霧降高原道路(栃木県)。四季折々の自然を楽しむ山岳ルート
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
日光の自然を楽しむ山岳ルート、霧降高原道路を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
四季で変化を楽しめる絶景ルート
世界遺産の社寺がある日光市街地の北側に位置する霧降(きりふり)高原は日光国立公園の中にあり、赤薙山(あかなぎさん)の斜面に広がる高原地帯で、観光施設などが整備され四季を通じてさまざまな自然と親しむことができる。色とりどりのツツジが咲く春のつつじヶ丘、ニッコウキスゲが一面に咲き乱れる初夏のキスゲ平、秋の紅葉も美しい。日光三名瀑の霧降滝(きりふりのたき)などもある。
写真2 霧降高原は標高約1,200mの高原地帯。近隣には観光施設も多い
ここを南北に走るのが県道169号霧降高原道路で、有料観光道路だったのが2006年から無料化された。東京都内から十分に日帰りドライブが可能なので人気のあるルートである。霧降滝へ向かう分岐を過ぎると道は森の中を淡々と上り始める。緩やかなカーブの連続なので、とても走りやすい。やがて日光方面の視界が開けてくるとキスゲ平園地に着く。広い駐車場があり、初夏にはクルマを止めてニッコウキスゲを楽しむことができる。
景色と食の両方を楽しめるドライブルート
写真3 橋の前後には駐車場があるので、写真撮影ができる
キスゲ平を越えると、この道路のランドマーク的な六方沢橋(ろっぽうざわばし)に到着する。標高1,434mにかかる高さ140mのアーチ橋で、橋の上からは大絶景が楽しめる。
写真4 キスゲ平は、6月中旬から7月にかけて咲くニッコウキスゲの群落を楽しめる
六方沢橋を抜けると道は下り始め、白い柵に囲まれたなだらかな丘陵に牛が放牧された牧歌的で広大な風景の中を走り、大笹牧場に着く。全国屈指の広さを誇る牧場内には動物と一緒に遊べる施設があり、名物のジンギスカンなどが食べられる。
写真5 大笹牧場近辺では、放牧されている牛をあちこちで見られる
霧降高原道路データ
霧降高原道路へは、日光宇都宮道路の日光ICを降り、国道119号を日光東照宮方面へ進む。東武日光駅から県道169号へ右折し、道なりに進むと霧降高原道路となる。市街地は観光地のため、人通りが多いので注意が必要だ。また猿などの野生動物なども多く、むやみに近づかないようにしよう。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
霧降高原道路近くの日本遺産は、こちらをチェック!
日本遺産
とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
霧降高原道路の近くにも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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