能登半島の絶景棚田『白米千枚田』の間近をゆく。国道249号

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
須藤英一

四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。 今回は、能登半島を輪島から東へ、能登を代表する景観を眺めながら国道249号沿いの白米千枚田(しろよねせんまいだ)を走ります。

  • 令和6年能登半島地震に伴い、車両通行止めとなっている可能性があります。

日本海側の原風景を望む海岸線ルート

輪島から能登半島を東へ向かう国道249号は、海岸線を走るために名勝や奇勝が数多い。白米千枚田もこのルートのビューポイントとして有名で能登を代表する景観となっている。急斜面に幾重にも段になり、海へと広がる田んぼの数は1,000枚以上ある。ちょうど春は田植えの季節で、水を張った棚田は日本海に沈む赤い夕日とともに感動的な眺めを見せてくれる。

能登の里山里海を代表する白米千枚田。

世界農業遺産認定の白米千枚田に囲まれた景色が広がる。

道路には隣接して道の駅千枚田ポケットパークが設けられていて、ここに車を止めて上からゆっくりと棚田を眺めることができる。先人たちから続く努力の積み重ねが作る美しい景観は日本の原風景となっている。さらに国道249号を東へ走ると、三ッ子浜海岸には揚げ浜式塩田で塩を作っている塩の駅がある。海水をくみあげ手間暇かけて作った輪島塩は奥能登の海の恵み。ちょっとした資料館や売店がある。

曽々木海岸の風景。輪島市から約17kmほど進むとゴツゴツした奇岩群が現れる。

曽々木海岸の風景。輪島市から約17kmほど進むとゴツゴツした奇岩群が現れる。

さらに東へ走ると美しい自然美を見せる断崖や岩礁が続く曽々木海岸になる。豪快な断崖風景は国の名勝および天然記念物に指定されている。


データ

石川県の能登半島を囲うように続く国道249号は金沢市から七尾市までをつなぐ一般国道。総距離は約250kmで、輪島市から珠洲(すず)市に至る約24km区間は日本海の海岸線に沿うようにして走り、景勝地が続く。金沢市を起点に、県道200号・60号を経由し、のと里山海道に入り能越自動車道に接続する。のと里山空港ICを下りて県道271・1号を進むと輪島市の国道249号の起点に着く。金沢市から能登半島の輪島市までは約135km程の距離だ。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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