面河渓(愛媛県)。豊かな水源のある深緑の渓谷を巡るルート
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
豊かな水源のある深緑の渓谷を巡る、面河渓(愛媛県)を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
豊かな水源が残る源流域
愛媛県久万高原町(くまこうげんちょう)の面河渓(おもごけい)は石鎚山(いしづちさん)の南麓に広がる四国最大級の渓谷で、水質日本一に輝いた仁淀川(によどがわ)の源流域にある。ここを流れる面河川はエメラルドグリーンの清流で、川の透明度はとても高く、遊歩道からでも川底が見えるほどだ。そして奇岩や渓流などの自然が生み出す景観は美しく、国指定の名勝地となっている。春は芽吹いた若葉が鮮やかな緑色で渓谷を彩る。これらの自然は「未来に残したい日本の自然100選」や「水源の森百選」にも選ばれている。
写真2 素掘りのトンネルなど、生活道としての最低限の幅しかない道なので注意が必要な場所もある
面河渓に行くには国道494号から愛媛県道12号を石鎚山方面へ向かう。石鎚山の鳥居を越えて右折すると石鎚スカイラインの入り口になるが、真っすぐに進むと面河渓となる。すぐに面河山岳博物館があり、ここを過ぎると道は深い渓谷の中腹を走る。目の前には大きな岩がそびえ、新緑に囲まれた渓谷は深く、ダイナミックだ。橋を渡るときにその高さを知ることができる。
ダイナミックな面河川沿いの奇岩群
写真3 奇岩「亀腹」は花崗岩(かこうがん)による岩壁で、川底も石とはまた違い滑床(なめとこ)と呼ばれる独特な景観を楽しめる
しばらく走ると面河川がすぐ横に見えてくる。そして、アーチ型の五色橋を渡ると終点となるが、この五色橋付近で河原に下りて川の美しさを間近で楽しむことができる。また五色橋の奥に見えるのが高さ約100m、幅約200mの垂直にそびえ立つ奇岩「亀腹」だ。遊歩道がいくつも用意されているので、駐車場に車を止めて散策すると、多くの見どころを楽しむことができる。
面河渓(愛媛県)データ
松山自動車道の川内ICから国道11号で香川県方面へ。国道494号へ進み、面河川にあたるまで進むと、県道12号に合流する。そのまま進むと石鎚スカイラインとなるので、注意が必要だ。石鎚スカイラインのゲート手前に橋があるので、渡らずに直進するとスムーズに面河渓のルートにアクセスできる。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
面河渓の道近くの日本遺産は、こちらをチェック!
日本遺産
とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
面河渓の道が走る愛媛県にも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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