夜景評論家が厳選! 夜景・イルミネーションがきれいなドライブスポット15選
夜ドライブにぴったりな穴場夜景&最新イルミネーションスポットが勢ぞろい冬ならではの楽しみといえば、夜空を彩る光のイベント。特に、空気が澄んだこの時期の夜景は感動ものです。そこで夜景評論家の丸々もとおさんが、クルマで行ける「夜景・イルミネーション」スポットを選定。工場夜景や、SAから見る大パノラマ、最新の省エネエコイルミまで、15か所をピックアップ。丸々さんの推しポイントとともに紹介します。
空がクリアになる冬は夜景・イルミ鑑賞に最適
冬は空気が澄んで夜景がきれいに見えると感じませんか。これは、湿度が低く光の散乱が少ないことや、気温が下がり空気中に含まれるチリやゴミが対流しにくくなるためで、空気がクリアになり遠くまで見通せるからだと言われています。だから夜景やイルミネーションといった光のイベントを楽しむには、この時期が最適。
ただし、美しい景色を長時間楽しむには、防寒対策が欠かせません。駐車場に車を止めて外に出たり、イルミネーションを見て回ったりすることを考えると、厚着をして体温を逃がさない工夫が必要。さらに、使い捨てカイロを首や背中に貼る、手袋やマフラー、イヤーマフで末端を温める、マスクで口元を覆うなどして、寒さから身を守りましょう。
そして近年、全国各地で“夜の光”が新たなエンターテインメントとして定着してきました。夜景を楽しめる観光地が増加し、スマホ片手にフォトジェニックな風景を撮影できるスポットも人気を集めています。冬の風物詩・イルミネーションは、エコやSDGsを考慮して、光を足すのではなく引き算して美しく演出する方向に。最新の技術を生かした各地のイルミネーションスポットが毎年進化を遂げています。クルマでドライブしながら、お目当ての夜景・イルミネーションスポットに出かけて、冬を満喫しましょう。
夜景・イルミネーションがきれいなドライブスポット15選
- 【1. 宮城県】 都市部の光と川の陰影のコントラストが魅力「仙台城跡」
- 【2. 栃木県】 日本三大イルミネーションのひとつ「あしかがフラワーパーク」
- 【3. 栃木県】 牧歌的で心落ち着く夜景を堪能「足利織姫神社」
- 【4. 神奈川県】 360度に広がる名所を一望「横浜港大さん橋国際客船ターミナル」
- 【5. 静岡県】 唯一無二の体験型イルミネーション「伊豆高原グランイルミ」
- 【6. 長野県】 上り線からの夜景が圧巻「姨捨(おばすて)サービスエリア」
- 【7. 愛知県】 光と水の演出が神秘的な最新イルミ「ラグーナテンボス」
- 【8. 奈良県】 情熱的でパワーをもらえる大阪夜景「信貴生駒(しぎいこま)スカイライン」
- 【9. 広島県】 “くれ”の文字が浮かび上がる奇跡の場所「灰ヶ峰(はいがみね)」
- 【10. 山口県】 周南市を代表する工場夜景スポット「晴海親水公園」
- 【11. 香川県】 瀬戸内海の夜景を展望台から「屋島獅子(やしましし)の霊巌(れいがん)」
- 【12. 福岡県】 海沿いのダイナミックな夜景に出会える「和布刈(めかり)公園第二展望台」
- 【13. 大分県】 日本的で温かい明かりに癒やされる「八面山(はちめんざん)」
- 【14. 長崎県】 回廊式展望台で長崎の夜景を一望「鍋冠山(なべかんむりやま)公園」
- 【15. 沖縄県】 サステナブルな新しいエコイルミ「東南植物楽園」
【1. 宮城県】 都市部の光と川の陰影のコントラストが魅力「仙台城跡」
「青葉城」とも呼ばれる仙台城。本丸跡の伊達政宗公騎馬像の前に立つと見えるのは、オフィスビルやホテルなどを中心とした仙台市街地の夜景。手前にある広瀬川の陰影と、その向こう側に無数に輝く明かりがコントラストを生み、東北の力強さと都市ならではの息吹を感じられます。本丸会館に駐車場があり、クルマで行けるのも便利。毎日、日没から23時まで伊達政宗公騎馬像と本丸北壁石垣がライトアップされています。本丸跡から歩いて下り、石垣越しにまた違った雰囲気の夜景を鑑賞するのも楽しみのひとつです。
【2. 栃木県】 日本三大イルミネーションのひとつ「あしかがフラワーパーク」
●あしかがフラワーパーク/栃木県足利市迫間町607 Tel. 0284-91-4939 駐車場:あり 料金:夜の部(15:30より販売)大人1,400円 、子供700円 あしかがフラワーパーク JAF優待
今年第2回を迎えた「インターナショナルイルミネーションアワード」で2年連続1位を獲得。10万㎡の園内に500万球を超えるイルミネーションを装飾した、日本三大イルミネーションのひとつ「光の花の庭」を今年も開催します。藤色の花房をイメージした電飾が輝くシンボルツリーの「奇蹟の大藤」をはじめ、大型の壁面イルミネーションや池の水面を生かした演出など、見どころが多数あります。前に進みながら鑑賞するだけでなく、時々止まって振り返りざまの風景も楽しんでほしいポイント。どこから見ても緻密に計算された美しい光に感動するはずです。日本のイルミネーション技術が集約した、“ここでしか見られない”演出を堪能してみてください。
【3. 栃木県】 牧歌的で心落ち着く夜景を堪能「足利織姫神社」
●足利織姫神社/栃木県足利市西宮町3889 Tel. 0284-22-0313 駐車場:あり 足利織姫神社
「あしかがフラワーパーク」のイルミネーションを鑑賞したあとに立ち寄ってほしいのが、縁結びの神様で有名な「足利織姫神社」。足利市の中心地にありながら、山の中腹に建つ神社で、17:00~24:00までは神殿がライトアップされ、荘厳な雰囲気が漂います。境内から振り返ると眼下に広がるのは渡良瀬川流域の牧歌的な夜景。都市部の華やかな明かりとは異なり、田舎町ならではの素朴で味わい深い明かりに心が落ち着きます。“織姫”と名の付くロマンチックな神社で素敵な夜を過ごしてみては。
【4. 神奈川県】 360度に広がる名所を一望「横浜港大さん橋国際客船ターミナル」
●横浜港大さん橋国際客船ターミナル/神奈川県横浜市中区海岸通り1-1-4 Tel. 045-211-2304 駐車場:あり 横浜港大さん橋国際客船ターミナル
日本をはじめ世界各国の客船が寄港する、国際客船ターミナル。ターミナルの1階にある駐車場に車を止め、屋上公園の「くじらのせなか」に出ると、横浜の都会的な夜景が360度に広がります。ここは24時間開放され、いつでも無料で入ることができる場所。横浜ランドマークタワーやコスモクロック21(観覧車)、赤レンガ倉庫、横浜マリンタワー、横浜ベイブリッジなど、周辺の名所が一望できる贅沢なスポットで、赤やオレンジ、紫、緑といった艶やかな海沿いの夜景を楽しめます。運が良ければ飛鳥Ⅱなどのクルーズ船が入港していることもあり、夜景をバックに迫力のある写真を撮影できるチャンスも。屋内には映像を駆使した水族館も初登場。こちらも見逃せません。
【5. 静岡県】 唯一無二の体験型イルミネーション「伊豆高原グランイルミ」
●伊豆高原グランイルミ/静岡県伊東市富戸1090 伊豆ぐらんぱる公園 Tel. 0557-51-1122 駐車場:あり 料金:大人(中学生以上)1,800円~、小学生1,000円~、幼児(4歳以上)500円 ※曜日・シーズンにより異なる 伊豆高原グランイルミ (写真提供=伊豆高原ぐらんぱる公園)
10年目を迎え、さらに進化し続けているのが「伊豆高原グランイルミ」の体験型イルミネーション。イルミネーションの上を歩く「ウォークオンザイルミ」をはじめ、往復400mのジップライン、光輝くロングイルミネーションスライダーなど、鑑賞するだけでなくイルミネーションを体験できるのが魅力です。ライトアップされた恐竜のすむエリアを、ゴーカートで駆け抜ける大迫力のアトラクションも人気。レーザーやスモーク、LEDなどを駆使した3つのショータイムも見逃せません。専用キャリー・カートを利用すれば、ペットも一緒に入園が可能。
往復400mの"煌めくレール"でイルミネーションの上を滑るジップライン〜流星RYUSEI〜
全長110mのロングイルミネーションスライダーは、グランイルミの名物
【6. 長野県】 上り線からの夜景が圧巻「姨捨(おばすて)サービスエリア」
長野自動車道にあるサービスエリア。上下線ともにサービスエリアがありますが、夜景を楽しむには、上り線からがベター。フードコートの西側には展望スペースがあり、目の前に広がる長野市内の善光寺平の夜景が鑑賞できます。東には千曲川(ちくまがわ)が流れ、周辺は戸隠連峰、妙高山、黒姫山などの山々に囲まれた環境。その中心に善光寺平の明かりがきらびやかに輝きます。高低差があるため、遠くのほうに壮大な大パノラマが広がって見えるのが姨捨SA展望台の見どころ。大自然の中に包まれるように輝く街の夜景は、スケールが大きく鑑賞しているとすがすがしい気持ちになります。
【7. 愛知県】光と水の演出が神秘的な最新イルミ「ラグーナテンボス」
●ラグーナテンボス/愛知県蒲郡市海陽町2-3 Tel. 0570-097117 駐車場:あり ラグーナテンボス (写真提供=ラグーナテンボス)
ラグーナ イルミネーション「光と水のカーニバル」を開催中。光と水を生かした演出が特徴で、最新技術を駆使したきらびやかなイルミネーションが楽しめます。注目は深海と宇宙の神秘や美しさをテーマにした「Aqua Planet」、ジョイアマーレの浜辺(波のプール)に浮かぶ全長6mの巨大花手水(はなちょうず)「光の花園」、ウォーターアクティビティバンパーボートに乗りながら楽しめる「クリスタルアーチ」などの新たなイルミネーション。光が水に反射したり噴水ショーがあったりと、水と融合した新感覚のイルミネーションを楽しむならここがベストです。
【8. 奈良県】 情熱的でパワーをもらえる大阪夜景「信貴生駒(しぎいこま)スカイライン」
●信貴生駒スカイライン/奈良県生駒郡三郷町南畑~大阪府四條畷市上田原 Tel. 0743-74-2125 駐車場:あり 料金:普通車片道370円~、フリーパス3,120円 信貴生駒スカイライン
大阪と奈良の境界にあり、生駒山と信貴山の稜線を南北に走る有料道路。信貴生駒スカイラインの中ほどにあるのが「鐘の鳴る展望台」です。階段を上った先で楽しめるのは、大阪の平野部に広がる大パノラマの夜景。起伏が一切ない日本最大級の“面の夜景”は圧巻。オレンジや赤、ピンク、青、緑、紫など、色とりどりの派手な光がぎっしりと密集し、大阪らしさを感じさせます。おすすめの時間帯は夕暮れ時。太陽が沈むとともに空は赤々と染まり、徐々に色鮮やかな明かりが浮かび上がります。寂しさを感じさせる夕暮れとは対照的に情熱的でパワーがあり、元気をチャージしたいときに見たくなる景色です。
【9. 広島県】 “くれ”の文字が浮かび上がる奇跡の場所「灰ヶ峰(はいがみね)」
●灰ヶ峰/広島県呉市栃原町 Tel. 0823-25-3309(呉市役所) 駐車場:あり 灰ヶ峰
もともと砲台があった灰ヶ峰は標高が737mあり、呉市内の夜景が真下に見え、ダイナミックに広がります。有名なのが、展望台から見える夜景の光の筋が「くれ」と読めれば、カップルが幸せになるという伝説。ただし、いつ行っても見られるわけではなく、クルマの交通量が増える17~19時台が狙い目。道路が渋滞してヘッドライトやテールランプが点灯すると、点と点が線になり、そのつながった光が道路上に「くれ」の巨大な文字となって浮かび上がるという、奇跡の夜景スポットです。このロマンチックな夜景、一度は見る価値あり!
【10. 山口県】 周南市を代表する工場夜景スポット「晴海親水公園」
●晴海親水公園/山口県周南市晴海町 Tel. 0834-22-8372(観光振興課) 駐車場:あり 晴海親水公園
周南市を代表する徳山湾の工場夜景が間近で楽しめる夜景スポット。駐車場にクルマを止めると、手前にはヤシの木がそびえ立ち、水面を挟んだ向こう側に水蒸気が噴き出る煙突などのコンビナートを鑑賞できます。南国情緒あふれるヤシの木のシルエットと幻想的な工場夜景のミスマッチな光景は、なんともいえない不思議な魅力があります。不規則に乱反射する光は工場夜景の特徴で、眺めていると想像力がかき立てられ、インスピレーションが湧いてくるような感覚に。晴海親水公園を起点に、周南大橋方面までクルマを走らせると、さまざまな角度からの周南市一帯の工場夜景を満喫できます。
【11. 香川県】 瀬戸内海の夜景を展望台から「屋島獅子(やしましし)の霊巌(れいがん)」
●屋島獅子の霊巌/香川県高松市屋島東町 駐車場:あり
高松市北東部の屋島にある夜景スポット。展望台の下にある岩が、ほえる獅子そっくりの形であることから「獅子の霊巌」と名づけられました。断崖絶壁の展望台から見えるのは、高松市街地の美しい夜景。「日本の夕陽百選」にも選ばれていて、西側にまだ明かりが残る夕暮れ時に行けば、男木島や女木島などの瀬戸内海の島や、円すい形のかわいらしい山々などのシルエットもあわせて楽しめます。夜景と海と島々が織りなす、瀬戸内海らしい夕景・夜景のグラデーションを堪能できる人気スポットです。
【12. 福岡県】 海沿いのダイナミックな夜景に出会える「和布刈(めかり)公園第二展望台」
●和布刈公園第二展望台/福岡県北九州市門司区門司・旧門司2丁目 Tel. 093-582-4894(北九州市コールセンター) 駐車場:あり 福岡県観光WEBクロスロードふくおか
北九州市門司区にある海に面した広大な公園。展望台には木製のテラスデッキが整備され、雄大な関門海峡や時間帯によってはライトアップされた関門橋が楽しめます。行き交う船を間近に眺めることができるのも魅力。近年、対岸の下関市の湾岸部ではイルミネーションやライトアップが増加し、より一層輝きを増しています。一方、西側は人気観光地の一つとなっている門司港レトロ地区の明かりで、ナトリウム灯のオレンジ色が中心。どこか大正ロマンを感じさせる光景で、タイムスリップしたような感覚になります。
【13. 大分県】 日本的で温かい明かりに癒やされる「八面山(はちめんざん)」
●八面山/大分県中津市三光田口 Tel. 0979-43-2050(中津市三光支所地域振興課) 駐車場:あり 八面山
中津市のシンボルともいえる八面山には、天空の道展望所が設置され、いつでも「日本夜景遺産」に認定されたすばらしい夜景を楽しむことができます。八面山の夜景の魅力は、街が放つ光と手前の闇とのコントラスト。都会的で華やかな夜景とは違い、そこに暮らす人々がともす住宅街の明かりが、ただまばらに広がっているような、日本的で温かい光が特徴です。ぼんやりと曖昧に連なる明かりを眺める癒やしの時間を楽しんでみてください。
【14. 長崎県】 回廊式展望台で長崎の夜景を一望「鍋冠山(なべかんむりやま)公園」
●鍋冠山公園/長崎県長崎市出雲2-144-1 Tel. 095-822-8888(長崎市役所) 駐車場:あり 鍋冠山公園
長崎の定番夜景スポット・稲佐山(いなさやま)の対岸にあるのが鍋冠山。公園には全方角をぐるりと見渡せる回廊形式の展望台があり、長崎港や長崎市街地の夜景に加え、対岸の稲佐山山頂電波塔のライトアップも楽しめます。また、稲佐山山頂展望台がある水の浦方面には、「長崎・星物語」と題した夜空に星座が浮かび上がる演出も。海の街の港である長崎港にちなんで、北斗七星、南十字座、らしんばん座などの星座が出現します。星座演出は、20:00~21:50まで、15分間隔で5分間点灯します。時期によりますが稲佐山山頂展望台よりは混雑しないので穴場といえます。
【15. 沖縄県】 サステナブルな新しいエコイルミ「東南植物楽園」
毎年開催している「沖縄南国イルミネーション」がパワーアップ。水上に咲く光の蓮、幻想的な光の海で泳ぐ巨大ジンベエザメなど、南国らしい光の演出に心が躍ります。今年は、植物エリアで電力最小限を目指した「南国ECOライツin植物園2024」がスタート。低消費電力型LEDの導入のほか自然をテーマにして光を最小限に抑え、少ない電力でも印象に残るイルミネーションを実現。電力消費とCO2排出量の大幅な削減につながっています。沖縄から始まるサステナブルな新しいイルミネーションがすでに話題になっています。
ドライブでおすすめの全国の「夜景・イルミネーションスポット」いかがでしたでしょうか? この時期限定の美しい景色を見に行って、冬のイベントを存分に楽しみましょう。
丸々もとお
まるまる・もとお 夜景評論家、夜景プロデューサー、イルミネーションプロデューサー。(一社)夜景観光コンベンション・ビューロー代表理事。「夜景」の美しさを景観学、色彩心理学などをベースに評論する等、夜景の本質を浮き彫りにする独自の「夜景学」の構築に取り組んでいる。神戸市、横浜市、長崎市等、多数の自治体で夜景観光アドバイザーを歴任。年間数十か所、各地のイルミネーションをプロデュースしている。著作は70冊以上。最新作に『イルミネーション&ナイトエンタテインメント2025』(ぴあ)、『世界夜景紀行』(光文社新書)。
丸々もとおのスーパー夜景サイト http://www.superyakei.com
一般社団法人 夜景観光コンベンション・ビューロー http://www.yakei-cvb.or.jp/