房総フラワーライン(千葉県)。房総半島の先端をなぞる海岸線コース
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け房総半島の先端をなぞる、海岸線コースの房総フラワーライン(千葉県)を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
房総半島のレジャーエリアをつなぐ大動脈
千葉県の房総半島の南は沖合を流れる黒潮の影響で冬は暖かく夏は涼しい温暖な気候。雄大な海に囲まれていることから夏は海水浴、ダイビングやサーフィンなど、マリンレジャーが盛んだが、年が明けると菜の花をはじめさまざまな花が咲き誇る。
写真2 海沿いから少し離れた場所では、ほぼ直線路になる
こんな南房総の海岸を走るのが房総フラワーライン。館山市から南房総市まで約46kmの海岸線の道だが今回はその中の洲埼(すのさき)灯台から野島埼灯台までのルートを紹介する。
写真3 野島崎に近くなるほど、波によって削られた奇岩が多く見られる
洲埼灯台は東京湾の入り口にあり1919年に点灯を開始した高さ約15mの灯台。国の登録有形文化財にも指定されていて、東京湾や太平洋を一望することができる。東へ向かってしばらく走ると平砂浦(へいさうら)海岸になるが、この付近で1月から3月にかけて道の両側に菜の花が咲く。またこの平砂浦は冬季の強い南西の風を防ぐためのクロマツ林が広がっていて「白砂青松100選」に選定されている。
奇岩や屏風岩が広がる珍しい海岸
写真4 野島崎にある奇岩群の中に、「房総半島最南端之碑」が設置されている
国道410号に入ってさらに東へ進むと房総半島最南端の野島崎に着く。ここに建つのが野島埼灯台で白く輝く姿は「白鳥の灯台」と呼ばれ展望台からは太平洋やその向こうに伊豆大島も見渡すことができる。
写真5 洲崎灯台は、現役の灯台として稼働している
周辺は野島崎公園になっていて最南端之碑や朝日と夕日の見えるベンチなどがある。今回紹介するルートはここまでだが、国道410号をさらに東へ走ると千倉町の花畑があり早春の花摘みを満喫できる。
房総フラワーライン(千葉県)データ
今回紹介したのは房総フラワーラインの一部で、千葉県館山市の洲埼灯台から南房総市の野島埼灯台まで。東京方面からのアクセスは、国道127号を経由し、館山市街地から県道257号へ海沿いを進む。海水浴場が点在しており、交通量は多い。洲崎灯台への入り口看板が見えてからが今回のルートだ。相浜から国道410号と合流する。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
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日本遺産
とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
房総フラワーラインが走る千葉県にも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?
須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape