趣味人をうならせる車中泊カーのキービジュアル
写真=中里慎一郎/文=大森弘恵

アクティブな趣味満喫トリップにぴったり! 趣味人をうならせる車中泊カー5選

広い荷室と広いベッドにプラスするこだわり機能

クルマの中で寝泊まりできる車中泊カーやキャンピングカーは、金曜の夜に出発して仮眠を取り、土曜の朝からたっぷり趣味に浸る……そんな自由気ままな旅をサポートしてくれます。
9月に開催された「横浜キャンピングカーショー2024」には、身体を休める広いベッドと大きな荷室をもつ『趣味満喫トリップ』向きの車両がズラリ。なかでもこだわり機能をもち趣味人の満足度が高いモデルを、車中泊・アウトドアに詳しいライター・大森弘恵さんがピックアップしました。

目次

「リーフ」のバッテリー技術で電源確保の不安を解消!

日産「キャラバン MYROOM」

日産「キャラバン MYROOM」

『部屋ごと出かけて憩うクルマ』がコンセプトの車中泊カー「キャラバン MYROOM」は、上部に収納棚のないスッキリしたインテリア。
そのためベッド幅は1204mm。
キャンピングカーでは大人ひとり分のベッドサイズが500×1800mmとされているので「キャラバン MYROOM」は大人2名でもゆとりのあるサイズになっています。
しかもベッドを跳ね上げれば大空間。木目調フロアは養生が不可欠ですがスノーバイクのような嵩張るギアも積み込めます。

MYROOMベッド

ベッドは2タイプから選べ、跳ね上げ式なら軽い力でベッドメイクが完了。ソフトランディングして手を挟み込むこともありません。ベッド下は1865×810×H258mmもあるためスキー板やスノーボードも収まります

MYROOM収納

EV「リーフ」の使用済みバッテリーをリサイクルしたポータブル電源をオプションで搭載可能。車両後部に充電と給電のソケットがあり、急速ではありませんがエンジンを回している間に充電してくれます。633Whと決して大容量ではありませんが、幅広い温度(-20℃〜60℃)で使用OK。スマホの充電はもちろん、電気毛布や扇風機、そして停車時換気システムを使えるのがうれしいですね

MYROOMスクリーン

ロールスクリーンは目隠しに役立つほか、ホームシアターとしても利用できます。音漏れや光漏れに十分注意して楽しみましょう

MYROOMランプ

外部電源入力システムを搭載しているのでキャンプ場やRVパークのAC電源を使用可能。電源コードをつないだままクルマを動かすことがないよう、赤いランプで知らせてくれるのもうれしい配慮

遊んだ後の片付けがラクになる、外部シャワーがうれしい!

クラフト「C-Style」

クラフト「C-Style」

ハイエースのナローボディで全高2m以下に抑えた「C-Style」は立体駐車場にも入るキャンピングカーです。
ロングスライドレールを採用していて、後部シートをたたんで運転席背面にピタッとくっつければ自転車も収まるビッグな荷室が出現。
ベッド(1050×1900mm)下の収納は期待できませんが、オプションの2段ベッド(1500×1500mm)を用いてそこを就寝時の収納棚として使えます。

C-Style荷室

後部シートは5cm刻みで位置を決められます。キャビネットは薄めなので後部シートをめいっぱい後ろにずらした状態でもなかなかの収納スペース。床材の後端をステンレスでカバーしているのもうれしいですね

C-Styleのシャワー

後部のミニシンクは側面にシャワーホースを取り付けて外部シャワーとして利用OK。ボードを洗う、ウェットスーツのまま頭から水を浴びるなんてことができます

C-Styleの電源

出力2000Wのポータブル電源と外部電源システムを標準装備。キャビネット前方にUSBポート、後部でもポータブル電源のポートを使えるのは何気に便利

見えないけれど重要な遮音遮熱施工

キャンパー鹿児島「CV390」

キャンパー鹿児島「CV390」

「CV390」は派手な装備のないシンプルな車中泊カー。後部ベンチシートを跳ね上げるだけで大きな荷室を生み出しますが、荷室の大きさ以上に注目したいのが「遮音・遮熱施工済み」だということ。
バンコン(※1)はキャブコン(※2)に比べて遮熱・遮音性が低いとされていて、この施工がきっちりしていると居住性に大きな差が生まれます。目に見えないところですが大きなポイント。

※1 バンベースのキャンピングカー
※2 トラックベースのキャンピングカー

CV390リビング

後ろ向きにした後部シートとベンチシートでL型にして、片側のキャビネットをちょっとしたテーブル替わりに使います。よくある取り外しできるテーブルは、外したあとの置き場に困るのでこれでいいのかも

CV390ベッド

ベッドは約1400×2100mm。あえてベッド展開時にも荷物を置けるようスペースを確保しています

スノートリップにうれしいFFヒーター

バンレボ「MR-X POP 車中泊快適パッケージ」

バンレボ「MR-X POP 車中泊快適パッケージ」

ノア ハイブリッドXに外部電源システム、ソーラーパネル、ポップアップルーフなどを搭載し車中泊カーに仕上げたのが「MR-X POP 車中泊快適パッケージ」。
サイドのキャビネットにはシンクや電子レンジがビルトイン。コンパクトボディにも関わらず充実機能が盛り込まれていてベッド展開時には荷物を置くスペースがないように見えますが、ベッド下にぽっかり空間あり。
この車両では断熱材の代わりにFFヒーターと温度設定機能付きタイマーコントローラーを搭載し、標高1000m以上でも震えることなく眠れるようにしています。それにヒーターの温風でスキーブーツのインナーを少し温めてから履く、なんて使い方もできるんです。

MR-X室内

疲れを癒やすフルフラットベッド。ポップアップルーフ車であればマットを外して後部全体を荷室にしてもよし。遊び道具の多い人も安心です

MR-Xヒーター

冬の車中泊にうれしいFFヒーター。吹きだし口は運転席側のキャビネット側面にありました

MR-Xソーラー

ルーフには薄型ソーラーパネルが。走行充電と外部充電を加えた3つの方法でサブバッテリーを充電できるのは、長期トリップで頼りになります

コンパクトトレーラーでガレージ丸ごと移動

ケイワークス「トレイルワークス 460 カーゴ キャンパーエディション」

ケイワークス「トレイルワークス 460 カーゴ キャンパーエディション」

バイクが載る小型トレーラーにベッドやポータブル電源などを搭載。一般的なカーゴトレーラーとは違い断熱が効いて過ごしやすく、スロープ付きなので自転車やキャンピングカートを押しながら出し入れできます。旅に出ないときでも趣味部屋として使ってもよし。
家族とのトリップなら、車中泊カーで引っ張り就寝スペースを増やすというテもあります。

460CARGO室内

サブバッテリーやシンク、ベッドマットなどを装備し寝泊まりOK。床は傷がつきにくいゴムマット仕様


荷室に余裕があると、趣味の道具が多くても積み込みに頭を悩ますことはありません。サッと積み込み、渋滞する前に次の町へ進めば心にゆとりも生まれますよ。

大森弘恵

おおもり・ひろえ フリーランスのライター、編集者。主なテーマはアウトドアと旅で、ときどきキャンピングカーと料理の記事も。身軽なソロキャンプ歴は約40年、愛車はヤマハ・WR250R

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