車中泊カー作りのヒントがここに! ちょっと手を加えるだけでゴキゲンな車中泊ライフ
「バンタメフェス2024」で出会ったクルマを、アナタの車中泊カーの参考に!車中泊カーの内装を快適に、さらにオリジナリティを出したい方必見!アイデア満載のバンライファーが集う「バンタメフェス2024」で旅するクルマを見学(栃木県・那須塩原ニワトコ RVパークで開催)。インテリアや整理術、そして快適装備についてお手本としたくなる例を集めてみました。
ガス管でインダストリアルな雰囲気に
窓に板を貼り、ガス管を張り巡らせています。アクセントにバルブを取り入れているのもユニーク
フィンガーライムキッチンさんはフレックスのキャンピングカー「ウッドヴィレッジ」をベースに、より快適に過ごせるようDIY。
「近所の大工さんに工具を借りて棚を作りました。上のトビラ付きの棚は屋根の曲線に苦労しましたが、おおむね満足」と教えてくれました。
ナチュラルな木目が印象的な内装ですが、インテリア用のガス管でラックを作ったことでインダストリアルな雰囲気に変身。
「プロジェクターを使って車内で動画鑑賞できるようにしたいんです。現在はベッドメイクのために2列目シートをフラットにするんですが、シートの背もたれを活かしたままベッドにできるようにするのが次の目標。そうすればプロジェクターを見やすいでしょう」(フィンガーライムキッチンさん)
難しい電装系を完備したコンプリートカーのカスタムならはじめての車中泊カー作りでも夢が広がります。
有孔ボードも検討したそうですが、ガス管を知って現在のスタイルに
後部はマグネットを用いてカーテンを吊していますが「流木でカーテンレールを作ろうと計画中」とのこと
マグネット+ホーローカップは相性抜群
カセットガスを用いるバーナー、水道とシンク、そしてサブバッテリー を完備
もともと登山や釣りが好きでジムニーに乗っていた三島さん夫婦。
買い換えを検討し、車中泊ができるクルマを探しているときに「土足で上がれる床」「ベッドになる椅子を外に持ち出せる」という、車内と車外をシームレスに行き来できるキャンピングカー「ブローニィ RIW」の存在を知ったと言います。
「一目惚れしてキャンピングカープラザ大阪に問い合わせたところ新規オーダー受付はそろそろ終わるとのことなので、急いで程度のいいベース車両を探し出してリノベーションしてもらいました」(三島さん夫婦)
ボンゴブローニィをはじめとする商用車はインテリアにもボディーの鉄板がむき出しになっていて磁石を使用できる場所が多く、磁石付きケースに細かなモノを入れてペタッと付けられます。有孔ボードにもマグネットプレートを2枚付けています。
「カトラリーやマグカップをただ吊すだけでは、走行中にカタカタと音がします。でも磁石で止めておけばうるさくありません」(三島さん夫婦)
釣りや山歩きなどを楽しむ活動的な三島さん夫婦
吊したホーローのマグカップは磁石の力で走行中もピタッと止まっています
マリメッコ柄ファブリックが商用車っぽさをやわらげています
手始めにベッドからDIY
少しずつ手を加えている途中のKOMOMO号
福岡を拠点とするグラフィックデザイナー、KOMOMOさんはタウンエースを車中泊カーに改造中。プロの助けを得ながら、空いた時間に板を張って改造を続けています。
「車内の天井もそうですが、なにもかも中途半端で今はベッドがあるだけ」と笑いますが、KOMOMOさんが作ったベッドは引き出せるのがポイント。ネットの情報を参考に作ったそうです。
「旅するデザイナー」と名乗るだけあり2024年は10月から12月までクルマ旅の日々。仕事をしながら全国各地の友だちに会ったりイベントに参加したり。合間にDIYも続けていて、棚の製作はまだ先のこと。
それなのに車内はスッキリ。その理由は市販の木製ラックや籐カゴなど似たトーンのモノを活用して整理整頓しているため。統一感があり、製作途中とは思えないやすらぎ空間になっています。
磁石付きフックで荷物を吊り下げたり、窓の目隠しをしたり。お手本になるテクニック
窓の断熱が不完全な今、欠かせないのが優秀なダウン寝袋。ナンガの寝袋は結露した窓に触れても濡れない防水透湿素材の生地で、ダウンを包んだ優れもの
丸目ハイエースに車上テントを載せて就寝スペース拡張
オーニング(日よけ)とルーフトップテントが活躍
「幼稚園バスのようなかわいい黄色の丸目ハイエース車中泊カーに、ARBのルーフトップテントとサイドオーニング。全部込みで販売していたので即決しました」と教えてくれたのは藤崎さんファミリー。もともとテントでファミリーキャンプを楽しんでいたそうですがこのクルマと出会い、温泉付きRVパーク巡りにはまっているそう。スキー旅行の休憩場所としても活躍しているとも言います。
「ルーフトップテントは、日中は子供の遊び場。夜も登るかと思いましたが、遊び疲れて早めに寝ちゃうのでいつも車内に寝かせています」(藤崎さんファミリー)
いくらハイエースといえど家族3人で眠るには少々手狭になりますが、ルーフトップテントにお母さんが潜り込むことで全員が窮屈な思いをせずに眠れるというわけ。ベッドを増やしたい、広々寝たいと悩む人の参考になります。
ペットとの旅を楽しむ藤崎さんファミリー
特別手を加えることはなかったそうですが、今の季節は電気毛布と湯たんぽが必須
電気毛布とポータブル冷蔵庫のために、充電が早く幅広い家電を使えるエコフローのリバープロを備えています
ふらつきを抑えるためにスタビライザーを強化。ほかに外部電源を取り付けています
市販のコットがピタッとはまってベッドに
サンバーバンに板張り。バラバラの材料を使っているのに統一感があります
オリーブドラブ色を中心にミリタリーっぽくサンバーバンをカスタムしているミヤさん。そのとき手に入る素材を使っているそうで、よく見るとつぎはぎなのですが、あえてラフに塗ったペンキのおかげでしょうか、ごちゃごちゃした感じはありません。
天井から壁、床、棚、調理台などどれも自作していますが、よく見るとベッドがない!
「市販のコットがぴったりだったので、これを利用しています」(ミヤさん)。
ミヤさんのベッドは高さが変わる市販のキャンプ用コット。
サンバーの2列目シートを取り外すと段差ができ、普通にコットを置いてもダメ。ところがコットの後部のみロースタイルの脚にすることで、きれいな水平となるんです。
木や鉄パイプで作るよりも、市販のコットは軽くて移動も簡単といいこと尽くめ。
車中泊カーの横にミリタリーテイストのキャンプ道具を広げて焚き火を楽しむミヤさん
コットの一番後ろだけ脚を抜くと車内の段差解消にぴったり
自作の調理台。棚にしまっているカセットコンロはオリーブドラブ色に塗装済み
車中泊の先輩たちのスタイル見学は、最高の参考書となります。
これから車中泊カーを作りたい、選びたい人は、バンライファーが集うイベントに参加してみるのもいいですね。
大森弘恵
おおもり・ひろえ フリーランスのライター、編集者。主なテーマはアウトドアと旅で、ときどきキャンピングカーと料理の記事も。身軽なソロキャンプ歴は約40年、愛車はヤマハ・WR250R