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免許更新やクルマの売却時に必要な手続きと費用とは?|特集
文=萩原文博/監修=丸山晴美/撮影=桐谷好平/モデル=GARU

免許の更新やマイナ免許証の申請をはじめ、クルマを売却する際に必要な手続きと費用とは?

知って得するクルマの手続き&費用AtoZ【クルマの所有・売却編】

免許更新やマイナ免許証の申請をはじめ、ナンバープレートの再交付などなど、クルマ関連の手続きはそろえる書類も多く複雑でわかりにくくなっています。なかには手続きを怠ると罰則が科せられる場合もあるので注意が必要です。そんなクルマ関連の手続きを節約アドバイザーが詳しく紹介します。

目次

運転免許の更新に必要なものと費用は?

【運転免許証更新に必要な書類など】

・運転免許証
・更新連絡書(はがき)
・運転免許証更新申請書及び質問票
・外国籍の方は、在留カード、特別永住者証明書等
・高齢者講習該当者(70歳以上)は、高齢者講習終了証明書または特定任意高齢者講習終了証明書等
・特定任意講習または運転免許取得者等教育の受講済み者は、講習(教育)終了証明書等(申請前6か月以内のものに限る)
・申請用写真
・眼鏡、補聴器等
・手数料

運転免許更新の案内書

更新を忘れて失効すると取り直しになるので注意!

運転免許証(仮運転免許証、国際運転免許証、外国運転免許証を除く)の有効期間は、道路交通法第92条の2で定められているように、交通違反の有無や年齢などにより違いがあります。免許取得後5年未満の人や違反運転者、71歳以上の人は3年、70歳の人(更新期間満了日の直前の誕生日に71歳を迎える人)は4年、その他の人の有効期間は5年で、それぞれの誕生日から数えて1か月を経過する日まで有効です。満了する日が土曜、日曜、休日や年末年始の場合はその翌平日までとなります。

免許証の更新をしなかった場合は、その免許は失効となります。したがって再び免許を取得するためには改めて免許試験を受けなければなりません。しかし、やむを得ない理由があれば免許試験の一部が免除されることがあるので、最寄りの警察署に問い合わせてみましょう。

免許証の更新および定期検査については、道路交通法第101条で定められていて、更新期間は免許証の有効期間が満了する直前の誕生日の1か月前から、前述した有効期間の満了日までの約2か月間で、その間に自分の住所地を管轄する公安委員会に更新申請書を提出するなどの手続きをしなければなりません。

更新手続きの方法は違反歴や運転経歴により異なる

優良運転者講習の案内通知

免許証の更新手続きは、過去の違反歴や運転経歴などによって講習区分等が規定されており、それぞれ申請場所、申請日時、講習時間等が異なります。講習区分(運転者区分)は、「更新のお知らせ(はがき)」で知ることができます。講習区分は、講習時間の短い順に「優良運転者講習」「一般運転者講習」「違反運転者講習」と「初回更新者講習」「高齢者講習」の5つに分かれます。

免許証更新の特例として、海外出張や入院、出産などの理由で、更新期間内に手続きができない場合は、更新期間前にパスポートや出張辞令、診断書などその理由を証明する書類を添えて更新を申請することができます。

優良運転者については更新申請の特例として、本人の住所地の管轄外の公安委員会でも申請ができます。また更新期間が満了する日に年齢が70歳以上になる人は、満了日からさかのぼって6か月以内に高齢者講習等を受けておく必要があります(道路交通法第101条の4)。さらに満了日に75歳以上になる人は、講習予備検査(認知機能検査)や運転技能検査等も受けなければなりません。

また、東京都や大阪府など一部の地域では、運転免許証更新手続きの完全予約制が導入されています。東京都では70歳未満で更新連絡はがき(予約用ID記載のもの)が届いた人が対象となっています。

●運転免許の更新手数料一覧(2025年3月24日以降の金額)

講習料金の一覧表

受講する講習によって手数料だけでなく受付時間も異なるので注意。また一部の地域では事前予約制が導入されている

優良運転者講習(30分)
免許の継続期間が5年以上で、かつ過去5年以内に違反・事故のない人(高齢者講習該当者を除く)

一般運転者講習(1時間)
免許の継続期間が5年以上で、かつ過去5年以内に3点以下の違反が1回の人(高齢者講習該当者を除く)

初回更新者講習(2時間)
免許の継続期間が5年未満で、無事故・無違反または3点以下の違反が1回の人(高齢者講習該当者を除く)

違反運転者講習(2時間)
上記意外の人(高齢者講習該当者を除く)

●運転免許の更新に関する詳細はこちらもチェック!
運転免許の更新等運転免許に関する諸手続について(警察庁)

マイナ免許証に変更する場合の手続きと費用は?

マイナンバーカード

2025年3月24日から運転免許証とマイナンバーカードとの一体化が開始される

マイナンバーカードと運転免許証および運転経歴証明書の一体化が、2025(令和7)年3月24日から開始されます。一体化を希望される方は、免許証に代わり免許情報の記録されたマイナンバーカード(マイナ免許証)を保有することが可能となります。

しかし、一体化がスタートしても義務づけられているわけではなく、従来どおり「運転免許証のみを持つ」、「マイナ免許証を持つ」、そして「マイナ免許証と運転免許証の両方を持つ」という3つの選択肢から選べます。保有形態については、更新時期以外でも変更することが可能です。変更手続きは運転免許センターや警察署などで行います。

【マイナ免許証の取得に必要なもの】

・現在保有している運転免許証
・マイナンバーカード(有効期限内のもの)
・手数料(保有形態により異なる)

●従来の免許証とマイナ免許証に変更する場合の手数料(2025年3月24日以降)

マイナ免許証に変更する場合の手数料

マイナ免許証に変更すると、運転免許証等更新の際に受講する必要がある講習をオンラインで受講することができます(優良運転者と一般運転者のみで、更新を受ける際の誕生日が2025年3月24日以降の方が対象)。また、警察で署名用電子証明書と免許情報をひもづけていれば、本籍地・住所・氏名および生年月日に変更が生じた場合でも、市区町村の窓口でそれらを変更すれば警察への届け出は不要となります。

その他、免許証の更新の手数料が安くなります。新しく免許を取得する場合、これまでの手数料は2,050円でしたが、マイナ免許証の場合1,550円と500円安くなります。また、免許更新時の手数料は2025年3月24日までは2,500円でしたが、マイナ免許証の場合2,100円と400円の値下げとなります。更新時の講習にかかる手数料も一部値下げとなり、オンライン講習を受講する場合は優良運転者と一般運転者ともに一律200円となります。

【マイナ免許証の注意点】

マイナンバーカードの券面には、免許情報(免許種別、有効期間など)が表記されないため、免許情報を読み取る場合にはマイナポータルにログインするか、「マイナ免許証読み取りアプリ」を利用する必要があります。また、マイナンバーカードとマイナ免許証の有効期間は異なり、マイナ免許証の有効期間は券面に表記されないため、有効期間切れ(失効)に注意しなければなりません。

●マイナ免許証に関する情報はこちらをチェック!
マイナンバーカードと運転免許証の一体化について(警視庁)

破損したナンバープレートを再交付するには?

ナンバープレートの写真

ナンバープレートの再交付は「盗難・紛失」による場合と、「破損・汚損」による場合で手続きの方法が異なる

クルマを運転するときは、ナンバープレート(自動車登録番号標)を見やすいように表示することが、道路運送車両法第19条で規定されています(軽自動車の場合は車両番号標)。もし、ナンバープレートが「破損・汚損」した場合、それらを返納して、同一番号で再交付してもらうことができます。ただし「盗難・紛失」の場合はナンバープレートを返納できないので番号変更となります。

【ナンバープレートを再交付するために必要な書類など】

・自動車登録番号標再交付申込書
・ナンバープレート
・自動車
・自動車検査証(車検証)
・印鑑(本人が申請する場合は認印。代理人が申請する場合は記名でよい)
・委任状(代理人による申請を行う場合は認印を押印。本人が申請する場合は不要)
・理由書(ナンバープレートを紛失、盗難された場合に必要)

盗難や紛失などの場合は「番号変更」に

盗難や紛失などでナンバープレートがない場合は、「番号変更」の手続きが必要となります。その際、ナンバープレートを返納できない理由や経緯をまとめた理由書の添付が必要になります。最近は車両盗難などの犯罪に使用される危険性も高いので、早急に警察署に届け出て、届出年月日・警察署名・受理番号、さらに発見されたときは返納することを明記したうえで、所有者もしくは使用者が署名して提出してください。

事故で「破損」したときや、汚れがひどく「汚損」による再交付の場合は、同じ番号で再交付することができますが、文字の判別が不可能でナンバーを正確に読めない場合は、番号変更となります。ナンバープレート交付手数料は地域により異なり、約1,500~2,000円です(ペイント式で一連番号の場合)。ナンバープレートを紛失して再交付を受ける場合は、クルマそのものを運輸支局または自動車検査登録事務所に持ち込む必要があります(軽自動車は軽自動車検査協会となります)。

ナンバープレート再交付の流れ

●ナンバープレートの再交付に関する詳細はこちらもチェック!
番号変更 ナンバープレートを紛失等した場合(関東運輸局)

クルマを買取業者に売却する際に必要な手続きは?

クルマのキーを手渡している写真

クルマを売却する際には名義が誰になっているかをまず確認する必要がある。ローンで購入した場合、クルマの所有者が信販会社や自動車販売店になっていることが一般的

クルマをローンで購入した場合、まずはローンの完済が必要です。ただし、ローンの返済が終わっていても「所有権解除」により所有者の変更手続きをしていなければ、名義は変わりません。名義が信販会社や自動車販売店のままだとクルマの売却ができないため、所有権解除手続きを行う必要があります。所有権解除の方法は、信販会社や自動車販売店によって違うため、事前に確認しておきましょう。所有権解除が完了した後は名義変更が必要となります。クルマの名義変更も買取業者が代行してくれる場合が多いですが、書類は自分で用意しなければならないものもあるので、必要書類を確認して準備をしておきましょう。

【クルマを売却する際に必要な書類】

・自動車検査証(車検証)
・自動車税納税証明書、軽自動車税納税証明書
・リサイクル券
・譲渡証明書(買取業者が用意)
・委任状(買取業者が用意)
自賠責保険(共済)証明書
住民票(車検証の住所と印鑑証明書の住所が異なる場合)
印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)
・運転免許証など自分の身分を証明できる書類
・実印(委任状や譲渡証明書に必要)

●クルマの売却に関する詳細はこちらもチェック!
売買等により譲渡、譲受する手続き(国土交通省)

乗らなくなったクルマを廃車にする場合の手続きは?

倒木の被害に遭ったクルマ

自然災害や事故などで乗れなくなったクルマを廃車にする場合も「抹消登録」などの手続きが必要になる。ただし自然災害などで車両が見つからない場合は、市区町村の役所で「罹災証明書」を発行してもらえば、車両がなくても廃車は可能

乗らなくなったクルマを廃車にするには、「抹消登録」という手続きが必要です。抹消登録は一時抹消登録と、永久抹消登録という2つの方法に分かれます。長期間の入院や海外出張で一時的にクルマに乗れないというケースは、「一時抹消登録」の手続きになります。一方、完全に廃車する場合は、「永久抹消登録」の手続きになります。事故による破損や車両盗難の被害にあった場合は、永久抹消登録の手続きが必要になります。

いずれの手続きも、自分で行う場合は陸運支局で行います。その際には、必要書類と前・後のナンバープレート(盗難などの場合は除く)も一緒に提出することになります。必要な書類の中には陸運支局で入手できるものもありますが、事前に準備しなければならない書類もあるので、確認しておきましょう。

一時抹消登録の手続きには登録手数料として350円が必要ですが、永久抹消登録の場合は不要です。しかしあくまでも、自分で手続きをする場合でのケースです。業者(自動車販売店や廃車買取専門店など)や行政書士に依頼する場合は、代行手数料が必要になってきます。 代行手数料は業者や行政書士によって異なります。

軽自動車の使用を一時中止する場合は、「自動車検査証返納届(一時使用中止)」の手続きが必要となります。手続きは、使用している本拠地(ナンバー)を管轄する軽自動車検査協会の事務所・支所・分室で行います。申請手数料は350円です。

また、永久にクルマを使用しない場合は「解体返納」の手続きを、一時的に使用中止していたクルマを解体するときは「解体届出」の手続きをします。

【抹消登録を行う際に必要な書類と費用】

・自動車検査証(車検証)
・ナンバープレート(前後2枚)
・リサイクル券
・申請書(永久抹消もしくは一時抹消)
・手数料納付書
・印紙代350円(一時抹消のみ)
・印鑑証明書(所有者のもので発行後3か月以内のもの)
・委任状(代理人による申請の場合に限り必要。実印を押印する)
・自動車税申告書

●抹消登録に関する詳細はこちらもチェック!
抹消登録(国土交通省)

節約アドバイザー:丸山晴美

丸山晴美さんの顔写真

まるやま・はるみ ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー。22歳のときに節約に目覚め、一人暮らしをしながらも1年で200万円を貯め、26歳で住宅を購入した経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年に節約アドバイザーとして独立。食費や通信費など身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを執筆、監修している。著書に『シングルママの「お金に困らない」本』『50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します(共著)』など多数。

クルマを手放すタイミングでも節約が可能です!

クルマを手放すことで、定期的にかかる費用を節約することができます。しかし、生活スタイルが大きく変わる可能性や、代替となる公共交通機関などの利用がしやすいか、費用はどれだけかかるのかなどを比較検討してから決断するようにしましょう。実際に売る際はお得になるタイミングで、できるだけ高く買い取ってほしいものです。お得に売るタイミング5つを紹介します。

(1) 車検前
車種や車両の状態、依頼先によっても異なりますが、車検費用には6~20万円程度の費用がかかります。車検費用を払うことで買取価格が上がればいいのですが、そこまで買取価格には反映されないのが現実です。その理由は車検が切れても、書類がそろっていればまた車検を通すことができることと、海外に輸出する場合は、車検切れのクルマでも問題がないことが挙げられます。

(2) 走行距離が10万kmになる前
一般的に走行距離が10万kmを超えると部品の劣化などトラブルが起こりやすくなるとされ、中古車市場での価値が低下するためです。

(3) 年式が10年落ちあるいは13年落ちになる前
クルマの部品は一般的に生産終了から7~10年ほどは供給されますが、それ以降は在庫のみで終了となり10年を超えると部品が手に入りにくくなります。また、新規登録から13年経過したクルマには、自動車税(種別割)の重課措置が設けられており、税率が高くなるためです。そのため、10年または13年になる前が売る目安の一つとも言えます。

(4) 自動車税が課税される前
自動車税は4月1日時点で車検証上における自動車の所有者に対して自動的にかかるため、手放すならその前までに名義変更等、済ませておくとよいでしょう。

(5) 1~3月の新生活や9月の人事異動や転勤のタイミング
4月の新社会人になるタイミングや、9月の人事異動、転勤のタイミングでクルマの需要が増えます。売却をこれらのタイミングに合わせることで、買取価格がアップしやすくなります。

また、クルマを売却する際は、買取価格の相場を調べて複数の買取業者へ査定を依頼して、見積もりを見比べてから決めるとよいでしょう。

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