香落渓(三重県)。自然の美しさと静けさを堪能できる渓谷ルート
絶景写真の専門家が、厳選したドライブコースをお届け
自然の美しさと静けさを堪能できる渓谷ルート、香落渓を走ります。四季折々で輝く絶景に出会えるドライブコースを、日本の隅々まで走り尽くした写真家の須藤英一さんが紹介。
長い時間をかけて形成された渓谷美を堪能する
香落渓(かおちだに)は三重県名張(なばり)市の渓谷で、名張川の支流である青蓮寺(しょうれんじ)川の上流にある。関西の耶馬渓(やばけい)とも呼ばれる渓谷で、柱状節理の岩肌が約8kmにわたって続いている。これは火山の噴火によって堆積した安山岩が、長い時間をかけて浸食されて形成されたものだ。今回紹介するのはこの香落渓を走る県道81号で、青蓮寺川に沿ったルートになる。
写真2 絵画のような風景が広がる道は、ゆるやかなカーブの連続だ
名張方面から行くには、青蓮寺湖を目指して走る。青蓮寺湖は青蓮寺ダムでできた人工湖で、四季を通じて美しい景観が楽しめる。青蓮寺湖の湖畔を走り抜けると、両側の山が少しずつ迫ってくるようになる。短いトンネルを越えると、斧(おの)で断ち割ったような柱状節理の岩壁が見え始める。そして屏風岩・鹿落岩・鬼面岩・天狗柱岩などのそそり立つ崖が続く。
季節ごとに変わる景色は何度でも向かいたくなる
写真3 紅葉シーズンは、谷間が赤や黄色で染まり、息をのむような美しい風景が広がる
黄色い河鹿橋(かじかばし)の左に見えるのが柱状節理の見本のような屏風岩で、ここからは道が少し狭くなる部分もあるので注意が必要です。天狗柱岩にはパーキングとトイレもあるので、クルマから降りてその雄大な自然の造形美を楽しめる。またここは紅葉の名所としても知られていて、秋には燃えたつような紅葉に彩られる。奈良県に入ると左に大絶壁で圧倒的な迫力の小太郎岩が見えてくる。ここで今回紹介のルートは終わるが曽爾(そに)村にはススキで一面が覆われた曽爾高原もあるので寄ってみよう。
香落渓データ
香落渓へのアクセスは、名張市街地から国道165号を経由し、県道81号から入ることができる。このルートはアクセスが良く、途中で名張川の景色も楽しめるのが特徴だ。道中にはカフェや地元の特産品を扱う店舗もあるので、休憩がてら立ち寄るのもいいだろう。
本内容は、須藤氏が撮影したときの情報を基に編集しています。詳細については、お出かけ前に最新の情報をご確認ください。
香落渓近くの日本遺産は、こちらをチェック!
日本遺産
とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
香落渓が走る三重県の近くにも日本遺産があります。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

須藤英一
1956年東京生まれ。アバコ撮影スタジオを経て1981年フリーカメラマンに。1985年から雑誌『アウトライダー』でツーリング写真の撮影を開始。以来、日本の道や風景をテーマにした写真を撮り続けている。『秋冬色の風景ドライブ―絶景の道を求めて』(2009年/JAF出版社)、『新・日本百名道』(2014年/大泉書店)など著書多数。 日本の絶景・Japan Beautiful Landscape
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