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【特車図鑑】陸上自衛隊が誇る最前線の炊事車両「野外炊具1号(22改)」|特集
構成=グランマガジン社/監修=末永高章/写真協力=陸上自衛隊、陸自調査団/コメンテーター=Kaori(重機女子)

被災者200人を45分で満腹にする自衛隊の“走るキッチン”がすごすぎる! 最新型「野外炊具1号(22改)」を詳細解説!

【特車図鑑】世の中を支える唯一無二の特殊な乗り物たち
コメンテーター=重機女子オペレーター Kaoriさん

建設現場や災害現場、そして輸送の最前線などで、人知れず活躍する特殊車両たち。特別な作業のために開発されているだけに、その機能も形状も、どれも常識を超えたものばかりだ。「特車図鑑」では、そんな世の中を陰で支える無二のマシンたちにスポットを当てて紹介していく。今回紹介する野外炊具は、「災害派遣」や「演習(訓練)」などで運用されている。特に直近の2024年の能登半島地震での活躍は、この装備の重要性を改めて世に知らしめることになった。

目次

被災地の生命線を支える「野外炊具1号」という名の救世主

2010年に改良された最新型の野外炊具1号(22改)の外観写真

目的地に到着してからわずか45分以内に、200人分(最大250人分)の食事を提供できる最新型の野外炊具1号(22改)。最大の特徴はかまど部が分離できること。これにより場所を選ばない柔軟な調理が可能となった

初代の野外炊具1号の外観写真

初代「野外炊具1号」は1962年(昭和37年)に運用開始。ガソリンと灯油の混合燃料を使用し、点火には手動での加圧や「予熱」という儀式が必要だった。

改良型の野外炊具1号(改)の外観写真

改良型の「野外炊具1号(改)」は2000年(平成12年)に登場。自動点火・消火機能と不着火防止、立ち消え防止機構を備え、灯油のみでの稼働を実現した。冷蔵庫や貯水・給排水機能も追加され、文字通りシステムキッチンへと進化した

野外炊具1号に装備されている調理器具類の写真

内釜1個で25人分の炊飯が可能。6釜をフル稼働させれば、約45分で200人分の主食・副食を同時に作り上げる圧倒的な調理能力を誇る。また、外釜1個で35Lの水を30分以内に沸騰させることも可能だ

“走るキッチン”「野外炊具1号」の細部を紹介!

トラックにけん引され移動中の野外炊具1号

調理ユニット一式が1tトレーラーに搭載されており、これをトラックの後部に連結して移動する。けん引する車両は陸上自衛隊の主力トラックである3.5tトラックが使用される。この強力な足回りと組み合わせることで、一般のキッチンカーでは進入不可能な悪路や不整地まで到達可能

搭載されている調理器具の写真

バーナー、外釜、そして内釜で構成されるこの調理ユニットは、蒸気炊飯方式を採用。炊飯や汁物はもとより、煮る・炒める・焼く・揚げるといった多種多様な調理に対応する。その汎用性はレストランの厨房にも引けを取らない。自動着火とタイマー制御による自動消火機能を実装している

搭載されているスライサーの写真

大量調理の成否を分ける、文字通りの「切り札」。野外炊具1号(改)から搭載されたこの電動スライサーは、1時間で約375kgの野菜を捌き切る。この爆速の下処理能力こそが、45分で200人分という驚異の給食スピードを支えているのだ

搭載されている冷凍冷蔵庫の写真

1号(改)から本格導入された冷凍冷蔵庫。発電機からの電力供給により、肉や魚、乳製品などの生鮮食品を、過酷な野外環境下でも安全に衛生管理することが可能となった。直射日光にさらされる過酷な現場においても、食材の鮮度を確実に保持する

22改から搭載された発電機の写真

最新の「22改」では、騒音の大きかったコンプレッサーが廃止され、電磁ポンプによる燃料供給へと進化した。その電力をまかなうのが、この発電機だ。自動着火やタイマー制御による自動消火を安定して作動させ、現場での確実かつ静粛な調理をサポートする

火力を操作するためのスイッチパネル

野外炊具1号(改)のスイッチ&ダイヤル操作を刷新し、最新の22改ではボタンひとつでの自動着火とタイマー制御による自動消火を実現。極限の環境下においても、操作員の熟練度を問わない均一な火力管理を可能にした

調理ユニット一式が1tトレーラーに搭載されており、これをトラックの後部に連結して移動する。けん引する車両は陸上自衛隊の主力トラックである3.5tトラックが使用される。この強力な足回りと組み合わせることで、一般のキッチンカーでは進入不可能な悪路や不整地まで到達可能

バーナー、外釜、そして内釜で構成されるこの調理ユニットは、蒸気炊飯方式を採用。炊飯や汁物はもとより、煮る・炒める・焼く・揚げるといった多種多様な調理に対応する。その汎用性はレストランの厨房にも引けを取らない。自動着火とタイマー制御による自動消火機能を実装している

大量調理の成否を分ける、文字通りの「切り札」。野外炊具1号(改)から搭載されたこの電動スライサーは、1時間で約375kgの野菜を捌き切る。この爆速の下処理能力こそが、45分で200人分という驚異の給食スピードを支えているのだ

1号(改)から本格導入された冷凍冷蔵庫。発電機からの電力供給により、肉や魚、乳製品などの生鮮食品を、過酷な野外環境下でも安全に衛生管理することが可能となった。直射日光にさらされる過酷な現場においても、食材の鮮度を確実に保持する

最新の「22改」では、騒音の大きかったコンプレッサーが廃止され、電磁ポンプによる燃料供給へと進化した。その電力をまかなうのが、この発電機だ。自動着火やタイマー制御による自動消火を安定して作動させ、現場での確実かつ静粛な調理をサポートする

野外炊具1号(改)のスイッチ&ダイヤル操作を刷新し、最新の22改ではボタンひとつでの自動着火とタイマー制御による自動消火を実現。極限の環境下においても、操作員の熟練度を問わない均一な火力管理を可能にした

【野外炊具1号(22改)のスペック】
●車種名:野外炊具1号(22改) ●全長×全幅×全高:4590 mm×2310 mm×2740 mm ●車両総重量:2500 kg 以下 ●炊事能力:45分以内に200人分(最大250人分)の主食・副食を同時に調理可能 ●内釜炊飯能力:1個につき約25人分 ●外釜湯沸能力:1個で35 Lの水を30分以内で沸騰可能 ●スライサー能力:約375 kg/h以上(万能調理器) ●制御方式:自動着火、タイマー制御による自動消火、不着火時燃料カット ●調理種類:炊飯、汁物、焼き、煮る、炒め、揚げ物等 ●牽引車:3.5tトラック(通称:3 1/2tトラック)

野外炊具1号(22改)の 主な装備構成】
●調理ユニット:かまど(内釜・外釜)× 6基、炊飯器 ●調理補助:揚げ鍋、万能調理器(スライサー)、皮むき機 ●燃焼システム:圧力噴霧式バーナー ●保存・衛生:冷凍冷蔵庫(電気式)、給排水装置(給水ポンプ・貯水タンク) ●電源:小型発電機(ガソリン駆動)

重機女子オペレーター Kaoriさんが語る「野外炊具1号(22改)」の魅力

重機女子オペレーターKaoriさんの写真

もし明日、街が被災したら……災害時に希望を与えてくれる車両

陸上自衛隊の“巨大キッチンカー”、「野外炊具1号」。被災地での炊き出しなど、テレビで見たことがある方もいるでしょう。この車両は、約200人分の主食と副食を同時に、約45分で調理可能です。さらに、釜は6つ搭載。「焼く・煮る・炒める・揚げる」など、さまざまな調理に対応しています。

想像してみてください。今住んでいる地域が被災し、どれほど壊滅的な状況になったとしても、私たちは食べなければ生きていけません。ガスや水が止まったなかでも、食べ物を確保する必要があります。それを補助してくれるのが、この車両です。食べることは、生きること。どんなに悲しい状況でも、温かいご飯を食べて、命さえあれば、きっとなんとかなる。そんな希望を与えてくれる車両です。災害時に最初に支えてくれるのが、この特殊車両かもしれません。それを常に備えてくれている自衛隊の皆さんにも、感謝の気持ちを忘れずにいたいですね。

重機女子オペレーター Kaoriさん(株式会社KSK 代表)

Kaoriさんの顔写真

親方として現場で作業を行うKaoriさんは、重機が好きすぎて自ら会社を設立。「ユンボの楽しさを伝えたい!」という思いから、毎日現場で作業しながらもテレビ出演やイベントでの講演のほか、建設業界で働く女性たちが集まるコミュニティサイトなども運営している。

●Instagram:@kao.ksk
●公式LINE(建設業に関わる女性限定):@925dxxzs

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