国道349号阿武隈ライン(宮城県)。江戸から続く文化を築いた大河を巡るルート
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
江戸から続く文化を築いた風光明媚(ふうこうめいび)な大河を巡るルートの、国道349号阿武隈ライン(宮城県)を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
江戸時代の輸送を支えた阿武隈(あぶくま)川
福島県から宮城県へ流れる阿武隈川は東北第二の大河で、かつて江戸と東北を結ぶ輸送の要だった。『古今集』をはじめ、古くから歌われていたという歴史・文化があり、阿武隈渓谷県立自然公園に指定されている景勝地となっている。峡谷には名勝・奇岩などの見どころも多く、屋形船に乗ってゆったりと下る「阿武隈ライン舟下り」もよく知られている。
写真2 阿武隈ライン舟下りは、四季折々の料理を舟の中で楽しむこともできる
この阿武隈川の左岸を国道349号で走るのが今回のルート。ゆったりと流れる川に沿って走る国道から、豊かな自然と風光明媚な景色を眺めながらのドライブはたいへん気持ちよい。道は大きなアップダウンもなく、急なカーブもないので、のんびりと風情のある阿武隈の風景を楽しむことができる。
両岸にはめずらしい奇岩群が続く
写真3 阿武隈川はゆるやかな流れのため、舟下りは通年で楽しめる
阿武隈急行丸森駅付近には阿武隈ライン舟下りの発着場がある。ここから上流に向かって走ると、ゆったりと流れる阿武隈川を眺められる。しばらく走ると弘法大師伝説のある「弘法の噴水」が見えてくる。あぶくま駅を過ぎると川幅が狭くなり、道幅も狭くなってきて、両岸が山に挟まれた阿武隈渓谷の様子がよくわかる。「いなか道の駅やしまや」でちょっと休憩してさらに走れば、猿跳岩(さるぱねいわ)などがあり、奇岩の景色が続いている。
国道349号阿武隈ライン(宮城県)データ
常磐自動車道の新地ICから国道113号を丸森町方面へ。途中の国道349号への標識からアクセスができる。途中まで市街地を抜けるため、交通量は多い。川沿いまで移動してしまえば、ダイナミックな河川の景色と広大な自然が広がる景色に出会える。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
国道349号阿武隈ライン近くの日本遺産は、こちらをチェック!
日本遺産
とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
国道349号阿武隈ラインが走る宮城県にも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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