うみねこライン(青森県)。日本離れした色彩美に包まれる海辺の絶景ルート
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
青森県の八戸(はちのへ)市は国内屈指の水揚げ量を誇り、朝市文化などでも知られている。そんな八戸市の鮫(さめ)町から種差海岸を経て階上(はしかみ)町までの太平洋を望む海岸線ルート。
四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
三陸の力強さと優しさを感じる「うみねこライン」
写真2 葦毛崎展望台は、太平洋戦争末期に旧日本軍が軍事施設として使用していた。現在は展望台として一般開放され、遊歩道からの景色はまるでヨーロッパの古城のようだ
青森県八戸市の太平洋側にある種差(たねさし)海岸は、ウミネコの群れや四季折々の花々、そして荒々しい岩肌の海岸や穏やかで美しい鳴砂の浜などさまざまな眺めが楽しめる。三陸復興国立公園の北端に位置し、ここを走る県道1号が「うみねこライン」だ。この道は東山魁夷(ひがしやまかいい)の代表作「道」のモデルとなった場所としても知られている。
写真3 太平洋を270度見渡せる大パノラマ。別世界にきたかのような荒々しい岩場と穏やかな天然芝の景色が続く
八戸市街から県道1号を東へ走ると蕪島(かぶしま)が見えてくる。ここはウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されていて、4月の産卵から8月にヒナが成長して旅立ちまで多くのウミネコが飛び回っている。さらに東へ向かうとやがて太平洋が現れる。駐車場に車を停めて葦毛崎(あしげざき)展望台に立つと目の前には太平洋の大海原が広がる。
文学・芸術のモチーフにもなった海岸線
写真4 日本画の巨匠・東山魁夷の名作「道」のモチーフになったとされる碑が建てられ、絵画のような世界に入り込んだ道が続く
葦毛崎の次に現れるのは中須賀海岸で荒々しい岩礁や小さな入り江が続く。ここに東山魁夷の「道」の碑があり、彼の代表作「道」のモデルになった場所だ。中須賀海岸を過ぎさらに南下する。車の窓を開けると潮の香りと少し冷たい海風が入り開放的な気持ちに浸れる。やがて松林の向こうに緑の草原が現れる。ここが種差海岸で、草原は海まで続いていて、青い海とのコントラストが美しい。
写真5 海のすぐ側まで天然の美しい緑の芝生が広がっている種差海岸。青い海と緑の芝生コントラストは、日本国内でもなかなか見られない独特の景色だ
うみねこライン データ
うみねこラインは、八戸自動車道・八戸ICから県道29号で太平洋側へ。白銀(しろがね)町から県道1号に入り鮫町方面へ向かうとアクセスできる。サイクリングも盛んな道なので通過の際には注意しよう。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
うみねこラインの近くの日本遺産は、こちらをチェック!
日本遺産
とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
うみねこラインが走る青森県にも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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