自動車交通トピックス

車検証の住所変更、忘ていませんか? 自宅で申請できるワンストップサービスとは?

住所変更の手続きは15日以内、違反すると罰金も!

2023.05.29

文/津島 孝

2023.05.29

文/津島 孝

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

新生活が始まり、引っ越しの整理も一段落。ほっとしている人も多いはずだが、車関連の手続きは済んでいるだろうか。運転免許証の住所変更は覚えていても、車検証などの住所変更は後回しになりがち。車検証や車庫証明の住所変更手続きは、住所が変わってから「15日以内」という期限がある。手続きを怠ると50万円以下の罰金が科せられることもあるので注意しよう。

ワンストップサービス(OSS)で車の手続きをオンライン申請

そんなうっかりミスを効率よく解決できるのが、国土交通省などが運営する「自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)」だ。自宅やオフィスのパソコンから車に関する各種の手続きを一括で処理できるオンラインサービスで、24時間365日いつでも利用できる。営業時間を気にすることなく処理できるのは、仕事や家事で忙しい人にとって使い勝手がいい。
例えば車検証の住所を変更する際は、陸運支局(軽自動車は軽自動車検査協会)へ出向いて申請しなければならない。しかし、OSSを使えば窓口で待たされるストレスもなく、交通費や時間をかけずに手続きが完了する。手数料や税の納付もオンライン化され、銀行などで現金を振り込む手間が省ける。

ワンストップサービスの手続き概要

「自動車保有関係手続のワンストップサービス」の申請の流れ概略図

インターネットを使用して自宅などからオンラインで申請が可能なため、期限内に陸運支局など行政機関に出向く必要がないのがメリット(出典:国土交通省ウェブサイト)。

「軽自動車OSS」の申請の流れ概略図

軽自動車の場合も申請方法は同じ。原則として24時間365日利用可能(出典:軽自動車検査協会ウェブサイト)

申請できる手続きの種類と申請が必要なとき

新車新規登録 新しく購入した未登録の自動車を登録するとき
中古車新規登録 利用が一時的に中止されている車を再度利用するとき
移転登録 車の名義変更(所有者の変更)をするとき
変更登録 引っ越しや結婚などで車の所有者の氏名、住所、使用の本拠の位置などを変更する場合
一時抹消登録 長期の出張や海外渡航などの理由で、車の利用を一時的に中止する場合            
永久抹消登録(還付あり/還付なし)      車をリサイクル事業者などに引渡し、解体処分したときなど
移転一時抹消登録 「移転登録」と「一時抹消登録」を同時に行うとき
移転永久抹消登録(還付あり/還付なし)         「移転登録」と「永久抹消登録」を同時に行うとき
変更一時抹消登録 「変更登録」と「一時抹消登録」を同時に行うとき
継続検査 自動車検査証の有効期間満了後も車を引き続き使用する場合

ナンバープレート交換の特例措置も始まった

2022年1月4日からは、OSSを経由して変更登録を申請すると、新旧ナンバープレートの交換を次回の車検時まで猶予される特例も始まった。これまでは新ナンバープレートが交付されると運輸支局へ車を持ち込み、それまで付けていたナンバープレートと交換していたが、新旧ナンバープレートの交換は次回車検時までに終えればいいこととなった。これによってユーザーの負担はさらに軽減され、行政機関が自宅から遠い人や外出が難しい人にもよりメリットの多いサービスになった。
OSSは2005年(平成17年)からスタートしているが、当初は利用できる地域や手続きの種類が限られていた。しかし現在は、全国の地域で主な自動車保有関係の申請ができるように改善されている。

車検証とナンバープレートのイメージ写真

車検証に記載の住所変更だけでなく、2022年1月からはOSSで申請すればナンバープレートの交換も次回車検時まで猶予される特例も始まった。

OSSでの申請前には書類や機器などの準備が必要

OSSを使った手続きの手順は、まず国土交通省の「自動車保有関係手続のワンストップサービス」ポータルサイトへアクセス。申請ができる手続きの種類を見つけたら、指示にしがって申請項目を入力していく。引っ越しによる車検証の住所変更ならば「変更登録」に該当する。
注意したいのは、手続きの前に準備するものがあることだ。パソコンはWindows7以降でインターネットが使えることが条件。ほかのOSには対応していない。また、電子証明書が付いたマイナンバーカードか、住民基本台帳カードも必要。さらに、これらをパソコンに取り込むためにICカードリーダも必要になるほか、車庫証明の書類や所在地などの添付画像を取り込むために、スキャナーを使うこともある。

行う手続きによって必要書類が異なるので要確認

新車新規登録、中古車新規登録、継続検査などを行うときは自賠責保険(共済)証明書の加入の確認が必要になるなど、手続きによって必要書類が異なる。事前にどんな書類が必要かを確認しておくことが大切だ。ちなみに車庫証明(自動車保管場所証明書)は、OSSを使えばオンラインでも入手可能だ。

申請手続きの前に準備するもの

・インターネットが使えるWindowsパソコン
(OSはWindows7以降。ブラウザはMicrosoft Edgeか、Google Chrome)
・電子証明書付きのマイナンバーカードまたは住民基本台帳カード
・マイナンバーカードなどを読み取るためのICカードリーダ
・車検証(コピーでも可)
・車庫証明の添付書類
(保管場所の所在地、所在図、駐車場など保管場所の使用権を証明する書類など)
・申請に必要な書類(手続きによって書類が異なる)
・書類を読み取り、電子データを作るためのスキャナーなど

ワンストップサービス自体の利用は無料

各行政機関への税や手数料の納付は、インターネットバンキングやATMを使用する。ちなみにOSS自体の利用料金は発生しない。送信された申請が各担当機関によって審査されるのは、月曜日から金曜日(祝祭日、年末年始を除く)の窓口時間のみ。それ以降に到達した申請は、次の開庁日以降の審査になる。
OSSの詳細はポータルサイトでチェックできるが、初めて利用する人や慣れていない人に向けて、国土交通省は様々な質問に答える「ワンストップサース・ヘルプデスク(☏050-5540-2000)」も設置している。OSSを利用したい、詳しく知りたいと思ったら連絡してみよう。

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