伊良湖岬の緑に覆われた丘とその周囲を走る曲がりくねった道路、右側には広がる青い海と砂浜
写真1 伊良湖岬の海岸沿いのワインディングロード。付近には椰子の実の記念碑がある

国道42号伊良湖岬(愛知県)。伊良湖岬灯台や恋路ヶ浜を巡る南国シーサイドライン

絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
須藤英一

国道42号伊良湖(いらご)岬は、カニの形をしているといわれている愛知県の、大きなカニの爪にあたる部分。童謡「椰子(やし)の実」の舞台になるなど、南国のムードも漂っています。そんな国道42号伊良湖岬を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。

目次

太平洋と三河湾を仕切る渥美半島の南岸を走る、国道42号

道路の右側に沿って並ぶヤシの木と、遠くに見える伊良湖岬が特徴的な風景

写真2 渥美半島の先端までやって来た。写真左奥に見える小さな山の向こうに伊良湖岬がある

愛知県にある伊良湖岬は、太平洋と伊勢湾、三河湾を望む渥美半島先端の岬である。名古屋港や蒲郡(がまごおり)に向かう船が往来する海上交通の要衝で、沖合を通る船舶の安全のために伊良湖岬灯台が建てられている。岬の北側には伊良湖フェリーターミナルがあり、鳥羽へ向かう航路があるため、伊勢や紀伊半島へドライブするルートとしても便利だ。

伊良湖岬の手前にある恋路ヶ浜は、夕日の名所

伊良湖岬近くの恋路ヶ浜を撮影した風景。穏やかな波が打ち寄せる砂浜と、背景には緑の丘の上に建つホテルが見える

写真3 伊良湖岬そばの恋路ヶ浜から東に目を向ける。青空と砂浜の風景が心地よい

浜松方面から国道1号そして国道42号と走り、渥美半島の南側を行く。いくつものビーチを走るが、海はほとんど見えない。正面に小高い山が見えてきたら、伊良湖岬はもうすぐだ。日出(ひい)の石門を越えると道は上りになり、下に太平洋を望むパノラマが広がる。カーブを曲がると道は少しずつ下りになり、恋路ヶ浜が見えてくる。恋路ヶ浜は、「日本の渚百選」にも選ばれている約1kmの白い砂浜で、冬は海の向こうに沈む夕日の名所にもなっている。

伊良湖岬から西ノ浜へ。潮風に吹かれながら爽快ドライブ

青空の下、岩場の海岸に立つ白い伊良湖岬灯台。灯台へと続く遊歩道と、広がる青い海が印象的な風景

写真4 1929(昭和4)年に初点灯した伊良湖岬灯台は、日本の灯台50選にも選ばれている

恋路ヶ浜の案内板に沿って左折すると、広い駐車場がある。ここに車を停めて灯台まで歩いてみよう。10分ほど歩くと、伊良湖岬の突端に立つ白亜の灯台が眺められる。国道に戻り、フェリー乗り場を過ぎて800mほど北へ走り、左折すると海岸沿いの道に出る。ここから約6kmの海沿いの直線路となり、伊勢湾を望みながら潮風に吹かれて走る気持ちよいドライブが楽しめる。

伊良湖岬から北上して西ノ浜へ向かう海岸地域の空撮写真。右側には澄んだ青い海、左側には緑の畑と森林、中央には海岸に沿って伸びる直線道路が見える

写真5 伊良湖岬から西ノ浜へと続く海岸線の風景。青い海と緑豊かな大地、海沿いに延びる一直線の道路が印象的だ


国道42号伊良湖岬 データ

今回の国道42号のドライブルートへのアクセスは、明豊道路の大崎インターから国道259号、県道414号を経由して約26km。伊良湖と鳥羽を結ぶ伊勢湾フェリーも運航されており、関西方面からフェリーで渥美半島を目指したり、伊勢や鳥羽へと足を延ばしたりとルートのバリエーションも豊富だ。

本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

日本遺産のロゴマーク

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日本遺産 とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
国道42号が走る愛知県にも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

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