を用意

■標準装備
断熱加工(天井・サイドパネル・床)/コンパクトシンク&給排水タンク(各12L)/リチウムイオンサブバッテリー(100Ah)/走行充電システム/外部電源入力
■価格:546万5900円〜
日産ピーズフィールドクラフトウェブサイト

フロット・モビール / シュピーレン クーラー付き仕様

タウンエースの外観

Flott・Mobil Spielen/全長4045×全幅1665×全高1980mm/乗車定員4人/5人(選択可能)/就寝定員2人

ロングセラーモデルにクーラー装着モデルが追加

2014年に「軽自動車以上ハイエース未満」というコンセプトで登場。乗車人数や旅に合わせてセカンドシートに1人掛けのバタフライシートや2人掛けのバタフライシート、分割式1+1人掛けバタフライシート、3人掛けバタフライシートなど、4つのモデルをラインアップ。タウンエースバンをベースにしたロングセラーの人気モデルにクーラーを搭載したモデルが追加されました。ここでは乗車定員4人の2人掛けバタフライシート仕様を紹介します。

タウンエースキャンピングカーの車内リビング

セカンドシートに2人掛けバタフライシートを採用し、L字リビングに展開が可能。キャビネットにテーブルをセットしてくつろげる

タウンエースキャンパーの車内キャビネット

左キャビネットに内蔵されたキャンクール。上部台座が回転し、吹き出し口と合わせ角度調整もしやすい

荷室の左サイドにキャビネットを搭載し、ここにシンクと車載クーラーであるキャンクールを内蔵。キャンクールは自動車部品メーカーとして知られる「デンソー」が開発し、産業用電装機器メーカーの「大和電業」が製品化して販売。

キャンクールは、室内機・室外機が一体型なので、取り付けがしやすいのが特徴。クーラーの電源はDC24V仕様で消費電力が定格300Wと別売りのポータブル電源でも稼働させられる省電力さが魅力で、冷却能力は700Wとなっています。

タウンエースベースのキャンピングカーの車内をラゲッジ側から撮影

セカンドシートの座面が跳ね上げられるほか、荷室の横向きソファも跳ね上げられるので、荷物が多いときも荷室を広くして使うことができる

リビングはキャビネットにテーブルがセットできカウンターと合わせ広く使える設計。反転させた2人掛けバタフライシートと荷室のベッドマットでL字のリビングでくつろげます。

タウンエースベースのキャンピングカーのベッド展開写真

ベッドサイズは長さ2050×幅1200(最大)mm。長さにも余裕がありマットの質感も高い

ベッドは荷室にマットをセットするだけと手間要らず。旅の移動時や普段荷物が多いときなどはバタフライシートの座面を跳ね上げ、シートスライドを手前にセットすれば広大な荷室としても活用できます。

キャンピングカーの電装システム

右ソファ下には電装システムを格納し、収納スペースも確保している

キャンピングカーの車内シンク

キャビネットにはフタ付きのコンパクトシンクも装備し、洗顔や歯磨きも可能

断熱施工に加え、10L給排水タンク、105Ahサブバッテリーに走行充電システムなどが標準装備。おまけにクーラーも備わって快適に2人旅ができる仕様になっています。

キャンピングカー車内の換気扇

天井には4つのLEDダウンライトが備わるほか、後端には吊り棚を装備。ルーフベント(換気扇)はオプションで用意。天井スピーカーを標準装備し、集中スイッチも備わる

■標準装備 
車載用DC24Vクーラー/10L給水タンク/10L排水タンク/カセットコンロ/外部電源装置
■価格:480万円〜
フロット・モビールウェブサイト

ルートシックス / リエラ

フリードのキャンピングカーの外観写真

ROUTE SIX Liera/全長4310×全幅1720×全高1880mm/乗車定員4人/就寝定員2人

ルーフクーラーを標準装備しつつリーズナブルな価格

ホンダの人気コンパクトカーであるフリード。昨年の販売台数は9万437台とホンダのラインアップではトップを誇るモデルで、エアーとアウトドアテイストのクロスターといった異なるキャラクターの2モデルをリリース。エンジンは1.5Lガソリンとe:HEVから選択ができ、リエラはフリード・クロスター(5人乗り)がベースになっています。

キャンピングカーの車内インテリア

荷室とセカンドシートを利用してリビングに展開

キャンピングカーのソファ展開

L字のリビングで大人2人がゆっくりとくつろげる。低床フロアにより広々とした空間

リビングやベッドはセカンドシートと荷室スペースで展開。セカンドシートを前倒しして格納し、荷室右側にある収納ボックスとセカンドシートの背もたれ背面にベッドマットをセットするだけでL字のリビングモードが出現。

フリードのバックドアに取り付けられたテーブル収納

テーブルはバックドアに格納できて便利

テーブルはバックドアの内側に収納できるため、セットも収納も簡単に行えます。

車内のルーフクーラー

DC12Vルーフクーラーが標準装備され夏場も快適

天井部分には断熱加工に加えて調光式LEDダウンライトが備わるほか、ルーフクーラーも標準装備。セカンドシートの床面高は390mm(ライター実測)と低く、室内高は最大で1285mmもあるため、リビングでくつろぐ際も外観の見た目以上にゆったりと過ごせます。

キャンピングカーの車内ベッド展開写真

ベッド長は1900mmを確保し大人2人が就寝可能

リビングからのベッド展開はテーブルをバックドアホルダーに収納し、テーブルのあった場所にマットをセットするだけ。

サブバッテリーや水まわりなどの本格装備は搭載していませんが、普段使いに加えて休日はソロやカップルでの車中泊に使えるマルチな一台。クーラーも装備しつつリーズナブルな価格も見逃せません。

こちらのモデルは現在、注文急増により受注停止中(2026年4月中旬現在)。生産体制が整い次第、受注再開するとのことなので、今後の動向に注目です。

■標準装備 
DC12Vルーフクーラー/AC-DCコンバーター/AC外部入力電源/調光式LED照明など
■受注停止中のため価格未定
ルートシックスウェブサイト

コンパクトキャンパーなら車中泊の旅も普段使いも両立できる!

ステップワゴンの真正面写真

コンパクトバンコンならではの取り回しの良さや駐車のしやすさなど、普段使いしやすいのが大きな魅力。

またひと言でコンパクトバンコンと言っても、今回紹介したモデルのようにベース車や装備面・作り手の個性など、さまざまな違いがあります。駐車場のスペースや価格面など、キャンピングカーでの車中泊旅をあきらめていた方も、身近なベース車で週末旅や旅の途中でくつろげる魅力的なモデルが多いとわかっていただけたのではないでしょうか。 

伴 隆之

ばん たかゆき 自動車専門誌の編集者を経て、その後独立。2年ほどカリフォルニアに住んでいたこともあり、アウトドアと旅が趣味。ニュージーランドでのキャンピングカー旅が特に好きで南北計4回ほど走破。旅やキャンピングカーを中心にライススタイル誌などに執筆している。愛車は1967年式イノチェンティ・ランブレッタに加え、日産エルグランドをベースに自身で製作した車中泊カー。現在はキャンピングカー専門誌にて全国のRVパークを紹介する連載も担当中。

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