撮影=岡本真直 スタイリング=綾部恵美子 料理・文=川津幸子

大人気! 「海鮮おつまみ」BEST5

川津幸子さんの「これ、作ってみて!」
川津幸子

お酒好きも、お酒を飲まない人も、みんな集まれ! 今月は、海鮮を使ったおつまみ特集です。 今が旬の、かつおやあさりのほか、手軽に市販の刺し身盛り合わせを利用したものなど、簡単にできるメニューを集めました。友人の「かつおのごま酢かけが、小学生の子供に大ウケでした」という声を聞いて、自分が小さかった頃、晩酌をする父のつまみをちょいと失敬しながら、酒の肴には、おいしいものが多いなと思ったことを思い出してみたり。家族で囲む夕食の一品にも、おすすめです。

刺し身サラダ

刺身サラダ

そもそもは三十数年前に、台湾の友人に習った料理。日本の刺し身と違い、紅白の千切り野菜をたっぷりと器に敷き、刺し身の上に、香ばしく揚げたワンタンの皮や松の実を散らした華やかさに感激しました。さらに、極めつけはたれのおいしさ。オイスターソースとごま油風味のしょうゆだれで、立派な中華のごちそうになります。以来、もてなしに、つまみにと、作り続けています。

あさりの紹興酒蒸し

あさりの紹興酒蒸し

あさりといえば、みそ汁や酒蒸しが得意という方も多いのでは? おつまみにしたいときは、少し目先を変えて、こんな中華風の一品はいかがでしょう。にんにくとしょうがを炒め、紹興酒風味のしょうゆだれをかけて蒸し煮するだけ。あつあつに、豆板醤を添えてすすめてみてください。見る見る貝殻の山ができるはず。

中華風えびフライ

中華風えびフライ

一見、見慣れたえびフライ。ですが、口にしたとたん、「あれっ!?」となる人が多数。ふわっとにんにくやごま油が香って、ひとつまたひとつと手がのびる、くせになる一品です。立派なえびの必要はありません。むしろ、一口でパクリと食べられるよう、手近なバナメイえびがおすすめなのも二重丸。

かつおのごま酢かけ

かつおのごま酢かけ

わが家では、「たたき」と人気を二分するかつお料理。ごま酢といっても、だしをきかせて飲めるくらいに調えているので、酸っぱいのが苦手という人にもすすめてみてください。目先が変わるので、最近は、来客のときに、このごま酢かけを出すことが多くなりました。「初めて食べた」「おいしいものですね」という感想が返ってきてうれしくなります。

明太ポテト

明太ポテト

ゆでてほくほくのじゃが芋と、ほんのりにんにくのきいた明太子ペーストの相性が抜群。いわば、ギリシャの名物料理タラモサラタの簡単版です。全体をざっくり混ぜ合わせてもおいしく、お酒を飲まない人も、子供たちも、新しいポテトサラダとして楽しめます。お酒派なら、やっぱり白ワインかな。

川津幸子

かわつ・ゆきこ 料理編集者、料理研究家。雑誌『オレンジページ』創刊や、栗原はるみさんの『ごちそうさまが、ききたくて。』など数々のヒット作を手掛けた後、1995年から1年間エコールキュリネール国立(現エコール辻東京)でフランス料理を学ぶ。以後は、料理研究家と編集者を兼ねながら、料理の楽しさを伝えている。作る人の視点に立った、簡単でおいしい料理が好評で、『100文字レシピ』シリーズをはじめ、『いつもキッチンからいいにおい』(オレンジページ)、『ごはんよ、急げ!』『さあ、腕まくり』(幻冬舎)、『そろそろ大人のおいしい暮らし』(マガジンハウス)、『100円100品100文字レシピ』(文藝春秋)、『しゃばけごはん』(新潮社)など著書多数。新潮文庫「100文字レシピ」の全シリーズが、電子書籍になって好評配信中。

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