佐多街道から眺める夕日
写真1 大隅半島の国道269号・佐多街道を走る。夕刻になり、鹿児島湾と西の空が茜色に染まった
広告:鹿児島県指宿市

【特別編】薩摩半島を海沿いに走り、フェリーで大隅半島に渡って本土最南端の佐多岬へ。四季を通じて楽しめる、鹿児島の爽快ドライブルート

絶景写真の専門家がおすすめする、鹿児島の美しい道(PR)
須藤英一

鹿児島県には、西に指宿や開聞岳がある薩摩半島、東には大隅半島は、本土最南端となる佐多岬など訪れるべき観光地が数多く存在します。山道を走るスカイラインやさざ波が輝く海沿いの道など、爽快なドライブが楽しめる道も。2つの半島を結ぶフェリーに乗って、鹿児島のドライブを楽しんでみませんか。日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが、薩摩半島と大隅半島を走るドライブルートを紹介します。

目次

薩摩半島の南をぐるり。国道226号を野間半島から長崎鼻をたどり、指宿へ

国道226号・後藤鼻展望所

写真2 国道226号・後藤鼻展望所の風景

写真3 国道226号・瀬平公園周辺

開聞岳がある薩摩半島では「南さつま海道」と呼ばれている国道226号を走ってみよう。薩摩半島の西には東シナ海に飛び出ている野間半島があり、リアス海岸の絶景を満喫するドライブルートになっている。南さつま市街から走り出したら、まずは高崎山展望所を目指す。高い位置から眺める東シナ海の大海原と吹上浜や崎ノ山一帯を一望することができる。

野間漁港を越えて野間半島南側に来ると、リアス海岸のために道は小さなカーブの連続となる。所々から東シナ海と野間岬方面を見ることができるが、後藤鼻展望所まで行くと映画「007は二度死ぬ」の撮影地となった沖秋目島を眺めることができる。枕崎市街を過ぎると道はJR指宿枕崎線とともに走る。この北側には知覧茶の畑が広がっていて、遠くに見えていた開聞岳が少しずつ大きくなってくる。

やがて瀬平公園駐車帯に着くが、ここでは海に浮かぶ開聞岳が眺められる。また、国道226号から少し足を延ばすと、九州最大の湖である池田湖からも開聞岳を見ることができる。開聞岳を過ぎると右側にJR日本最南端の駅として知られる西大山駅がある。ここは最南端というだけでなく、開聞岳を眺めるポイントにもなっている。さらに薩摩半島の最南端である長崎鼻にも行こう。豊玉姫(乙姫様)を祀った龍宮神社もあり、人気のパワースポットだ。国道に戻り東へ走ると山川港のフェリー乗り場はすぐだ。ここから「海の国道」フェリーなんきゅうに乗って大隅半島へ向かう。50分で渡れるのは大変便利だ。

長崎鼻にある龍宮神社

写真4 竜宮伝説発祥の地のひとつである長崎鼻にある龍宮神社。海の守り神と浦島太郎・豊玉姫(乙姫様)が出会った縁結びの神様として大切にされている

JR最南端の駅として知られる西大山駅

写真5 JR最南端の駅として知られる西大山駅。開聞岳が遠くに見える

春には菜の花が咲く池田湖

写真6 池田湖は九州最大のカルデラ湖とされ、周囲15km、最大水深233m。冬は菜の花も咲く。ドライブの際に足を延ばしてみたい

薩摩半島の指宿から大隅半島の根占へはフェリーなんきゅうで50分の船旅を

フェリーなんきゅうの写真

薩摩半島の山川港と大隅半島の根占港を結んで運航しているフェリーなんきゅう

フェリーなんきゅうから眺める開聞岳

『薩摩富士』と呼ばれる薩摩半島の開聞岳も、海上から眺めることができる

薩摩半島と大隅半島間は、船旅を楽しみたい。
薩摩半島の山川港と大隅半島の根占港を結ぶ「フェリーなんきゅう」は、国道269号の海上区間にも指定されているカーフェリー。50分の所要時間でふたつの半島を結んでいる。
夏季の土日祝日は2時間おきに運行されており、車とともに海を渡ることができる。薩摩半島は開聞岳、大隅半島からは佐多岬、噴煙を上げる桜島も遠くに望める。
ドライブの一休みも兼ねて、フェリーなんきゅうを利用してみてはいかがだろうか。

  • 動画で紹介している施設については、料金やメニュー等が変更になっている場合がありますので、直接お問い合わせください。

大隅半島の佐多街道で、佐多岬へ。鹿児島湾の海岸沿いをゆくパノラマライン

佐多街道

写真7 大隅半島の佐多街道へ。西側に鹿児島湾を望みながらのドライブとなる

南大隅町の根占港に着いたら、まずは根占大橋を渡って雄川の滝へ行ってみよう。駐車場に車を止めたら雄川渓谷の遊歩道に沿って歩く。清流の音や鳥のさえずりなどを聞きながら歩くと、目の前に幅60mの断崖と、そこから流れる落差46mの滝が現れる。美しく、迫力がある滝壺は神秘的で、心身ともに癒やされるだろう。

リフレッシュしたら国道269号で佐多岬を目指そう。道の駅根占を過ぎると、海岸沿いを走る南国らしい風景となり、海の向こうに開聞岳を見ることができる。波打ち際を走るわけではないが、高い位置から海を眺め、ゆったりと気持ち良いドライブが楽しめる。県道68号に入ると、途中にふれあいパーク佐多があり、展望台から錦江湾が一望できる。

最後に走るのが約8kmの佐多岬ロードパーク(佐多岬公園線)で、本土最南端まではもうすぐだ。道の様子はこれまでと変わり、亜熱帯植物が目に飛び込み、南国に来たんだという実感が湧いてくる。道なりに進むと海沿いのルートとなり、車を止めて潮風を感じてみたい。

さらに走ると北緯31度線展望広場があり、その先が終点の佐多岬公園駐車場になる。この展望台から佐多岬を眺めることもできるが、徒歩でトンネルを越えて進むと360度の眺めが広がる佐多岬展望台に行くことができる。本土最南端であり今回のドライブルートのゴールとしてはピッタリの絶景だ。

佐多岬公園線

写真8 佐多岬公園線へと足を進める。目的地の佐多岬はあとわずか

九州の最南端、佐多岬

旅のゴール、佐多岬。九州の本土最南端でもある

雄川の滝

写真9 雄川の滝は落差46m、幅60mの滝で、NHK大河ドラマ『西郷どん』でもロケ地として使われている

須藤英一

1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape

この記事はいかがでしたか?
この記事のキーワード
日本の絶景ドライブルートの記事を地域別に探す
あなたのSNSでこの記事をシェア!