鷲羽山スカイライン(岡山県)。日本夜景遺産のコンビナート工場群を望む観光ルート
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け日本夜景遺産のコンビナート工場群を望む鷲羽山スカイライン(岡山県)を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
自然と工業地帯が混じった独特の世界が広がる
鷲羽山(わしゅうざん)は児島半島の南西端にあり、瀬戸内海国立公園の代表的な景勝地として知られる。この鷲羽山を南北に縦貫するのが鷲羽山スカイラインで、全長約18kmの観光用有料道路として1970年に開通し1995年4月より無料開放された道だ。
写真2 鷲羽山まで向かう道はアップダウンが多く、紅葉シーズンは交通量が多い
峠越えのワインディングロードでカーブの続く道だが、元有料道路だっただけあって路面は整備されていて走りやすい。そして水島コンビナートと瀬戸大橋の眺めが楽しめる。
写真3 紅葉シーズンには、多くの人が訪れる人気のルートだ
北側の県道62号から入ると道はすぐに上り始める。そして下には石油精製や石油化学を中心とした水島コンビナートが見える。さらに走ると道は標高を上げ瀬戸内海まで続く広大な工業地帯を望む。上りきった付近に水島展望台があるので車を停めて景色を眺めてみよう。日が暮れると眼下には無数の光が浮かび上がり、近未来的な大迫力の工場夜景が現れる。こんな宝石箱のような神秘的な工場夜景を見ることができる場所は全国的にも珍しい。
倉敷市の街並みから瀬戸内海の島々を望む
写真4 児島の町並みや、六口島(むくちじま)などの瀬戸内海の島々を望むことができる
さらに気持ちの良いコーナーをドライブしていると児島展望台がある。児島の町並みから瀬戸内海までの眺めが楽しめる。そして道が下り始めると正面に瀬戸大橋が見えてくる。
写真5 鷲羽山第一展望台からは、瀬戸大橋や櫃石島(ひついしじま)を間近に見ることができる
この瀬戸大橋の下で鷲羽山スカイラインは終わるが、さらに道なりに進むと鷲羽山第一展望台の入り口に出るので展望台に寄ってみよう。瀬戸内海の島々と雄大な瀬戸大橋の全景、そして対岸の四国までも見渡すことができる。
鷲羽山スカイライン(岡山県)データ
岡山県の倉敷市から、海岸沿いの児島の市街地までをつなぐ、18kmほどの山岳地帯を通るルートが鷲羽山スカイライン。有料道路時代の料金所などは瀬戸中央自動車道の水島ICから県道62号を倉敷市街地方面に進み、県道393号との交差点を曲がるとアクセスできる。道中は観光用の駐車場が多数あり、児島側に近くなると児島ICや国道30号などの分岐もあり、途中で市街地へ向かうのも容易だ。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
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日本遺産
とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
鷲羽山スカイラインが走る岡山県の近くにも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?
須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape