フィアット・デュカトベースの最新キャンピングカー集結! その魅力を徹底チェック!!
キャンピングカーアワード受賞者・田村淳さんもひと目惚れ日本最大のキャンピングカーイベント「ジャパンキャンピングカーショー」で第13回キャンピングカーアワードの授賞式が行われました。2025年の受賞者はタレントの田村淳さん、そして淳さんの愛車であるフィアット・デュカトをベースとしたバンコン「ゼニア」がキャンピングカーアワードモデルに選ばれましたが、デュカトベースのキャンピングカーにはどんな魅力があるのでしょうか?
ゆとりのサイズと
運転する楽しみを両立
田村淳さんが一目惚れしたという愛車。運転席後ろにL字型、後部に対面ソファを備えています
キャンピングカーアワードで話題のベース車両、フィアット・デュカトは欧州で人気の大型商用バン。日本に導入されているのは、標準ボディであるL2H2(全長5410×全幅2100×全高2525mm)とロングボディのL3H2(全長5995×全幅2150×全高2525mm)。
ハイエースのスーパーロング・ワイドボディ・ハイルーフが全長5380×全幅1880×全高2285mmですから、数値だけでもデュカトのゆとり具合がわかりますが、実際にクルマを見るとその迫力は群を抜いています。
キャンピングカーアワードを受賞した田村淳さんは、これまで6台のキャンピングカーを乗り継ぎ、愛車を被災地支援に活用するほど根っからのキャンピングカー好き。
そんな淳さんが一目惚れしたというのが、デュカトをベースにしたナッツRV製の「ZEGNIA(ゼニア)」です。
授賞式では「大きすぎないサイズで運転席からの視界がいい。自分で運転してみんなを楽しませたくなる」のが第一印象だったとか。
そのうえで、電動で昇降するベッドでベッドメイクが簡単だというのが決め手だったと言います。
快適に過ごせる設備を無理なく搭載。その分重量は増えますが、デュカトはパワフルでスムーズに加速するため長距離移動でもストレスがないとのこと。キャンピングカーのベースとして注目されている理由はズバリ、コレ。
ジャパンキャンピングカーショーの会場にはナッツRV以外にもデュカトをベースとしたキャンピングカーが勢揃い。工夫を凝らした設備やレイアウトをご紹介します。
アワード車と同タイプの「ゼニア LF」。向かいあって座れるダイネット(リビングや食事などをするスペース)の上に電動式昇降ベッドがあり、2段ベッドとすることも可能です。奥に見えるのはマルチルーム
乗用車並みの乗り心地と
ヴィラのような快適さ
KYB×アールブイランド「VILLATOR」
ショックアブソーバーメーカーのカヤバが製作したキャンピングカー「VILLATOR」はL3H2がベース。カヤバスタッフの説明では、より乗り心地と安定性、コーナリング性能を高めた専用ショックアブソーバーを開発したそうで、走行テストを重ねた結果、トラックの追い越しによる煽り風も気にならないとか。
商用バンとは思えない乗り心地を実現し、安全で楽しく移動できるのが最大の特徴となっています。
「VILLATOR」のために開発したショックアブソーバー。カラーもアウトドア感を高めるオリーブ色にしています
長距離運転での疲労感を軽減する専用バケットシート。運転時だけでなくキャンプ場でのくつろぎ時間やちょっとした仕事に重宝します
リアゲートを開き、大型デッキとシェードを引き出せばまるでヴィラ。床とデッキの段差はほとんどなく行き来しやすいのでペットとの休日にもぴったりです。もともとゆとりのあるデュカトですが、後部に居住スペースが広がると圧倒的にのびのび過ごせます
ふんだんに採用した天然木と
大容量ラゲッジ
ダイレクトカーズ「Molvia」
L2H2をダイレクトカーズらしさ全開に仕上げたのが「Molvia」です。
ダイレクトカーズといえば天然木をふんだんに採用した「リトリート」シリーズが有名ですが、「Molvia」の天井は「リトリート プレミアムエディション」のような縦格子状の木造仕上げ。
また、「リトリート」シリーズのようなスライドアウト(車体の一部を外側へスライドさせて居住空間を広げる機能)こそしませんがIHクッキングヒーターとレンジ、冷蔵庫を内蔵したギャレーは運転席・助手席の真後ろに設置。全幅を最大限に活かせるため対面でくつろげるレイアウトとなっています。
一方、リアのベッド下には大容量のラゲッジスペースを確保。アクティビティのギア、ペットのケージを収めやすい1台です。
後部ベッド下は潔く大容量ラゲッジ。奥には木製収納「栄〜SAKAE〜M」が3つピッタリ並んでいます
スライドドアを開けるとコンパクトにまとめたギャレーが目に飛び込みます。作業台の下は手前から靴箱、冷蔵庫、レンジという並び
天然木を使った家具と天井がダイレクトカーズらしさ。エアコンが主張しすぎないようカバーをしているのもトレンドです
日本の旅をイメージした
5人乗車/5人就寝
トイファクトリー「Gioia」
トイファクトリーは欧州の2人旅用レイアウトを踏襲したデュカトベースから脱却し、日本のファミリーが使いやすい5名就寝を提案しています。それが「Gioia」。
あえてマルチルームは搭載せず、大人3名が就寝できる常設リアベッド(長さ1900×幅1550mm)と大人2名が就寝できるフロアベッド(長さ1910×幅1200mm。オプションで長さ2380mmまで延長可能)を用意しています。
圧迫感なく大人5名が横になれるのはさすが。
マルチルームなし、運転席・助手席を活用することで車内空間を無駄なく利用。運転席後ろにはシンク、冷凍冷蔵庫が並び、上部にはレンジも搭載。冷蔵庫やシンクには運転席に座ったままでも手が届きます
フロアベッドの下にも収納スペースがあるので荷物が増えがちな家族旅でも安心
トイファクトリーではワンルームをコンセプトにしたカリフォルニアスタイルのパッケージ「VAN LIFE」も用意しています。こちらは4名乗車・4名就寝
オーク材を用いたパッケージモデルは比較的納期が短く、価格も控えめ。自分でカスタムしやすいのでDIY好きの人はこちらを狙うのもアリです
寝台列車みたいな
二段ベッドを搭載
岡モータース「Gran Box L3 VL」
両側に寝台列車のような2段ベッドを備えたのは岡モータース「Gran Box」シリーズ最新作である「Gran Box L3 VL」。ロングボディのL3を用いることで、後部に簡易マルチルームを搭載しています。
着替えや簡易トイレ使用時はカーテンを閉めますが、それ以外はカーテンを開けておくことで圧迫感もありません。
また、下部ベッドを畳めばオートバイや自転車をそのまま詰めるなど収納力も自慢です。
必要なときだけ仕切る簡易マルチルーム付き。マルチルームの反対側の2段ベッドは折りたたみ可能なのでオートバイの積載も可能です
スライドアウト式シンクを搭載したコンパクトなギャレー。回転する運転席・助手席をうまく活用しています
為替の影響もありどうしても輸入車ベースは高価格になりますが、ハイエースベースのキャンピングカーと同等の価格帯のものもありました。
レイアウトの自由度が高く、走る楽しさも見いだせるデュカトベースのキャンピングカーは、これからもいろいろなモデルが登場しそうです。
大森弘恵
おおもり・ひろえ フリーランスのライター、編集者。主なテーマはアウトドアと旅で、ときどきキャンピングカーと料理の記事も。身軽なソロキャンプ歴は約40年、愛車はヤマハ・WR250R
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